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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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オランダ館と将軍への参府

[yaz] 2017年5月18日 09:00

前回もオランダ館を紹介しましたが、カピタン(オランダ商館長)のブロムホルツ(江戸時代後期の商館長)と娘たちの間の手紙が残っていますので、それを参考にオランダ館内部や将軍拝謁などについて想像してみましょう。(「長崎屋の娘」タイトルのミステリー仕立ての小説が出ています。興味のある方は読まれたらいかがでしょうか?)

 

長崎屋源右衛門は薬種問屋として、中央通りの角地には唐人参座(朝鮮ニンジンを中心とした薬の販売店)を持ちその隣に広大な土地を所有していました。長崎屋の屋敷の裏にオランダ館がありましたが、入り口は本石町三丁目新道側にあったと考えられます。現在本石町新道は「時の鐘通り」と名づけられています。オランダ館の隣に江戸最古の「時の鐘」があったためです。

長崎屋の区画.jpg  鐘撞新道(現在).jpg.jpg  石町鐘撞通り(現在の電信柱).jpg.jpg

 

長崎屋の敷地は広く、オランダ人以外の人々の宿舎と、献上品などを格納しておく土蔵、馬の厩舎も敷地内に備えていたと考えられます。敷地の大きさは千坪(3,300㎡)以上と考えられます。

 

一階の入り口のすぐ左わきには扉があって、そこを開けて2階に上ることができます。2階に上るには警備員の許可を受ける必要があったと考えられます。

オランダ館1F_レイアウト.jpg  オランダ館2F内部.jpg

 

竈の煙が2階のカピタンの執務室に流れ込み苦労したという著述が残っていることから、一階の左側に台所が配置され、その右には食堂、そして2階での面談に来た人々が待機する待合室がその右にあったと予想されます。竈のある台所の扉は長崎屋の屋敷と通じており、そこが長崎屋の人々との交流の窓口であったのでしょう。長崎屋側で調理した食事の提供などがあったかもしれません。寿司やてんぷらなどもオランダ人は食べたのでしょうか?

 

オランダ館の2階右の便所・浴室でh「おまる」や尿瓶を利用し、幕末近くには便座椅子や腰掛式の便器のようなものを使用していたのではないでしょうか。

長崎屋の便所.jpg

 

オランダ宿(館?)は寛永年間(1624~1644)に始まり1850年頃に終わりましたが、参府の合計回数は166回に上りました。家光の時代には毎年参府していましたが、後期になると4年に一度に変わりました。

 

長崎屋はカピタン一行が到着する2~3日前から非常に忙しい毎日を過ごします。2階の修繕を行い、在府の長崎奉行所役人の検分を受けます。到着の前夜から町奉行所の普請約2名、同心2名が長崎屋に詰めて警備に当たります。これらの人々がオランダ館の1Fの警備員室に詰めていたのでしょうか。

 

「旅館(オランダ館を指す)の門には二重の番所ありて、絶えず其の周囲を巡邏し、又通行人の立ち止まることを許さず」という文章が残っていますので、警備は非常に厳重であったと予想されます。北斎の浮世絵としてカピタン一行と江戸町民が窓を介して交流する姿が描かれ、現在も新日本橋駅入口に看板として掲げられていますが、これは北斎の脚色と考えられます。鎖国の時代ですから、オランダ館の1階に窓があったとはとても考えられません。

 

カピタン一行が滞在しているときには、オランダ東インド会社(Vereenigde Oostindische Compagnie=VOC)の幔幕を長崎屋の表玄関(本石町三丁目道路)に掲げていました。下のどちらの幔幕なのかは、不明です。江戸幕府は鎖国を政策として掲げていましたから、オランダ東インド会社という私企業との取引を行っていたという建前で動いていました。

 画本東都遊 長崎屋.jpg  東インド会社幔幕.jpg  

 

カピタンの衣装は下図のようなものでしたので、江戸の人々にとっては物珍しく興味を引いたに違いありません。

 オランダ人の洋服.jpg

 

オランダ使節団の構成は以下の通りです。

l カピタン・書記・医師などの隋員を含めて4人のオランダ人

l その他、長崎奉行所の検使、通弁、書記、料理人、献上物の運び人足など

総勢60人程度といわれています。これだけの人数が長崎から江戸まで移動するのですから、壮観ですね。

カピタン一行参府の様子.jpg.jpg

オランダ館の屋敷にすべての人を収容できませんでしたので、敷地内の随行員宿舎に一部を収容し残りは近隣の旅籠に収容したようです。カピタン滞在時には、多くの金銭が日本橋界隈に落ち非常に賑わったそうです。

 

