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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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日本橋中学校

[さとけん] 2014年8月31日 17:32

8月最後の日、東日本橋界隈を歩きました。隅田川沿いあり、また薬研堀不動尊の近くにある歴史ある中学校です。

吹奏学部が有名で、区のイベントによく出ています。

 

日本橋中4.jpg 正面玄関

日本橋中1.jpg関東大震災の折、当時の天皇陛下が行幸された記念碑の説明文です。

学校の前は御幸通りと名付けられてます。銀座の方は「みゆき通り」で

区別されていますね。

中央区の学校は歴史が古く興味深いものがたくさんありそうです。

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パネル展『中央区のモノ・動物供養碑めぐり~「塚」は何を伝えていくか~』

[杏葉牡丹] 2014年8月29日 09:00

8月2日から、郷土天文館(タイムドーム明石)の区民ギャラリー前では、郷土天文館サポーターによる『中央区のモノ・動物供養碑めぐり~「塚」は何を伝えていくか~』というミニパネル展が開催されています。

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「ミニ」というタイトル通り、8ヶ所12点の供養碑の、写真パネルの展示なので、こぢんまりとした感じではあるのですが、何気なく通り過ぎている場所に、こんなものがあったのかと、ご覧になった方はびっくりされることと思います。

 

会場には、「中央区 モノ・動物供養碑マップ」というA4のチラシがありましたので、いただいてきて、早速すぐ近くの波除稲荷神社に行ってみました。

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境内には、パネル写真にあったとおりに、海老塚や鮟鱇塚が建立されていていました。

パネルに書かれた説明を読んでから行くと、珍しさだけではなく、魚河岸に生きる方たちの生活と、私たちが生きていく上で奪っている命への感謝に、思いを馳せずにはいられません。

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でも魚河岸と言えば、マグロ。

マグロの供養碑は?と思ったら、こちらは地下鉄築地市場駅がある、正門の方にありました。

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地図によれば、その他にも、佃の住吉神社には「鰹塚」、鐡砲洲稲荷神社には「針塚」、小伝馬町の身延別院には「鰻塚」など、日頃私たちがお世話になっているモノや動物の供養碑があるとか。

 

ウォーキングや自転車で廻れるくらいの距離です。

残暑も峠を越えて、これからは過ごしやすくなってきます。

このパネル展を見て、実際に供養碑にお詣りするのも良いのではないでしょうか。

 

なお、この郷土天文館サポーターによるミニパネル展は、9月28日まで開催されていますが、その後もテーマを変えて、来年3月末まで、合計4回開催の予定だそうです。

とりあえずは、次回10月4日から予定されている「岸田劉生と銀座」展も楽しみです。

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中央区の今昔 -単行本-

[Mr.Chuo-ku] 2014年8月26日 08:09

中央区の「今」と「昔」がわかる単行本があります。

 

「中央区の今昔―日本橋区・京橋区 (復刻古地図戦前の東京シリーズ)」

出版社:人文社

発売日: 2004年4月

 

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地図や歴史にご興味がある方などにお勧めの一冊です。

この本を片手に中央区内を散策してみるのも面白いかと思います。

 

 

 

博物館が欲しい!

[佐平次] 2014年8月25日 17:09

中央区の秋のイベントに「中央区まるごとミュージアム」というのがある。
徳川家康が江戸に幕府を開いてから400年、江戸から東京と名前を変えても日本最大の町、いや、世界でも稀な文化都市であり続けてきたのであり、そのまた中心地である中央区は町全体がミュージアムといっていいほど名所・旧跡・芸術・芸能など文化に恵まれたということで、各種企画されたイベントや文化施設を巡る無料バスや船の運行などでより多くの人に中央区の魅力を知ってもらおうというものである。

しかし、多くの名所・旧跡は明治維新、関東大震災、第2次世界大戦などで破壊され、また街の発展と共に取り壊され○○跡といった記念碑と解説パネルのみで当時の面影を残すものは非常に少なくなってしまった。

