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選び抜いたフルーツを世界から  ~ 千疋屋総本店 ~

[rosemary sea] 2017年3月 6日 18:00

『ギフト、そして自分も楽しむ』をメソッドとして取材します、 rosemary sea です。

 

ロズマリとしては千疋屋総本店さんの果物はここまでほとんど国産のものを中心にご紹介してまいりました。

しかし実際、海外フルーツにつきましても選び抜いて数多く取り扱いされています。

今回は千疋屋総本店さんの海外フルーツにスポットライトを当てたいと思います。

株式会社 千疋屋総本店 日本橋本店 販売副部長の吉田さんにお話を伺いました。

 

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マスカット オブ イタリアン。ニュージーランド産。

美しい緑色の粒がボリュームのある房になり、完熟すると優雅なマスカット香が漂います。上品な甘味、気品ある味わいをお楽しみください。

「今の時期、国産のブドウもこういった大きさのものがない中で、前になるんですけど、岡山県のマスカットを生産している方が実際にニュージーランドに行って育て方や作り方などをニュージーランドの方に教えてできたものが日本に入ってきています。それがこのマスカット オブ イタリアンです。南半球で、少し暖かい秋ぐらいの時が向こうで旬です。そこで採れたものが日本に入ってきているというかたちです。現地生産者は現在減ってきておりまして1人2人という数になってきていて貴重です。」

 

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マンゴー。 ナンドクマイ種です。タイ産。

とても瑞々しく強い甘味があり、繊維質が少ないため食べやすいのが特徴。常温で保存し、表皮に少しシワが出て来たら食べ頃。冷蔵庫で2~3時間冷やすとベスト。

「普通のマンゴーより少し細長いかたち。"ナンドクマイ"はタイ語で"花の雫(しずく)"を意味します。」

 

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パパイヤ。カポホソロ種です。タイ産。

「1年中タイ産のものをご用意しております。」

 

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アボカド。メキシコ産。

なめらかな舌触りに加え、栄養価も高く、古代から愛されてきました。常温で保存し、果皮が黒褐色になり、手のひらで軽く握って柔らかさを感じたら食べ頃。

「メキシコ産のものを1年中ご用意できます。」

 

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左、ネーブルオレンジ。アメリカ・カリフォルニア産。

果頂部にへそ(navel)に似たくぼみがあることからこう呼ばれます。甘味と酸味のバランスがちょうどよいオレンジです。

「今が旬です。夏場はオーストラリア産のものと替わります。洋菓子コーナーのオレンジジェリーにもなっております。」

右、グレープフルーツ ルビー。アメリカ・フロリダ産。

西インド諸島・バルバドス島原産、オレンジとざぼんの雑種と云われています。赤みがかった果皮と透き通った赤い果肉のルビーは、ジューシーで甘味豊富な食べやすいグレープフルーツ。

「こちらも旬です。夏場は南アフリカ産のものとなります。柑橘系は冬場が一番おいしいものが作られるので。こちらも洋菓子コーナーのグレープフルーツジェリールビーともなっています。」

 

他には・・・バナナはエクアドル産。

「本日はエクアドル産のものですが、フィリピン産のときもあります。日によってこのどちらかとなります。」

・・・吉田さん、ありがとうございました。

 

DSC02038a.jpgここで千疋屋総本店さんの海外フルーツ取り扱いについて・・・

明治10年(1877年)三代目・大島代次郎氏は、まだ日本には出回っていなかった海外のフルーツに目をつけた人物です。

当時、横浜などには食料補給のために外国船がよく寄港していました。

そこで代次郎氏は港に出向いて、船員さんの食料としていた食材の中にあった果物に着眼、船員さんに「果物を売ってくれないか?」と掛け合い、バナナやパイナップルを買い取ることに成功しました。

「千疋屋はよい値段で買ってくれる」と評判になり、お店まで売りに来てくださる人が出てきました。

それ以降、徐々に扱う商品を増やしていき、輸入物を店頭に並べるようになりました。

上は日本橋本店の奥に掲げられた中村不折(慶応2年【1866年】ー昭和18年【1943年】の書です。書にもあるとおり、三代目・代次郎氏と親交あったものとされています。

DSC02049b.jpg中村不折は洋画家・書家。京橋八丁堀、現在の中央区湊の生まれ。

夏目漱石「吾輩は猫である」の挿絵画家としても知られています。

左の画像をご覧ください。筆跡は新宿中村屋さんの「中村屋」のロゴに現在も用いられています。

 

