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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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2015 十三夜

[サム] 2015年10月27日 14:00

R0035691ELS.jpgthRRSG (2)'.jpg 今年は10月25日が旧暦の9月13日に当たり、十三夜。

別名「栗名月」「豆名月」。

十五夜(中秋の名月)を「前の月」、十三夜を「後(のち)の月 」、二つの月を合わせて「二夜(ふたよ)の月」と呼び、秋の風物詩として日本人に古くから親しまれている観月の風習。

十五夜・十三夜の一方の月見を欠かすことを「片見月」といい、忌み嫌ったとも伝わります。

旧暦の9月13日前後は一般的に気候的には清々しく、「十三夜に曇りなし」と喩えられます。

全国的に24日夜から北寄りの風が強まり、都心で木枯らし1号が観測され、25日も澄み渡った晴天に恵まれました。

ライトアップされた中央大橋・リバーシティのマンション群の窓明りの脇に、綺麗な月が輝いています。

月の満ち欠けは農耕文化の人々にとってカレンダーの役目を果たし、大切にされてきた歴史があります。

月を崇め、感謝の気持ちを捧げることは、人々の暮らしの中に今以上に溶け込んでいたものと想像されます。

十三夜は月齢としては満月の一歩手前。

少しだけ欠けた形状を愛でるのも興味深い美意識。

十五夜とは一味違う趣です。

 

 

東京駅~日本橋 "昭和レトロめぐり"

[サム] 2015年10月24日 12:00

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 10月10日(土)~11月3日(火・祝)、東京駅~日本橋エリアでは、「東京駅~日本橋 "昭和レトロめぐり"」が開催中。

東京ステーションシティ運営協議会、大丸東京店、日本橋高島屋、日本橋三越本店、三井不動産、八重洲地下街の6者共同のイベント。

昨年は、東京駅開業100周年を記念した「あるこう!東京駅~日本橋 "百年散歩"」が開催されましたが、2015年は仮に昭和の元号に直すと "90年" の節目に当たり、界隈は歴史が息づき "昭和" にまつわるスポットも数多く点在することから、"昭和" をテーマに、過去と現在が交錯する東京駅~日本橋エリアを散策し、街の魅力を再発見して貰おうとの趣旨で企画されたもの。

昭和に建てられた建築など、各々エピソードが添えられた同エリアの「散策マップ」*を見ながら各ポイントを巡ると、かつて鉄道の切符として広く使われていた厚紙の乗車券の「記念レプリカ硬券」*が貰えます。

 *「散策マップ」「記念レプリカ硬券」配布場所

      東京駅八重洲口グランルーフ2階特設会場、大丸東京店1階案内所、

      日本橋高島屋1階正面案内所、日本橋三越本店1階ライオン口案内所、

      コレド室町1地下1階日本橋案内所、八重洲地下街案内所 

元駅員による入鋏実演イベントも期日限定で開催。

東京駅八重洲口グランルーフ2階デッキ上には昭和レトロな特設会場が出現。

昔懐かしい駄菓子屋、畳敷きに卓袱台が設えられ、6種の硬券が収納できるオリジナル台紙はこちらで手に入ります。フォトスポットも設置され、懐かしい改札と一緒に写真が撮れます。

期間中、期日限定(10月10日・12日・17日・18日・24日・31日、11月1日・3日、11:00~19:00)にて、都電全盛期の昭和30年代の "黄色に赤帯" の形式6000形、車号6012をモチーフにしたデザインの "都電ラッピングバス" がエリア内を巡回。

実際に都電が走っていた中央通りに懐かしい風景が甦ります。

「散策マップ」に掲載の昭和当時の写真と見比べ、街の景観の移り変わりに思いを馳せ、"昭和レトロ" に暫し浸ってみるのも一興です。

 

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日本橋川河畔で味わう "日本橋ビール"

[サム] 2015年10月16日 12:00

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R0035617RSG.jpgR0035587RRSS.jpg 目の前は日本橋川。

河畔のオープンテラスで、「日本橋ビール」が楽しめます。

古くは五街道の起点、日本の中心、江戸の繁栄の象徴、架橋100年超の日本橋の袂に、2008年6月オープンした、所在番地をそのまま店名にした和食ダイニング&バー「ニホンバシイチノイチノイチ(日本橋一丁目一番一号)」(国分ビル1F)。

スタイリッシュな内装で、ダイニング・バール・テラス エリアで構成され、様々なシーンに利用可との由。

営業時間

ランチ 11:00~14:00

ディナー 17:00~23:30

尚16:00~19:00(土日15:00~19:00)はハッピーアワー: Drink ALL ¥300 で提供

(但し日本橋ビールは除外)

