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祈りの築地本願寺

[小江戸板橋] 2016年7月13日 14:00

広い本堂の中に、祈りの声が重なり合って、高く低く共鳴していきます。

湧き上がる響きが空気を震わせ、気持ちがぎゅっと高められていきます。

「なんまいだぶ、なんまいだぶ、南無阿弥陀仏」

 

7月7日、浄土真宗本願寺派第二十五代専如門主が築地本願寺をご巡拝される。

そのセレモニーがあることを新聞の広告で知り、参拝したいと思い立ちました。

戦国時代を舞台にしたゲームでは、プレイキャラクターを「本願寺」に設定し、強大な信長軍に対峙することが多く、なんとなく親しみを抱いていました。

そのきっかけになったのは、司馬遼太郎の『尻啖え孫市』でした。

戦国の鉄砲技能集団、雑賀衆の首領の一人。

信長を最も苦しめた石山合戦の主力部隊です。

破天荒な戦国武将に惹かれ、雑賀孫市の足跡を訪ねて、文庫本を手に和歌山の街を歩いたこともありました。

そのような関わりしかありませんでしたから、本願寺は遠い歴史上の存在との印象が強かったのです。

 

本願寺門主。御消息。

現在にも、続いているんだ。

脈々と継承されてきた法統。

バーチャルからリアルに引き戻されるように、その場に立ち会ってみたいと思ったのです。

 

「あのう。参拝したいのですが、入ってもいいですか。」

本堂の正面扉の前で、守備するように立つ僧侶に、遠慮しがちに話しかけました。

「どうぞ、お入りください。」

微笑みををたたえて、入堂を促してくれました。

「前の方に、まだ空席がございます。」

とのアナウンスに、カジュアルな服装の私でしたが、ズズッと前列にまで進んでしまいました。

 

明るくライトアップされた堂内。

黄金色の輝きが、桃山文化の名残を伝えているかのようです。

僧侶たちの動きは、能舞台を見ているような心地でした。

凛として姿勢を保ち、滑るような見事な足さばき。

一挙手一投足に込められた修練の業。

数世紀を超えて、伝え続けられてきた祈りの姿。

 

式典の終わり近くに、パイプオルガンの伴奏による合唱がありました。

キリスト教会の讃美歌のような調べに、驚かされました。

大小2000本のパイプが奏でる音に合わせ、本堂に集まった人々の柔らかな声が重なり合って、身が軽くなるような気分でした。

 

2014年(平成26年)に国の重要文化財に指定された築地本願寺。

文化財見学の対象に留まるのではなく、日々お勤めがなされ、伝統ある諸行事が営まれていることに尊さを感じ、また、これまで以上に近しさを思いました。

 

本堂前の広場に朝市の出店があり、新鮮なきゅうりとサクランボを購入しました。