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[春の院展」始まるー日本橋三越本店ー

[滅紫] 2012年3月31日 08:30

桜の開花情報が楽しみなこの頃、恒例の「春の院展」の案内状を頂いて条件反射的に「お花見」を連想してしまいました。毎年お花見の時期と展覧会の会期が一緒なのです。今年でもう67回。秋9月1日から開催される「院展」の他に「春の院展」が開催されるようになったのは昭和20年(1945年)からだそうです。会場はその時も三越日本橋本店です。主催団体である日本美術院と三越さんのご縁は長いようで第一回再興院展も「日本橋駿河町三越呉服店」で大正3年(1914)に開催された(「院展100年の名画」(小学館))とあります。因みにタイトルの文字は日本美術院初代理事長・安田靫彦氏のものとのこと。


とまれ本日初日、早速日本橋三越さんへ出かけました。初日とあって著名な同人の方の姿が見えます。知人を案内されて作品の前で説明されているのは入選された新人画家の方なのでしょうか。何だか微笑ましい感じです。

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よく知られているように「日本美術院」は明治31年(1898年)岡倉天心が中心となり創立した在野の美術団体。
古くは横山大観、前田青邨、近年では片岡珠子、平山郁夫画伯が所属。
院展は日本画の公募展で、いただいたリストによれば、今回の応募作品は870点、その内の入選作品314点と同人作品32点を展示してあります。


どこか惹かれる、気になる新人作家の作品に出会ったら翌年、さらに次の年と見続けると「余り進歩しないな」「作風が変わった」とかあるいはまた受賞!という嬉しいハプニングにも出会えるかもしれません。

「初入選」から「特待」「招待」最終ゴールの「同人」までたどり着けるか?あなたの眼でお気に入りの新人作家を掘り出してみるのも展覧会の楽しみです。今回見つからなくても何しろ会場は「百花繚乱」一足早く「満開」です。


会場:日本橋三越本店 本館7Fギャラリー

会期:~4月9日(月)

10:00~19:00(最終日は18:00)

 

 

本屋さんで一休みーMARUZEN CAFE-日本橋丸善

[滅紫] 2012年3月 8日 08:30

建替え前の丸善ビル屋上には以前ゴルフ練習場があり、その一隅にあったGOLFER'S SNACKには勤め人だった頃お昼によくお邪魔したものでした。今のビルは2007年完成でダークブラウン系でまとめられた店内インテリアといい、アッシュフォードで統一された食器といい、サービスも洒落たものになりましたが、懐かしい洋食の味を求めて人気で列が出来ているのは以前と変わらない情景です。

 

MARUZEN CAFEは3Fエスカレーターを上がったギャラリー横にあります。今朝は早くから2コマ講義を受けたのでかなりお腹ぺこぺこ。WAITING LISTに名前を記して「さあ、何にしましょう?」とDISPLAYされたお料理サンプルを前に目移りしきり。欲張って「早矢仕オムライス」(1200円)に。ご存知のようにこちらは丸善創業者の早矢仕有的氏が考案したと云われている「早矢仕ライス」が名物なのですが、中央のオムライスの黄色と周りを取り囲んだハヤシの濃い目のブラウンソースが「これにしなさい!」と誘っているように見えたのです。(邪道かな・・・)

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案内された1人客用の窓側のカウンター席では食事しながらスマホ操作中の方、買った本を早速読み始めている方など様々ですが、あ!1人でスウイーツを召し上がっている男性もいます。隣に本があれば違和感がありません。不思議なものです。


頂き終わるやさっと、コーヒー(SETだと350円)が運ばれてきました。桜通りを行きかう人々をながめながらのんびりしたひと時を過ごしました。キャッシャーで「昔は屋上に・・」という話をすると「懐かしく思っていらしてくださるお客さまが多くて・・」とのことでした。


丸善さんの以前のビルは昭和27年(1952)の建設で東京で戦後初の鉄筋ビルだったとのこと。


1Fに降りると「世界の万年筆」展を開催中でした。そういえば「万年筆」という日本語を最初に作ったのもタイプライターを最初に輸入したのも丸善さんとのことです。明治期から「舶来文化」の風を感じさせてくれるお店だったのでしょうね。本と文房具を眺めて疲れたらCAFEで過ごすというのんびりした一日はいかがですか。


丸善日本橋店:日本橋2-3-10 TEL6214-2001

営業時間」09:30~20:30年末年始をのぞいて無休

 

 

 

日本橋長門ー江戸風御菓子司の「雛あられ」

[滅紫] 2012年3月 1日 08:30

雛祭りが近づいてきました。雛人形、桃の花、あられ、菱餅、草もち、白酒、ちらし寿司、蛤。3月3日は季節の女の子のお節句として定着していますが、


―雛祭りの由来は複雑で、中国から伝わった人形(ひとがた)を流して祓う「上巳の祓え」、奈良・平安時代の貴族の間で行われていた「曲水の宴」、そして貴族の女の子たちの遊び「雛(ひいな)遊び」の三者の伝承を背景として今日の形へ変化したものと考えられる―([日本の暦と年中行事]新谷尚紀監修)のだそうです。