「日本橋ビール」の醸造元はホッピービバレッジ。

生きた酵母入り、麦の香ばしい甘味、爽やかなホップの苦味の、下面発酵ビール。

まろやかですっきりした味わいです。

元々は、日本橋の老舗食品・酒類問屋 国分 のPB商品として、本社所在地の名を借り、東京を代表するビールに育てようと誕生したと聞き及びますが、昨今のグルメシーンで話題を集めているクラフトビールのムーブメントもあり、注目度アップのようです。

爽やかな風に吹かれて過ごす夕方のひとときも格別ですが、夜、日本橋がライトアップされた煌めく借景も見逃せません。

 

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2015お初穂祭 <波除稲荷神社>

[サム] 2015年10月12日 14:00

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 10月10日、築地波除稲荷神社では、秋の実りを感謝する「お初穂祭」が開催されました。

9:30から祭典執行の後、参拝者には旧暦の重陽の節句(菊の節句・栗の節句)に因み、食用菊を「萬歳楽 <菊のしずく>」(石川県白山市小堀酒造店)に浮かべた「菊酒」が振る舞われました。

菊酒とは、菊の花びらを浸したお酒のことで、その芳香と高貴な気品により邪気を祓い、寿命を延ばすと考えられており、早朝に菊花に溜まった朝露を飲むと長寿を保つとも伝わるようです。

江戸末期に焼失した「厄除天井大獅子」が、石川県白山市在住の加賀獅子頭の木彫師知田清雲氏の手により再興された縁で、現在、神社の「お神酒」は白山市在の「萬歳楽」醸造元 小堀酒造店で醸されています。

 

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13:00からは、古来から宮中などで行なわれていた素手で触れずに魚をさばく「四條流 包丁式」の奉納が境内で執り行なわれました。

因みに今年は昨年同様 "鯉" 、一昨年は "蛸" だった由。

尚11月23日の、収穫を祝う 波除神社秋季大祭 新嘗祭では、石川県白山市鶴来の御神饌田の稲より造られた濁り酒「幸穂」が振る舞われる予定です。

 

 

サルビア コレクション <晴海トリトン>

[サム] 2015年10月10日 16:00

R0035450ELSS (2).jpgサルビア スプレンデンス(シソ科)RRSG.jpg

 晴海トリトンスクエア内ポケットプラザ「花・水・樹」のグリーンアドバイザーの案内で園内を散策する毎月恒例のミニガーデンガイドツアー。

10月8日開催の今月のテーマは「トリトン・サルビアコレクション」。

サルビアと云えば一般には、赤いサルビア「サルビア スプレンデス」(和名:緋衣草)とその園芸種を指しますが(狭義)、広義には「シソ科サルビア属」の植物全体を指し、世界に500種以上あるとされているようです。

サルビアの名はラテン語 salvus(健康、よい状態、の意)に由来するとされ、本属のある種に薬効があるとされたことに因むと云われています。

サルビア属には、草姿や花色の異なる様々な品種がありますが、その多くは宿根草。

ブラジル原産の「サルビア スプレンデス」、テキサス原産の「サルビア ファリナケア(ブルーサルビア)」、メキシコ原産の「サルビア コクシネア」などは、園芸上 "一年草" 扱いとされている由。

"コクシネア種" に関しては、品種は限定的と聞きますが、園内にはそんな "コクシネア 種" の新しい品種「サルビア コクシネア "サクラブルコ"」も植栽されています。

サクラを思わせるややサーモンがかったピンクの花色が美しい可憐な花姿。

一方、ちょっと渋めの落ち着いた色合いの、「サルビア フェニックス "フェニックスワイン" 」は大人の雰囲気を漂わせた印象です。

この他、葉を擦ると完熟フルーツのような甘い香りのする「サルビア ミクロフィラ(チェリーセージ)」、白色の花弁と赤紫色のビロード状の萼がユニークな「サルビア レウカンサ(アメジストセージ)」、濃青紫色の花と黒色の萼が目立つ「サルビア グアラナチカ(メドーセージ)」、ラベンダーに似た花穂に紫の小花を付ける「サルビア インディゴスパイヤー(ラベンダーセージ)」、爽やかなブルーの花色の「サルビア ウルギノーサ(ボッグセージ)」等々、多彩なサルビアが植え込まれています。

今回は、「花のテラス」を中心に巡りながら、サルビアにスポットライトを当てて、「見て、聞いて、触れて」植物の楽しみ方を学ぶ、約50分のプランツウォークでした。

 

左から、サルビア ファリナケア、サルビア コクシネア "サクラブルコ"、サルビア "フェニックスワイン"、サルビア ミクロフィラ

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左から、サルビア レウカンサ、サルビア インディゴスパイヤー、サルビア ウルギノーサ、サルビア グアラナチカ

