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東をどり

[杏葉牡丹] 2014年5月17日 14:00


毎年恒例の、新橋の芸者衆による「東をどり」が、

今年も5月24日~27日に行われます。

 

回を重ねて90回という歴史ある公演ですが、もともとは新橋の芸者衆の、一流の芸の披露や伎芸向上の為にと始まったもの。

 

そして会場の新橋演舞場は、もともとは芸者衆や置屋・料亭等の新橋花柳界の関係者とその後援者たちによって、建てられたものです。

だから、場所は銀座にあっても、「新橋演舞場」と言うんですね。

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ついでに言えば、この「新橋花柳界」の『新橋』ですが、現在では港区の地名になっているので、なぜ中央区なの?と思われる方も多いかと思います。

 

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『新橋』というのは、銀座8丁目の先の首都高速がある場所に、かつては「汐留川」が流れており、そこにかかっていた『橋』の名前でした。

現在でも、親柱だけは、高速の下に残っています。

 

幕末に、そこの近くの、現在は博品館の裏辺りになる金春町に、常磐津指南をしていた女師匠がいて、しばしば付近の料理屋などの宴席に呼ばれるようになり、幕府から「酌取御免」のお墨付きを貰います。

これが「新橋芸者」の始まりといわれいるそうです。

 

明治維新以後は、薩長出身の政財界人等に贔屓にされ、江戸時代からの代表的な花柳界の柳橋と並んで、「新柳二橋」と呼ばれることもありました。

 

最近話題の「日本のおもてなし」の究極とも言える花柳界ですが、やはり一般庶民には、敷居の高い世界。

特に女性には、普通だったら縁がなさそうですが、この「東をどり」でしたら、舞台だけでなく、ロビーや劇場全体で、そんな雰囲気を味わうことも出来ます。

 

詳細については、「東をどり」のページをご覧ください。

http://www2.odn.ne.jp/shinbashikumiai/

 

ck1203_20140516 (2).jpgなお、新橋花柳界のことをもっと知りたいという方には、『名妓の資格~細書・新橋夜咄』(2007年雄山閣より発行)という本をお薦めいたします。

著者の岩下尚史さんは、新橋演舞場にいらした方ですが、最近はテレビ等でも活躍されていて、4月から始まったTBSテレビの朝の「いっぷく!」にも出演されています。

 

この本の中の「お喜代姐さん」として知られていた元芸者さんからの聞き書きは、細かいしきたりやお客様の気風などが生き生きと書かれていて、本当に興味深いものです。