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残暑だから金魚

[小江戸板橋] 2014年8月27日 11:00

午睡のまどろみから覚めても、暑さに打たれすぎた体は、なかなか起き上がることができません。

早めの夕餉を取って、ごろごろしているうちに、ようやく貴重な休日の残り時間に気持ちが移ってきました。

これから行っても間に合うイベントなどはあるでしょうか。

お昼寝から覚めた金魚つながりではありませんが、コレド室町のナイトアクアリウムはどうでしょうか。

集めておいたパンフを引っ張り出せば、最終入場が23時00分で、23時30分までオープンしているとのこと。

充分に楽しむ時間はあります。

 

アクアリウムは9月23日まで開催されます。

11時00分開場で19時00分までが「アートアクアリウム」。

19時00分からが「ナイトアクアリウム」という構成で、二つの異なる演出を楽しめます。

ナイトは有料のドリンクも会場内で味わうことができます。

ボトルやカクテルグラスを片手に淡い光の中を歩めば、背伸びした大人の気分に浸れます。

 

こんな金魚の群れの見せ方があるのか。

・・・驚いてしまいます。

水槽の多様さは、日本のガラス技術の水準の高さを示しています。

「高速高濃度で培養された硝化細菌」。初めて目にする用語ですが、水を浄化し、このアクアリウムを演出する影の主役だということを知りました。

突然変異の赤い金魚に、深い愛情と情熱を惜しみなく注ぎ込み、金魚をめでるという風流な文化を育てた先人たち。

江戸時代の豊かな教養と、遊び心の成せる技が実をむすんだ姿です。

戦のない平和な時代だったから、金魚の育成に集中できたのでしょう。

 

ナイトとあって、入場者の多くは二人連れでした。

水槽の縁にもたれて、すこし上目づかいで見上げている彼女。自分の美しく見えるしぐさを知っているのですね。

きらきら輝く水槽をバックに、ボトル片手に写メを取っている彼氏。十分にイケメンですよ。

あれっ。ひとりでじーっと座ったまま、水槽の金魚に語りかけているあなた。疲れているようですね。しっかり癒してもらってくださいね。

 

照明を落とした薄暗い空間にも目が慣れて、水槽と水の流れも区別がつきました。

あふれる音と光が心地よい高揚感を与えてくれます。

音楽は、シンセサイザーの音ばかりではなく、自然の音や古典楽器の音を組み入れたら、また違った和金の雰囲気を醸し出すことができたかもしれません。

 

まるで金魚をイメージした、白地に赤の斑点柄の浴衣のおねえさん。

ひらひらした絹のスカートをひるがえし、すすっと歩くおねえさん。

「金魚さんたちよりも、絶対こっちの方が可愛いぞ!」

5歳児のしんのすけ君なら、そう言いそうだなと思いながら通りへ出ました。

 

周辺の商業施設はライトアップや大のれんが掲げられ、歴史ある日本橋の風情を漂わせていました。

夏のライトアップは8月31日までのイベントです。