 R0035421RRS.jpg R0035407RRS.jpg R0035413RRS.jpg サルビア グアラナチカ(メドウセージ,シソ科) (2)RRS.jpg

 

 

2015「まち歩きツアー」 老舗めぐり① (第2回)

[サム] 2015年10月 9日 18:00

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 今年度の中央区観光協会主催「まち歩き」ツアーもいよいよ後半。

今回は10月2日に開催された「産業コース 老舗めぐり①」の様子をご紹介します。

当該コースは、「カステラの文明堂」「刃物の木屋」「山本海苔店本店」を訪ね、お店の歴史や商品の話を伺い、伝統を継承する商いのこころに触れていただく、約2時間の小ツアー。

 

R0035339 (2)RRSGS.jpg1店目は 文明堂東京 日本橋本店 さん

明治33年(1900年)、長崎で中川安三郎が創業。

カステラの歴史、カステラのできるまで、懐かしのCM、会社の沿革等々の話を伺う。

現在全国に、発祥を同じくする7法人を有し、各地域に密着した生産・販売システムを基本としたグループ会社として、相互協力体制をとっている由。

こだわりは、吟味された素材と熟練職人の技による菓子づくり。例えば、「特撰五三カステラ」は、卵黄を3割増量し、超薄力粉・徳島産和三盆糖・英国産コッツウォルドハニーといった厳選素材を用い、熟練の職人が焼き上げるといった具合。

尚 "五三" カステラとは、カステラの風味を更にコク深く、馥郁と仕上げた極上品で、その名の由来は、使用する卵黄と卵白の割合が5:3であったことに因むという説の他、大切な贈り物として桐箱に納めて贈ることから、桐の家紋 "五三の桐" に因むという説、当初は5つの味(全ての味)を凌駕するほど美味な極上のカステラとして生まれた "五味(ごみ)焼" カステラが、語呂が悪いからか、後に、"五三(ごさん)焼" カステラと呼ばれるようになったいう具合に諸説あるようです。

 

R0035370R'RRSGS.jpg2店目は 日本橋木屋本店 さん

寛政4年(1792年)、初代加藤伊助が奉公先の木屋本店から「暖簾わけ」を許され独立し、打物問屋創業。

先ずは店頭に飾ってある2011年10月27日付日本経済新聞紙面(見開き全面広告)に掲載されている、「熈代勝覧」絵巻の説明から。

文化2年頃の江戸の日本橋から今川橋までの大通り(現在の中央通り)を東側から俯瞰描写した作品で、沿道の88軒の問屋や店の中に、普請中の本店を含め4軒の木屋が描かれており、一番右寄り(北側)の木屋には現在の刃物の木屋で使用している商標と同じ井筒木の紋入りの暖簾が視認されます。

次いで、屋号「木屋」発祥の由来、刃物の木屋沿革、伝統技法の継承と新技術の導入(オーストリア製ステンレス鋼を採用した「エーデルワイス包丁」、粉末製鋼法を採用した「コスミック團十郎」包丁)等々の話に加え、包丁・まな板の素材(各々 鋼/ステンレス鋼/粉末合金鋼、木/プラスティック/ゴム)選びについてもレクチャーいただきました。

店の奥に2014年秋新設された、日本の伝統伝承技術発信の場「izutuki スペース」では、現在「博多水引 長澤宏美 作品展」が開催中です。

 

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3店目は 山本海苔店 日本橋本店さん

嘉永2年(1849年)、初代山本徳治郎が現在地で創業。

お店の奥には旧社屋で使われていた金文字の看板が。

先ずは昭和40年竣工の本店現社屋に施された意匠(ビル外壁面の校倉造りのデザイン、奥壁面の海苔の雄性細胞を図案化した信楽焼のタイル、海苔船の帆・船底をイメージした天井部分)や置物(昔海苔を保管していた「囲い甕」、「海苔船」の模型 )の説明から。

次いで、会社の沿革、味付け海苔の創案、海苔の旬、海苔の産地、養殖方法(支柱式、浮き流し式)、「まるうめ」マークの由来、海苔の保存の仕方、女優の山本陽子さんとの専属モデル契約年数世界最高(1967~)ギネス記録認定の逸話等々を伺いました。

その昔、海苔の生活史が解明される以前は、タネ付け作業はカンや経験を頼りに行なわれており、生産高は不安定で、相場品として「運草」と呼ばれていたこともあったようです。

 

文明堂東京 日本橋本店 星野店長、日本橋木屋本店 金子店長、山本海苔店 日本橋本店 川田店長、お忙しい中、貴重なお話有難うございました。