 現在、最も江戸から東京の歴史と文化に関わる資料を収集、保存、展示している博物館といえば両国にある「東京都江戸東京博物館」である。

http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/

庶民の日常生活、火消し、食生活、文化など、城下町としての江戸に関する展示が行われている。
常設展示のジオラマや縮尺模型はびっくりするほど精緻でさすがに都立の博物館と思わせるほど立派であり、その他の展示物の各アイテムも貴重な資料が多い。高床式の建物自体が江戸(東京)の歴史・文化を展示するのに相応しいものとは思えないし、階段を上がったコンクリートの広場から長い長いエスカレーターを上って建物の最上階から江戸の町が展開されていく動線も展示として些か残念ではあるが...。
もちろん、博物館は展示だけでなく、資料の収集・保存に加えて研究も大きな目的であるからこの「東京都江戸東京博物館」の存在価値は大であることは間違いない。

江戸東京博物館.JPG

広場.JPG日本橋.JPG江戸町の模型.JPG

 もう一つ江戸時代に関する資料等を収集、保存及び展示している博物館として「深川江戸資料館」がある。
http://www.kcf.or.jp/fukagawa/

こちらは、その名前の通り江戸時代の深川の町並みと資料の展示であり、場所も江東区の清住白河(都営地下鉄大江戸線・東京メトロ半蔵門線)にあり規模も「江戸・東京博物館」の数十分の一の小さなものだ。
しかし、建物も低層で違和感がなく、展示は「江戸庶民の暮らしの再現」をコンセプトとしたもので、小さいながらも江戸情緒に浸れるなかなか楽しい良い展示で一度行かれることをお勧めする。

また、この「深川江戸資料館」は寛政の改革の松平定信の墓がある「霊巌寺」の隣にあり、通りの公衆便所もなかなか味わいのある建物にして江戸時代の雰囲気を醸し出している。

深川江戸資料館.JPG米屋.JPG長屋.JPG

霊巌寺.JPG公衆便所.JPG

 ところで肝心の中央区であるが、明石町に「郷土天文館」という郷土資料を収蔵・展示している施設がある。
https://www.city.chuo.lg.jp/bunka/timedomeakashi/index.html

区民有形文化財である将軍に白魚を献上した「白魚献上箱」などの貴重な資料があるが区の複合施設の一部(6階)であり、残念ながら規模、内容ともとても中央区を代表する博物館と呼ぶにはちょっと寂しい。。
それに、写真撮影が一切不許可なのも現代の博物館としては如何なものだろう?

タイムドーム明石.JPG

 中央区は土一升金一升の土地であり、昔のモノを残す、或いは再現するという施設を設けるというのは非常に困難であるというのは理解できる。 また、世界有数の商業地なのだから楽しく買い物ができればイイというのが多くの観光客の希望なのだとも思う。
 しかし、和食が世界遺産に登録され、世界的に日本の伝統文化に注目が集まっており、その文化に触れたい、知りたいと考える観光客が増えてきているのに、地元にはそのような文化を学ぶ施設はないので江戸のことを知りたいのなら「江戸・東京博物館」に行ってください!ッと言うのはとても残念に思う。

 そこで、三原橋の地下街の跡地を利用して、中央区を中心とした江戸の町並みと現代を比較したジオラマやパノラマを展示したり、文化・芸能・芸術などの紹介や、各種イベントや名所旧跡などの情報の発信基地を兼ねた「江戸・東京資料館」みたいな施設を造っては如何でしょう?
都道の下であり、構造上の問題点等もあるでしょうが、十分な広さとはいえないけれど抜群の立地条件にあり、外国人を含め、「江戸のまち」に興味を持つ観光客にとって素晴らしく有意義な施設ができると思うのですが...。

 そして、数年後に築地市場が豊洲に移転した跡地に「江戸まち」を再現したテーマパークを造っては如何でしょう?
再現された江戸の町並みを散歩しながら居酒屋、蕎麦屋、小料理屋、天ぷらの屋台、茶店などで和食を堪能し、芝居小屋で演劇、日本舞踊や人形浄瑠璃を鑑賞し、長屋で彫金、木工や飾り職人のなどの伝統芸術の技を見学し、和装小物や浮世絵、和菓子などのお土産を買うことができる。
また、広場では大道芸人や仇討のパフォーマンスがあっても楽しいだろうし、屋形船での隅田川クルーズを組み合わせてもいいし、浜離宮庭園の散策もできるし東京の新しい(古い?)観光スポットとして注目を浴びること間違いないだろう。
特に、日本に来ても東京にしか居られない外国人観光客に日本の伝統文化・芸術を紹介するのに最適の施設となろう。

