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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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◆ 春の音色・隅田川の中央大橋

[隅田の花火] 2016年2月23日 14:00

毎年2月を過ぎると「隅田川の中央大橋のたもとにある河津桜が開花しました」という便りが聞こえてきます。

隅田川にも、そろそろ春が訪れることを感じさせてくれます。

s_hanabi31-1.jpg(2月14日の河津桜)

 

隅田川にかかる「中央大橋」。93年に開通したこの橋は、月島・佃地区から東京駅の八重洲口までを1本の道で繋いでいます。

今回は私が感じるこの「中央大橋」についてのお話しです。

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白くて高い主塔が非常に特徴的ですが、ケーブルが主塔の上のほうから出ているので、この橋の近くに来ると自然に視線が空の方に向いてしまいます。

 

近隣に高層マンションが多いこの街並みに調和した「高さ」のある主搭により、橋が街並みに埋もれることなく存在感が示されていて、さらにケーブルが作りだす「斜め」の線が直角ばかりの街並みに少し違ったアクセントをもたせてくれている気がします。

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この白い主塔ですが、「兜(かぶと)」の形を模しているのだとか。かつて佃地区は、江戸時代は佃島や石川島といった島でしたが、石川島はかつては鎧島(よろいじま)と呼ばれていたそうで、この「鎧」の対をなすものして「兜」というデザインになった、という風に言われています。

 

兜かぁ。

見方によっては、「バンザイをした巨人」のようにも見えますし、

見上げる場所によっては、「巨大な蜘蛛」のようにも見えます。

s_hanabi31-4.jpgまぁ、何に見えるかは人それぞれでしょうか。こういうのは子供さんのほうが得意かもしれませんね。

 

 

この橋は歩道が広く、植栽まであったりするので気持ちよく歩けるのですが、大きな特徴としては橋桁が大きく「カーブ」している点があげられます。

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橋の種類としては「斜張橋(しゃちょうきょう)」というタイプ。斜張橋は主塔から出る数本のケーブルを直接橋桁につなげて橋桁を吊ります。

主塔の本数やケーブルを出す位置など、その場所の景観に合わせた自由度の高い設計ができるので、最近はその数が多くなっているそうです。

s_hanabi31-6.jpg(斜張橋の例:尾道にある尾道大橋(奥)と新尾道大橋(手前))

 

中央大橋の場合、カーブしている橋桁を吊っているので、おそらく複雑な計算をして設計がされたのだと思うのですが、最近ではこういった複雑な形の橋が斜張橋で実現できるようです。

s_hanabi31-7.jpg(橋桁の平面図)

 

また、橋桁はカーブだけでなく上向きに弓なりにもなっているので、この橋を渡ろうとすると、渡った先のほうがよく見えません。

「この先の橋の向こう側ってどうなっているのかな?」と思ったら、弓なりの頂上、カーブの頂点にあたる橋桁の真ん中あたりに足が向かうことになります。

 

その橋桁の真ん中あたり、進行方向のどちらを見ても一番見通しが良いのが「カーブの外側」。ここで川の方向を見ると、オシップザッキン作の「メッセンジャー像」が現れます。隅田川とフランスのセーヌ川は友好河川ということでパリから寄贈されたこの像が隅田川の上流側・永代橋やスカイツリーの方向に向けて飾られています。

s_hanabi31-8.jpg右腕にパリ市の紋章である帆船を抱いている像なのですが、橋の上からは像の前側がよく見えず、どうなっているのかわからないのがこの像のミステリアスなところです。

 

この橋の隣にある石川島公園の北側には東京とパリの友好関係を示す「パリ広場」があり、中央大橋の設計もフランスのデザイン会社であることから、この橋の付近は「フランス」や「花の都パリ」の香りがする場所となっています。この橋はパリとの友好関係の象徴と言っても良いかもしれません。

s_hanabi31-9.jpg(11月15日・月島の隅田川テラスより中央大橋方面)

 

 

