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東京日本橋と関西

[CAM] 2015年4月 2日 14:00

 私は幼少時代を大阪市中央区で過ごした者ですが、東京「日本橋」の市街を歩くと、大阪市の市街を彷彿とさせるものを感じていました。 中央区観光検定受験を期に「日本橋」地域の歴史を学んで、同地域を作り上げたのは近江、伊勢等から関西へ出た方々であったことを知り、自分の感覚が裏付けられたように思いました。

 

 周知のように、谷崎潤一郎(1886-1965 が東京を離れて関西へ移住したのは大正12年9月1日の関東大震災に遭ってのことであり、当初は違和感があったものの、徐々に関西の風土になじんでいったのですね。谷崎が見たのは、大阪市街が戦災で壊滅する以前であったのですが、次のように述べていることを知りました。

 

「関西の都会の街路を歩くと、自分の少年時代を想ひ出してしみじみなつかしい。と云ふのは、今日の東京の下町は完全に昔の俤を失ってしまったが、それに何処やら似通った土蔵造りや格子造りの家並みを、思ひがけなく京都や大阪の旧市街に見出すのである」(「私の見た大阪及び大阪人」『中央公論』昭和7年2~4月)。

 

谷崎が、関西文化になじんでいったのは、彼の生まれ育ちが「日本橋」であったことが大きな要素となったのでしょう。 現在の東京「日本橋」市街は、関東大震災と戦災の二度にわたって破壊された後のものでしょうが、私も観光協会特派員に選ばれたことを期に、少し「日本橋」の歴史、文化を研究したくなりました。 (2015.03.30)