同書によれば、―中国では邪気に見舞われやすい忌み日として3月初めの巳の日に水辺で体を清め桃の酒を飲んで邪気を祓う風習があり、やがて上巳は同じ陽の日が重なる3月3日に定められた。―とのこと。「雛遊び」も女の子の遊びとして年中行われていたようで「源氏物語」にも様々な季節(末摘花ー正月、野分ー8月)等に出てきます。

この独立していた3種の風習が結びつき3月3日に雛人形を飾るようになったのは室町時代以降で、江戸時代に入ると江戸城への登城日である「五節句」に定められ、人形は段々手の込んだものとなり一般庶民にも定着したと云われています。


「東都歳時記」(天保8年1837年)には「上巳節供として●三日上巳御祝儀諸侯御登城。良賤佳節を祝す。蓬餅、桃花酒白酒炒豆等を以って時食とす●女子雛遊び2月末より屋中に段を構えて飾るなり。当歳の女子ある家初節句とて分て祝す●宿下がり・薮入り・汐干狩」とありますので、ほぼ現代と同じような雛祭りになっている様子が伺えます。喜田川守貞の「守貞漫稿」には「雛市、2月25日より3月3,5日頃まで江戸十軒店及び尾張町、麹町等、平日他業の家をも雛商人これを借り、また、中店(なかだな)と号して大路の中央に往来を残し両側ともに仮店を列す。官許なり」と雛市の賑わいを描いています。因みに「雛祭りが終わると早く人形を片付けないと・・・・」と云われているのは本来人形(ひとかた)として流していたのが豪華な人形になり、流すにしのびなくなったため、その代わりに「早く片付ける」ことで「穢れを祓った」とみなすことになったということです。「・・・・・」については不明!です。


雛祭りのお菓子は京都の「引千切り」、「草もち」などたくさんありますがこのお節句だけの特別なものはやはり「雛あられ」でしょう。今回ご紹介するのは「日本橋長門」さんの雛あられです。

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長門さんはご紹介するまでもない有名店ですが、八重洲口から高島屋に通じる桜通りにあります。お店の案内によれば創業は享保年間(1716~1735)将軍吉宗の頃、幕府御用の菓子司となり「松岡長門掾藤原信吉」の名前を拝領、苗字帯刀を許されていたそうです。


「雛あられ」は黒砂糖味で可愛い袋に入っている(800円)と菱餅型の箱に入っている(3300円)の2種類があります。写真は袋入りです。また他にも将軍家お出入りだったことを示す「葵最中」、「松風」(これは予約だけ)「わらび久寿餅」「江戸風切り羊羹」が人気です。写真は「わらび久寿もち」(850円)です。本わらび粉使用で一度いただくとやみつきになります。


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世界各地で日本食品がどこでも手に入る現在とは違う30年以上前、クウエート支店に異動になった上司のところに出張者にこの長門の切り羊羹を託したところ、テレックス(メールのない時代です)の返事の最後に「YOUKAN NAMIDA」(羊羹 涙)とありました。


日本橋長門

中央区日本橋3-1-3 TEL3271-8662 日祝休み


 

 

麒麟の翼のアイテム~和紙十色

[みど] 2012年3月 1日 08:30

現在公開中の「麒麟の翼」は日本橋・人形町を舞台とした
ミステリー映画であることは皆さんもご存知かと思います。
この「麒麟の翼」で鍵になっているのは「和紙十色」という
和紙専門店「小津和紙」が販売する色紙セットなのです。

お店にお邪魔したところ「麒麟の翼」のポスターやチラシ
と一緒に「和紙十色」(1,050円)が販売されていました。
書籍(原作)には「和紙十色」が登場している箇所にライン
マーカーで塗られていたりして・・・

「和紙十色」は名前の通り10センチ角の和紙が10色、各10枚
ずつセットになっていますが、実は映画が製作される前は
「和紙百色」(大=2,100円、小=1,050円)で販売されて
いたそうです。映画化される際に、物語に合わせた10色を
選んで商品化したとのことです。
商品の隣には十色の和紙で折り鶴がありましたが、とても
いい感じで心が癒されました。ちょっとしたプレゼントにも
なるのではないでしょうか。

小津和紙の二階には「小津ギャラリー」「小津史料館」
「小津文化教室」などあり「里山サロン」という無料休憩室
も設置してあります。無料でお茶も飲めるので、日本橋
界隈の散歩で疲れた時には、ちょうど良い休憩所ではない
でしょうか。

小津和紙  http://www.ozuwashi.net/
 中央区日本橋本町3-6-2 小津本館ビル
 TEL 03-3662-1184
 営業時間 10時~19時(日曜定休)

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