そして、この中央大橋のある場所の一番の特徴。それは桜が咲く公園が3つも隣接していることではないでしょうか。

佃公園と石川島公園と新川公園。いずれの公園も春になると隅田川沿いに桜が咲き、隅田川の春に彩りを添える場所になっています。

s_hanabi31-10.jpg(2015年:石川島公園)

 

公園を歩くと、ついつい写真の四角形の中に桜と中央大橋を入れてしまいます。これほど桜に囲まれた橋はなかなか無いかもしれません。

s_hanabi31-11.jpg(2015年:新川公園)

 

こうして見てみると、春の中央大橋は「筝(こと)」のように見えてきます。

ケーブルは糸、そして白い主塔は巨大な琴柱(ことじ)のようで、「春の海」とか「さくらさくら」とか・・・春の奏でが聞こえてきそうです。

s_hanabi31-12.jpg(2015年:佃公園)

 

桜咲く春。訪れまでもう少しかかりそうですが、暖かくなりその季節がやってきたら、中央大橋の周りに咲く桜に囲まれてみる。

そして春の音色を感じてみるのはいかがでしょう。

 

 

 

◆ 新春の築地市場

[隅田の花火] 2016年1月 9日 14:00

1月5日(火)、新春の活気を感じに築地場内市場の初市にいってきました。

 

まずは、水神社の遥拝所に新年のご挨拶。

s_hanabi30-1.jpgいよいよ今年11月に築地市場は豊洲に移転となるので、この正月風景も見納めです。

 

この遥拝所も豊洲に遷座するということで、この境内には、遷座のための寄付金を募る用紙がおいてありました。

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移転に向けて色々と動き始めたという感じで、いよいよ、その年になってしまったのかぁ と実感してしまいました。

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もし何百年後に、魚市場がまた豊洲とは違う場所にあったとしても、きっとこの神様はその魚市場がある場所で寄り添っているのだろうと思います。

 

 

そのあと魚河岸横丁をぶらぶら。あちこちで新年の挨拶をする姿が見られました。

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おぉぉぉぉ! これは野菜の宝船だ。

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ん~。なんだか、めでたい。

 

いつものカレー屋さんで朝ごはんを食べたあと、見学が許される9時になるのを待って、市場の中に行ってみることに。

さすが正月。やっぱり普段の日とは活気が違います。

 

これも築地市場の正月の風景のひとつ「初荷の旗」。

s_hanabi30-6.jpgん~。これもなんだか、めでたい。

 

こんな感じで今年も活気ある築地市場が幕開けとなりました。

市場関係者のかたは、今年たいへんな年になるのかもしれませんが、無事に築地最後の日を迎え、新天地での新しい日が迎えられることを願っています。

 

 

年末に新聞で、築地市場が移転した後の跡地のプランについての報道がありました。

水辺の交通の施設を作る、というもので、まだ結構先の話のようです。

 

ん~、もし水辺を大事にするのならば、市場の跡地や水辺の際にはできるだけ高い建物は建ててほしくないなぁ。

 

隅田川の水が青く映るには、オレンジ色に映るには、やっぱり広い空が必要。

s_hanabi30-7.jpg水は自分では光ることができないと思いますし、

s_hanabi30-8.jpg水辺の魅力はやっぱり空が広いことだと思います。

s_hanabi30-9.jpg(勝どきから見た築地市場方面)

 

 

 

◆ 観光写真コンクールの入賞作品の中にあるもの

[隅田の花火] 2016年1月 5日 14:00

中央区役所の1階ロビーで今、「中央区観光写真コンクール」の入賞作品の展示が行われています。

大きい写真なので迫力や感じるものが、また一味違います。

s_hanabi29-1.jpg昨年秋に募集されていましたが、501点の応募があり、そのうち37点が受賞となりました。

 

かなりの回数を重ねている歴史のあるコンクールで、 多くの協賛団体にもご協力いただいき、支えられています。

年々応募数が増えているあまり他にはないコンクールだそうで、今年はなんと10代~80代までの幅広い年代の方が受賞となりました。

 

12月22日(火)に中央区役所で表彰式が行われ、ミス中央の臼井さん介添のもと、各協賛団体などの代表者から、受賞者に賞状と記念品が手渡されました。

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私はこのコンクールに非常に興味を持っています。

 

