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建学の精神 『商法講習所』

[海舟] 2009年7月31日 09:00

 

銀座松坂屋前の歩道の植え込みの中に『商法講習所』碑があります。
この場所が、1949年に設置された一橋大学の原点です。
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商法講習所は、慶應義塾の福沢諭吉、日本資本主義の生みの親で
ある渋沢栄一たちの支援のもと、森 有礼(初代文部大臣・1847~
1889)によって1875年に私塾として創立されました。
9年後、農商務省の直轄となり、東京商業学校と改称。
その後、文部省への所管変更,幾度の改称(高等商業学校、東京
高等商業学校、東京商科大学、戦時中に東京産業大学、戦後、再び
東京商科大学 に戻る)を経て、現在の一橋大学へと編成されます。

この間、1909年、東京帝国大学にあわや統合されるという危機に
遭いますが、学校関係者他多数の支持を得て回避されます。
 「産業界の指導者育成」という建学の精神は、官僚の養成を設立目的
とする帝国大学への併合を許しませんでした。(申酉事件)

一橋大学固有の反官学的スタンスは私立大学はもとより、他の国立大学 
とも一線を画すことにより、その光芒を放っています。

この碑が『一橋大学発祥の地』ではなく、『商法講習所』とされたところに
創設期より自由闊達な校風を保持するこの大学の面目と矜持が感じられます。