文政5年(1823)当時の将軍(11代将軍 徳川家斉)への拝謁の段取りは次の通りです。

l 将軍への拝謁日: 4月6日

l 卯の刻(午前六時)長崎屋出立

l 駕籠を降り城内に入る

l 百人番所で茶を飲む

l 待機

l 御殿に到着

l 江戸在府の長崎奉行とカピタンが拝謁

拝謁終了後、幕閣の老中、若年寄、側用人、寺社奉行、北・南町奉行の屋敷を回り長崎屋に戻りますが、これで終わりません。蘭学好きの大名、幕府の医官、天文方から旗本、諸大名、民間の蘭学者などが阿蘭陀館で待っているのでこれらと面談し、やっと長~~~~~い一日が終了します。この後ほっとして、リキュールでも飲んだのでしょうか?

 

参考文献:

オランダ宿の娘 葉室 麟 ハヤカワ文庫

城内誠一: 江戸最初の時の鐘物語(流通経済大出版会)

城内誠一: 江戸のオランダ人定宿「長崎屋物語」(流通経済大出版会)

片桐一男: 江戸のオランダ人(中公新書)

片桐一男:それでも江戸は鎖国だったのか(吉川弘文館)

東京都中央区教育委員会: 中央区沿革図集(日本橋編)

 

 

シリーズ:1歳児・はじめての神田祭! ②当日までのカウントダウン

[えだまめ] 2017年5月17日 18:00

子連れ特派員のえだまめです

 

前回記事はこちら→ /archive/2017/05/post-4331.html



町内会の半纏貸し出しを申し込んで、

お祭り気分が少し高まりつつあった私です。

そうしていると、街の様子も「お祭り仕様」になっていくのが見えてきます。

5月7日(日) 神田祭の1週間前の週末。

DSC_1097-1.jpg

通りには「奉祝 神田祭」と書かれた黄色い旗。

DSC_1098-1.jpg

町内にある大廣神社にも「神田明神御祭礼」の幟。

DSC_1096-1.jpg

寄付をされた方のお名前も増えてきたように感じます。


5月9日(火)。用事で人形町方面を歩いていたら。

DSC_1100-1.jpg

・・・万国旗!?

でも、それもまたにぎやかな雰囲気になりますね。


そしていよいよ5月12日(金)。

翌日は祭礼の行列「神幸祭」も行われる日です。

いつも娘あずきを連れていく浜町公園

DSC_1108-1.jpg

お隣の町内会さんによって飾りつけがされています。

そして・・・

DSC_1111-1.jpg

娘あずきの半纏と帯を借りてきました!

申込時にサイズ(うちは90センチ)も書くことになっているので

ちゃんと大きさもぴったりです。

そして子どもたち皆に配られた

首から下げるお守り札。

これがいただけるのはちょっとうれしいですね。

これで翌日に向けての準備は万全!です。


そうそう。準備といえば。

はじめての神田祭を楽しむのに一番役に立ったものがこちら。

フリーペーパーの「日本橋ごよみ」です。

IMG_2694-1.jpg

5月号は神田祭特集。

はじめてさんでも分かるような用語説明

以前のお祭りの様子、

そして祭礼行列の進むルートや

おおよその通過予定時刻の入った地図も掲載されていました

とても見やすく、分かりやすかったです!!

これがあれば、どのくらいの時間にどこに行けばいいか、

というスケジュールも立てやすいですよね。

実は私の夫は全くお祭りとは無縁の地域で育ったので

お祭りの様子がまったく想像できなかったようなのです。

なので、こちらの特集で「こんなにすごいものなんだ!」

規模や華やかさにびっくりしていたのでした。

http://www.nihonbashi-tokyo.jp/enjoy/feature/201705/


「日本橋ごよみ」は神田祭のこと以外でも毎月楽しみな記事がたくさん。

 おすすめの読み物ですよ

 そして、発行元の「まち日本橋」というサイトも情報たっぷりでおすすめです

 http://www.nihonbashi-tokyo.jp/

~つづく~

 

 

結葉 瑞々しい緑の楓

[あすなろ] 2017年5月17日 16:00

中央区も木々が多く、四季折々に様々な姿がありますね。

 

雨上がりの散歩道、楓の若葉が目に鮮やかに写ります。
この時季の楓の若葉は、「青かえで」と呼ばれ、
初夏の季語にもあげらます。

 DSC_5222.jpg

夏に向かって日毎に青さを増し、葉を充実させます。

 

青葉が重なり合って結ばれたようになる様子を
「結葉(むすびば)」というそうです。

 DSC_5231.jpg

緑は目の疲れ癒すといわれます。
街の中の緑の彩を探してみませんか。

 

◆福徳神社(芽吹稲荷)
東京都中央区日本橋室町2-4-14

 

 