この写真コンクールは、「観光振興」というテーマに沿って「一枚の写真とそれにつける題名」だけで、 中央区の魅力を「作品」として表現するということが主題です。

s_hanabi29-3.jpg募集時には、

『単に写真技術を競うのではなく、写真を撮ることを通じて中央区の魅力や豊かな観光資源を広く紹介し、多くの方に区を訪れていただくきっかけにすることを目的としています。』

と案内されていました。

 

方法は違いますが、それは今書いている「特派員ブログ」の記事としての「作品」で表現することと同じです。

入賞作品の中に何が表現されているかを感じるだけで、私自身がブログを書く上でもかなりの参考になります。

s_hanabi29-4.jpg 

「観光」は、「光」を「観る」と書きます。

 

この「観光」は、古い中国の書にある「観国之光」という言葉からつくられたもので、「他の国へ行って、良い点を見聞きして学ぶ」というようなことが元々の意味だそうです。

 

今この「観光」という言葉は元々の意味とは違う使われ方がされていると思いますが、

『光』とは単に「美しい」だけではなく、楽しい・美味しい・凄い・可愛い・綺麗・心地よい・怖い・悲しい、といったような人間が感じるもの、

そして『観る』とは「感じ取る」というような意味だと私は勝手に解釈しています。

 

s_hanabi29-5.jpg入賞作品には、作品を見た人に感じ取ってもらう『光』が、四角形の写真の中に、そして題名の文字の中に上手く表現されているものばかりです。

 

自分が書いた特派員ブログの記事としての作品は、感じ取ってもらえるような『光』が上手く表現できているのか・・・ちょっぴり不安です。

 

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おそらく、展示されている作品が作られた時のいきさつ や こだわり や 苦労などは、作品を見ても多分、感じ取るのは難しいかもしれません。

 

ですが、もし中央区役所に行って入賞作品をご覧になられるようでしたら、どのような『光』が作品の中に表現されているかをポイントに『感じ取って』いただけると、また少し楽しめるかもしれません。

 

私が好きなのはこれかな?

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【夕日を浴びて】

 

懐かしい・・・そんな光を感じました。

 

★中央区観光写真コンクール入賞作品の展示

 新年は4日(月)~15日(金)まで

  ※土曜・祝日を除く。

   中央区役所1階ロビーにて。

 

 

◆ 築地市場・季節を感じる落とし物

[隅田の花火] 2015年12月 3日 09:00

地下鉄大江戸線・築地市場駅の出入り口のほど近くに「築地市場正門」があるが、この門から築地場内市場に入られる方も多いと思う。

s_hanabi28-1.jpgこの築地市場正門の傍らにある「拾得物掲示板」と書かれた掲示板。

s_hanabi28-2.jpgご覧のとおり、この掲示板には市場ならではの落とし物が書かれることがある。市場での「旬な」落とし物が、よく届けられるのだ。

今年の春頃から撮りためた写真を使って、その落とし物を「季節を感じながら」少しご紹介してみようと思う。

 

まず6月になって登場した『稚アユ』。

初夏の訪れを感じさせるこの魚。築地の天ぷら屋でもこの時期にアユを出す店が多いようだ。

s_hanabi28-3.jpg6月になると全国各地でアユ釣りが解禁され、釣人にとって楽しみなシーズンが始まる。

子供の頃に読んだ「釣りキチ三平」というマンガに、アユは「すいか」の香りがすると書いてあった記憶がある。アユの季節になると川が「すいか」の香りで包まれるらしい。本当なのだろうか・・・。

アユは「鮎」と書くが、「香魚」とも書くらしい。

 

この掲示板によく登場したのが、その『スイカ』だ。

s_hanabi28-4.jpg多分、『SUICA』のことだと思うのだが、夏に届けられた「スイカ」の中には、もしかしたら『西瓜』があったのかもしれない。

 

築地市場は「魚市場」のイメージかあるが、「青果市場」も築地場内にある。昭和初期に魚市場が日本橋から築地に移転してきたが、同じように青果市場が京橋から築地に移ってきた。