 

併せて、ロズマリからお知らせ

中央FM「Hellow! RADIO CITY 」月曜お昼の番組・中央区観光協会特派員「大好き!中央区」3月13日(月)の放送はロズマリ2回目の登場です。

千疋屋総本店さんの記事第3弾(2月2日)「併せて紹介 月替わりのエトセトラ」について語ります。

お聞きいただけますと幸いです。

中央FMさんのホームページはこちら ⇒ http://fm840.jp/

 

DSC02039a.jpg千疋屋総本店 日本橋本店 1F

メインストア(果物・花販売部)

日本橋室町2-1-2 

日本橋三井タワー 1階

03-3241-0877

営業時間 10:00~19:00 

元日を除き無休

千疋屋総本店さんのホームページはこちら ⇒ http://www.sembikiya.co.jp/

 

 

神茂さんの歴史について語ります ①  ~ 神茂 ~

[rosemary sea] 2017年3月 4日 09:00

『ギフト、そして自分も楽しむ』をコアとして取材します、 rosemary sea です。

DSC02027a.jpg日本橋神茂(かんも)さんの創業は元禄元年(1688年)、というのは前回述べさせていただきました。

今回はその歴史について詳しくご紹介させていただきます。

今回も有限会社 神茂 井上卓(たかし)社長直々にお伺いしました。

始祖とされる神崎屋長次郎さんは大坂の神崎というところの出身。ここから江戸へ出て漁業に従事しました。

それで江戸時代には「神崎屋(かんざきや)」という屋号を用いていました。

代々、「神崎屋茂三郎(もさぶろう)」を襲名するようになり、市場では縮めて「神茂」と符丁で呼ばれるようになりました。

それに伴い明治になって屋号も「神茂」と改めました。

DSC01971a.jpg昔から、半ぺんや蒲鉾ひとすじに精進されてきた伝統の味わいはとても評判でした。

明治29年発刊の東京自慢名物会の錦絵(木版画)にも「魚市場神茂」となって詠われています。

「名物と世にめでられて 昔より

          変わらぬ味の 月の蒲鉾」

江戸でも明治でも、そして現在も、神茂さんの半ぺん・蒲鉾は"名物"です。

神茂さんには先人の言葉として以下のような意味の教えが遺され、受け継がれています。

「商売はあまり大きくしてはいけない。大きくするとどうしても目が行き届かなくなる。

食べ物は一度まずいものを売って評判を落としたら、二番が続かない。

また買いに来ていただけるように、ていねいにいい品を造ることがいちばん大事。」

珠玉の名言、ですね。勉強になります。

神茂さん、丁寧に心を込めて製品を造り続けております。

多くの方にごひいきにされている所以です。

DSC01978a.jpg日本橋にお店を出した当初は蒲鉾専門でした。

後に半ぺん製造も手掛けることに。

ここから半ぺんのお話です。

江戸時代、鮫のヒレ(ふかひれ)は、中国などへの幕府の重要な輸出品のひとつでした。

品川沖や浦安沖には鮫場と云われる漁場がありました。

幕府への献上品となるふかひれとなるヒレを取った残りの鮫の身が、日本橋の魚河岸で取引されていました。

今、市場に出回る「はんぺん」のほとんどは鱈(たら)のすり身を混ぜています。

しかし神茂さんの半ぺんは今も鮫だけを使って造っています。

大隈重信さん、家では節句には必ず神茂さんの半ぺんが供されたそうです。

有名人のファンは他にもいっぱいいらっしゃったようです。

DSC02015a.jpg「あの野郎、ちょいと"かんも"だねえ」・・・

歌舞伎の世界では【若手でちょっと筋のいい役者】が出てくるとこう言うのだそうです。

歌舞伎に造詣の深い、尊敬する先輩特派員の滅紫さん、ご存知・・・ですよね。失礼しました。

そうです、かんも=神茂さん。ここからのおでん種の"すじ"=素質があるという意味の"筋"。なかなか粋な隠語です。

このようなところにも登場する神茂さん、昔から名の通ったお店、という証ですね。

神茂さんでは半ぺん、蒲鉾の他に"すじ"も商品としてあります。

決して主力商品ではありませんが、なかなか美味しいと評判です。

半ぺんはサメを主原料としています。

製造工程で大量に出るのが、軟骨や身のついた"すじ"。

これをミンチにし、少量の食塩とつなぎのでんぷんを加え、すり、すだれで巻いて茹でて出来上がります。

おでん種としてこれはこれで立派な役者さん。

DSC02028a.jpg神茂 本店

日本橋室町1-11-8

東京メトロ銀座線 三越前駅が至近

日本橋三越前 中央通りの大和屋さんとブリッジにいがたの間のむろまち小路を150m、右手前角

03-3241-3988

営業時間  平日 10:00~18:00

      土曜 10:00~17:00

定休日   日曜・祝日

神茂さんのホームページはこちら ⇒ https:www.hanpen.co.jp/

 