新緑のプランツウォーク

[サム] 2017年5月17日 14:00

DSC00040ELS'.jpg 

DSC00094RS'G.jpg 晴海トリトンスクエア2F「i green ポケットプラザ 花・水・樹」の専属ガーデナーの案内で園内を散策する、毎月恒例のミニガーデンガイドツアー。今月は5月12日開催。

サウストリトンパークの花壇のツツジもいよいよ名残りの様相。

今回は季節により異なる表情を見せる600種以上の植物からピンク色が美しい植物に注目。

花のテラス・緑のテラスには、鈴なりにぶら下がって咲き、実はサポニンを含み有毒のベニバナエゴノキ、伝統工芸品の手毬を彷彿させ、自然が作る造形美の不思議さを感じるバーベナ "ミータン"、タンポポとは別種の桃色タンポポ、八重のハマナス、ゼラニウム、シモツケ ゴールドフレーム、イクシア、オオベニウツギ・・・

ノーストリトンパークには、花弁の外側がピンク、内側が赤色で輪を描いたように見えるユニークなバーベナ "ピンクパフェ"、オキザリス ボーウィー等々。

この時期ならではの華やかな花々です。 

 

左から、ベニバナエゴノキ、バーベナ "ミータン"、モモイロタンポポ、ゼラニウム、シモツケ

R0038319RRS'.jpg R0038300RRS.jpg R0038317RRS.jpg R0038287RRS.jpg R0038281RRS'.jpg

左から、オオベニウツギ、ハマナス、イクシア、バーベナ "ピンクパフェ"、オキザリス ボーウィー

R0038279RRS.jpg R0038293RRS.jpg R0038294RRS'.jpg R0038306RRS.jpg R0038304RRS.jpg

 

 

中央区地盤情報システム

[東京ダンボ] 2017年5月17日 09:00

中央区では、平成29年4月1日より中央区地盤情報システムを公開しています。

システム.jpg

 http://jiban.city.chuo.lg.jp/chuojiban/useful.html

 
中央区地盤情報システムは中央区の地盤(ボーリング調査)に関する情報を地図上にまとめたもので、自宅や会社等の地盤状況を把握するための参考資料として利用でき、土木・建築・開発好きな東京ダンボとしてはとても楽しみなシステムとなっています。

 

地図上で調べたい個所を選定できます。

 

地図.png

  

地図ページでは、ボーリングデータのある箇所が青丸で示され、選択すると赤丸に変わり、その個所にある複数のデータが示されます。

 

ポップアップ2.png

 

そのうちの一つを選択するとボーリング柱状図データが表示されます。

 

ポップアップ.png

 

ここで示したのは建て替え計画がある中央区役所のデータです。支持層に適したN値50以上は17m以深になっているようで、杭を杭径以上支持層に打ち込む必要があるので、20m近い杭長が必要になるのでしょうね。

 

キャプチャ.JPG

  

 

地図のページでは、距離や面積の計算や住所検索に加え、土地条件図や色別標高図を重ねたり、航空写真に変えることができます。

  

航空写真.png

  

これは土地条件図になり、黄色で表示されている部分は自然堤防で、ピンク色が埋立地となり、中央区は江戸時代以前に江戸前島と呼ばれていた地域と埋立地に該当しています。

 

土地利用図.png

 

自分に関係のある箇所の地盤情報を調べてみてはいかがですか?

 

 

 

竹谷満 新作個展〔メグミオギタギャラリー〕

[ジミニー☆クリケット] 2017年5月16日 18:00

銀座2丁目、銀座大塚ビルの地下1階にあるメグミオギタギャラリー内、プロジェクトルームで、竹谷満 新作個展アヴェ・マリア」が開催されています

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竹谷氏は、20代前半のある日、突然絵を描くことを始め、その後、「描かずにはいられない」という衝動に身を任せて、数多くの作品を描き続けているそうです

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本展では、子供を抱く人物の姿を描いた作品が中心に展示されています

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子供を抱く人物の姿」は、社会のなかで日常的な、極めてほほえましいもののはずなのですが、竹谷氏の作品は、背景が黒く、子供を抱く人物がガイコツだったり、首がとれていたりとか、独特不思議な作品になっています

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また、「保育園落ちた日本死ね」にインスパイアされたような作品も展示されており、竹谷独自の視点と言うか、世界観に引き込まれます

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開催期間は、5月9日)から27日)までです。

開廊時間は、11時から19時までで、月曜日曜祝日はお休みです。

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今回も、ギャラリー内での写真撮影についてはご了解をいただき、展示された作品についても懇切丁寧なご説明をいただきました。ありがとうございます

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メグミオギタギャラリーのHPはこちら ⇒

http://www.megumiogita.com/

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