そして来年、場内にある両市場は豊洲に移ることになった。

 

 

夏の終わりに登場した『青柚子』。

s_hanabi28-5.jpg柚子は冬のイメージがあるが、収穫時期は夏の「青柚子」と晩秋の「黄柚子」の2回。青柚子は柚子胡椒など、爽やかな香りで楽しまれる食材のようだ。

今年の夏のはじめは非常に暑かったが、8月後半になると涼しい日が続き、そのまま秋を迎えてしまった。

 

そして、9月に入っていきなり登場した『松茸』。

s_hanabi28-6.jpgこの「秋の味覚の王様」の登場により、今年の夏に終止符が打たれた。

 

 

『スッポン』が登場。

s_hanabi28-7.jpg旬の時期はよくわからないが、どのような状態で拾われたのか気になるところ。歩いていたりしたらちょっと怖いかも。

 

 

秋の味覚『秋刀魚(さんま)』もきちんと登場してくれた。

お隣の『あさり』は春と秋が旬らしい。近くの佃煮屋で佃煮になる予定だったのだろうか。それとも深川めしか?

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おぉぉぉぉぉっ!

s_hanabi28-9.jpgダブルで『スッポン』が登場!

 

 

あぁ。ついに登場してしまった。

s_hanabi28-10.jpg『下仁田ネギ』。

ネギと言えば冬の野菜。ちょっとまだ早い気がするが、季節は待ってくれないということか。

 

 

冬の訪れをイメージさせる『ぎんなん』。築地では、場外にある波除稲荷神社の「しだれイチョウ」を思い起こしてしまう。

s_hanabi28-11.jpg波除稲荷神社のしだれイチョウが今、黄色に(11月28日撮影)。

s_hanabi28-12.jpgイチョウが黄色くなるといよいよ冬に突入か、といったところ。寒くなってくると、人は築地市場に集まってきて、より賑やかになる。

 

s_hanabi28-13.jpg(昨年の暮れの波除稲荷神社)

今年も残り一か月。

築地はこれから、年の瀬の風景に変わっていきます。

 

 

 

◆ 築地場内 「印度カレー中栄」店主の 華麗な おもてなし

[隅田の花火] 2015年11月12日 09:00

 

朝の築地市場。いつもあわただしく人や荷が行き交い、活気のある場所です。

 

特に築地の場内市場に来ると、目に飛び込んでくるのがほとんど働いている方々。「人が働く」という人間の原点みたいなものを目の当たりにできる場所で、見ているだけで朝から元気が湧いてきます。

s_hanabi27-1.jpg(海幸橋門から見た築地場内)

 

実は私は今年春から、週に1・2回早起きして場内市場で朝ごはんを食べてから会社に通っています。

 

場内市場の豊洲新市場への移転という、歴史的なタイミングで特派員をやらせていただいているということもあるのですが、何か思い出のひとつでもこの築地場内市場という場所に残せたら、という思いもあり、早起きすることにしています。

 

私が通い詰めているのは、場内市場にある「中栄(なかえい)」というカレー屋さん。

お店に入ると、U字型のカウンターに店主が先頭に立ち、いつも店をきりもりしています。

s_hanabi27-2.jpg中栄のカレーのメニューの基本は三種類です(550円)。

 ・印度カレー(辛口)

 ・ビーフカレー(甘口)

 ・ハヤシライス(トマト風味)

 

さらに「合いがけ」というメニューもあります(650円)。基本の三種類からふたつを選び、ひとつの皿に盛ってもらえるメニューで、観光や初めての方にはオススメです。

その他、シーフードカレーや炙りチャーシューがのったカレーなどのメニューもあります。

s_hanabi27-3.jpg(印度カレーとハヤシライスの合いがけ。650円)

 

このお店で驚きなのは、カレーを注文してから出てくるまでが実に早い!