 

半ぺん・蒲鉾 伝統の味わい  ~ 神茂 ~

[rosemary sea] 2017年3月 1日 09:00

『ギフト、そして自分も楽しむ』をエレメントとして取材します、 rosemary sea です。

 

DSC02028a.jpg半ぺん・蒲鉾の製造販売の老舗、神茂(かんも)さん

創業は元禄元年(1688年)、今年で329年というすばらしい歴史です。

 

有限会社 神茂 井上卓(たかし)社長直々にお伺いしました。

社長は数えて第18代目となります。

 

伝統を守り抜くために、原料となる食材は宮城県の気仙沼漁港・焼津漁港をはじめ各地漁港から毎日直接仕入れ、職人さんが真心を込めて昔ながらの製法で造っています。

 

半ぺんは・・・

成型する際、お椀のふたですくい取ると丸の半分、"半片"となることからのネーミングと云われています。

 

神茂さんの半ぺんはふんわり軽く、口に入れた瞬間に魚の旨みが広がる、そのような食感を出すために、ヨシキリザメとアオザメの一番肉を一度ミンチにかけます。それを漉し機にかけた後、石臼ですり上げています。

味の追求は一瞬たりとも怠ったことはないそうです。

江戸の伝統を守る、しかしただ延々と同じことを繰り返すだけでは不十分。

味を守り続けることも大事ですが、一方で新しいことにも挑戦する、その気概をお持ちだそうです。

 

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手取り半ぺん 422円、半月 314円。

真っ白できめ細かく、メレンゲのようにふわふわ。お魚の旨みがまっすぐに口中に伝わります。

脂に乗ったアオザメを約4割、柔らかいヨシキリザメを約6割使用。

おでんに入れても良し、軽く炙って召し上がるも良し、だそうです。

1枚1枚手作業で型取られた半ぺんは自信の一品となっています。

半ぺんはきめの細かさが命。一度しぼりのみで半ぺんを造ります。

 

ここで久し振りに登場、ロズマリ食リポ隊の食リポ。

S井さん「フワフワで味もしっかりしてて美味しいです。」

Oさん「チーズのような食感と淡い海の香り。」

T山さん3号「口の中で溶けるようなフワフワ感と、しっかりした塩味が食欲をそそる。」

F川さん「ふわとろでいつもの半ぺんと別物でした。」

S枝さん「これが本物の半ぺんなんだと感動しました。」

S山さん「サメの淡泊な感じがお酒のお供にぴったり!!いっくらでも食べられそう。」

F雄さん「しっとりとした食感が非常によい。」

 

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極上蒲鉾 2,808円、御蒲鉾 1,836円、和燦 3,564円。

原料の魚はグチのみ、無でん粉で仕上げた最上級の蒲鉾です。

板わさで味わってみたいです。薄切りでもみじおろしとぽん酢、というのもありですね。

 

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おでん種、おでん種「セット、詰合せなど。

秋冬商品は3月30日までの販売となっております。

ロズマリ宅では季節に関係なく1年中、鍋・おでんがテーブルに乗ります。

神茂さん、感謝です。

 

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煮こごり 1,080円。

アオザメの皮を丁寧に湯引きし、三つ葉をあしらった一品です。

非常に人気の高い商品。瞬く間に売り切れます。

取材時も残り1本となっていました。

 

神茂さんの歴史につきましてはこの後2回に分けて詳しく述べさせていただきます。

 

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神茂 本店

 

日本橋室町1ー11ー8

東京メトロ銀座線 三越前駅が至近

日本橋三越前 中央通りの大和屋さんとブリッジにいがたの間のむろまち小路を150m、右手前角

03-3241-3988

営業時間  平日 10:00~18:00

      土曜 10:00~17:00

定休日   日曜・祝日

神茂さんのホームページはこちら ⇒ https://www.hanpen.co.jp/