 もし、築地にこのような江戸まちの施設ができると、「江戸・東京博物館」「深川江戸資料館」と共にすべて都営大江戸線で結ばれるというのも面白い。

 

 

十思湯、そして東京銭湯お遍路巡礼

[りょうきち] 2014年8月15日 09:00

今回は十思スクエア(別館)にある、十思湯に行ってきました。

既に新しくできた銭湯を紹介された記事は出ていましたが、少し異なる視点で十思湯の訪問について書いてみたいと思います。

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蒸し暑い夏の夕べにさっぱりできる銭湯は最高です。都内の銭湯はかっては2千軒以上あったと言われていますが、今は800軒を切ってしまっていると聞きます。毎月のように閉店の話が聞こえてきます。時代の流れの中で止められないことかもしれませんが、銭湯好きの私としては悲しく感じていました。そんな中、新しい銭湯が中央区でオープンしたことは非常にうれしいニュースです。

 

実は私は、東京の銭湯組合(東京都公衆浴場業生活衛生同業組合)に所属する銭湯のスタンプラリーである、東京銭湯お遍路巡礼を地道に進めている銭湯マニアでもあります。

このスタンプラリーの台紙は、銭湯で300円で売られている「東京銭湯ぶらり湯めぐりマップ」を買うといっしょについてきます。湯めぐりマップには都内の銭湯の地図や情報が充実していて訪問の際には非常に便利です。

 

この湯めぐりマップによると、中央区にはこれまで10の組合所属の銭湯があることがわかります。また、各銭湯にはお遍路番号が付されています。金春湯が中央区1番、勝どき湯が中央区11番となっています。6番が廃業してしまった木村湯に対応していたため今はありません。

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そして今回、十思湯は中央区12番ということになりました。写真のようにしっかりスタンプを押してもらいました。これで中央区の銭湯、全制覇です。満足感を感じていざ入浴。

 

銭湯は新しいこともあり、ホテルなどの大きいお風呂のようです。落ち着ける感じがあります。十思公園というと江戸時代は牢屋であり吉田松陰を始め多くの人が命を落としている悲しい歴史の地ですが、今は平和なお風呂で浮き世の疲れを癒せる地に変わったのではないでしょうか。

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その後、私は順調に都内の銭湯巡礼の旅を続けています。

まだ先は長いですが、もうすぐ400軒です。まだまだ悟りへの道は遠い。

 

 

◆時代の大転換期を描く ~長谷川渓石画『江戸東京実見画録』刊行~

[巻渕彰/写楽さい] 2014年8月13日 09:00

日本橋難波町(のちの浪花町)生まれの江戸っ子が、幕末から明治初期までの出来事や風俗を描いた画・文をもとに解説を加えた書籍『江戸東京実見画録』が岩波文庫(青577-1)から刊行された(写真)

 

0913_571_140808hasegawa.jpg描いたのは長谷川渓石、初の女流歌舞伎脚本家で、『旧聞日本橋』を著した長谷川時雨(1879-1941)の父である。

 

渓石は本名深造。天保13年(1842)に生まれ、千葉周作道場入門のかたわら玄冶店の歌川国芳に絵を学んだという。明治2年(1869)、刑部省に入った後、代言人(のちの弁護士)になる。大正7年(1918)77歳で死去。

 

本書には52図が載っている。「至尊の御入城」「西丸大手前」など江戸城(宮城)関係のほか、現在の中央区周辺の画題が多いので興味が沸く。「迷子さがし」「市中の読売」「子供遊び」といった庶民の暮らしの中の一場面が描かれている一方、「旧幕府牢屋敷全図」(小伝馬町牢屋敷)、「敲放し」「手鎖に入墨」といった刑罰関係の図もある。

 

渓石が描いたのは画と見聞記だが、本書には専門家の注解があるので、時代背景などが理解できる。江戸から東京へ、変容の時代における中央区界隈の様子が浮かび上がってくる。@巻渕彰