座ってから数十秒経つとカレーが目の前にあります。十秒かからないこともあるのではないでしょうか。

 

早さの秘密のひとつとして、店主さんがかなりの数の常連さんの顔とその注文を覚えていることがあります。オーダーをしなくてもカレーが出てくる常連さんもいたりします。

 

数回このお店に通って、私はそれに気付いたのですが、どのくらい通えばこの常連さんのようになれるのか、試したくなってしまいました。

 

そこで9月に入ったところで、注文を「印度カレーと目玉焼き」に固定してみることに。

そのあと、週に1・2回のペースで通い続けてみました。

s_hanabi27-4.jpgここからが長かった・・・。

「印度カレーと目玉焼き」と自分でオーダーすることが何度も続きます。

「印度カレーと目玉焼き」と言わない日はやって来るのか?新市場への移転の日まで間に合うのか?  ・・・不安がよぎります。

 

10月の下旬に差し掛かった頃、店に入ると店主さんから「いつもの?」というお声が。いゃ~嬉しかったぁ。私も常連さんに認定されたということなのでしょうか。 「印度カレーと目玉焼き」にしてから8回目の朝でした。

 

 

この中栄のカレー屋さんの創業は大正元年(1912年)だそう。魚市場は築地に移ってくる前は中央区の日本橋という橋の所にあったのですが、その頃からあった老舗のカレー屋さんです。

 

お店に入ってくるお客は市場で働いている方々が多いのですが、仕事で急いでいることが多いので、このカレーが提供されるスピードは市場という場所が生み出した「おもてなし」のひとつなのかもしれません。

s_hanabi27-5.jpg(築地魚河岸シーフードカレー。1000円)

 

このお店、私が好きなところは、この店主さんの「おもてなし」が実に見事というか、無駄がなく華麗で、朝から心地よい気持ちにさせてくれるところです。

お客ひとりひとりに対する気配りはごくあたりまえのことのように行われるのですが、お客と店主との聞こえてくる会話が本当に心地よいのです。私には朝に聴こえてくる心地よい音楽のようにも感じられます。

 

この店主さんは、創業から四代目だそう。この店主さんと会話をするのを楽しみに来店する常連さんもたくさんいらっしゃるようです。

 

 

さて、中栄のカレーのメインの「印度カレー」。

辛さは、超辛いという訳ではなく、程よい辛さ。ファーストフード系の店に分類されてしまうのかもしれませんが、味に関してはそれなりの実力派、それでいて少し懐かしさの感じられる味だと思います。

s_hanabi27-6.jpg(印度カレーと目玉焼き。550円+100円)


ご覧の通り、ご飯の上にキャベツかどっさり盛られているのが特徴で、ご飯もかなりのボリューム。

食べ方は人それぞれですが、キャベツとご飯とカレーを絡める食べ方が店で案内されていて、その通りに食べるのが一番美味しいと思います。キャベツのシャキシャキ感がたまりません。

 

 

築地場内市場の豊洲新市場への移転の日まで、1年をきりました。来年11月2日の営業を最後に閉場。翌日は休場日で4~6日の3日間で移転するスケジュールです。

s_hanabi27-7.jpg(水神社から見た築地場内)

 

このカレー屋さんももちろん移転されるのですが、店主にお聞きしてもそれほど切迫したご様子ではなく、サバサバした感じ。

 

いろいろ移転に伴う問題はこれから発生するのでしょうが、もう前に進むしかない。そんな感じで話されていました。

 

これから、築地の「場内」市場は最後の年の瀬を迎えていくことになりますが、移転していくまでまだ日はあります。

そろそろ「印度カレーと目玉焼き」以外の注文にしてみようかと思うこの頃ですが、来年の今頃には良い思い出が残っているよう、できる限り通い続けられればと思っています。

 

★「中栄」⇒ http://www.nakaei.com/

★「魚河岸横丁」⇒ http://www.uogashiyokocho.or.jp/

 

 

 

◆ 隅田川・清洲橋の「女性的な魅力」

[隅田の花火] 2015年10月28日 09:00

先日、勝鬨橋の脇にある 「かちどき・橋の資料館」に久しぶりに立ち寄ってみました。

この資料館は、勝鬨橋を開くために使用していた変電所を改修して作られましたが、今年で10周年を迎えたそうです。

 

帰り際に、資料館のおじさんから10周年記念の限定ポストカードをいただいたのですが、嬉しくなった私はいい機会と思い、隅田川テラスを歩いた時にいつも思う疑問について、おじさんに質問をしてみました。

 

お聞きしてみたのは、「清洲橋」。

s_hanabi26-1.jpg関東大震災後の復興事業で造られ、国の重要文化財にもなっている吊橋(つりばし)です。

同じ復興事業で造られた「永代橋」が男性的といわれるのに対し、この「清洲橋」はそのフォルムから『女性的』といわれ、隅田川の橋の中でもたいへん人気があり、愛されています。

 

隅田川テラスを歩くといつも私の目がいってしまうのが、この部分。

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遠目で見ると、吊橋の柱の下の方がくびれていて、華奢な感じでなんだかポキッと折れてしまいそう。吊橋の柱は、太くて地面に突き刺さっているイメージがあったので「何でこんなんで大丈夫なんですか」と、超ド素人な質問をしてしまいました。

 

やさしく教えて頂いたのですが、前提知識が無かったり力学の話が出てきたりして少々難解。もう少し勉強してからお聞きすればよかったと後悔をしつつも、下記を覚えて帰りました。

 

・この部分は「水」と「日」を合わせた『沓』という漢字で、『しゅう』と読む。

・沓により、橋の重さによる力の方向が橋脚への真下方向に伝わる。

・橋が沓に乗っかっているイメージ。

 

 

その数日後、図書館などで調べてみると、この部分は『支承(ししょう)』とよばれるところで、英語ではshoe(シュー)、シューズのシューという単語でした。『沓』は「くつ」と読むため、どうやら建築業界用語でこの『沓』という漢字を当てて「しゅう」と読んでいるらしいです。

 

橋の重みを下に伝える部材ですが、橋は温度変化で伸び縮みしたり歪んだりするので、この支承が「あそび」の役割を果たしてうまく調整することもするそうです。

s_hanabi26-3.jpg清洲橋にとってはまさしく沓(くつ)をはいて橋脚に乗っかっているイメージなので、この部分は人間でいうとアキレス腱とか足首なのかも。

とすると、女性の清洲橋さん風に言えば、「か細い 女性の足首」といったところになりましょうか。妙に納得してしまいました(ちょっと失礼カナ?)。

 

 

清洲橋は吊橋ですが、いろいろ調べてみると珍しいつくり方の吊橋で、「自定式吊橋」というタイプ。

 

普通の吊橋は「他定式吊橋」というタイプで、橋の両端にはケーブルを引っ張るための重り(アンカレイジ)があります。

(下の写真は他定式吊橋のレインボーブリッジで、白い巨大な塊がアンカレイジ。)

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しかし清洲橋のような「自定式吊橋」は橋桁の両端にワイヤーを繋げてしまうタイプ。橋の両端に重りが無いため、結果として、スッキリとした見栄えになるようです(因みに清洲橋はワイヤーではなく鋼製チェーンでこれも珍しいそうです)。

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また吊橋は、頑丈な太い柱が地面に突き刺さっているイメージを私はしていたのですが、「自定式吊橋」の場合は沓(くつ)をはく形になることにも関係しているようで、私の清洲橋の柱に対する見かたが誤っていました。

s_hanabi26-6.jpgこの「自定式吊橋」という橋の作り方が、清洲橋の「女性的な魅力」を生み出している、そんな気がしました。

まだ勉強は足りませんが、おじさんにお聞きしてからいろいろと知ることが出来たので、よかったです。ありがとうございました。

 

 

さて、隅田川ですが「橋の博物館」とも言われているくらいいろいろなタイプの橋があります。

11月1日(日)の 「中央区まるごとミュージアム」では何と、無料で船に乗れてしまうのですが、せっかくですのでぜひ船に乗って、いろいろな橋を見比べてみるのはいかがでしょう?

s_hanabi26-7.jpg

 

「清洲橋」は、他の橋と比べるときっと女性的に感じられる所があるのではないかと思います。

s_hanabi26-8.jpgぜひ皆さまなりに「女性的な魅力」を見つけていただけたらと思います。