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◆時代の大転換期を描く ~長谷川渓石画『江戸東京実見画録』刊行~

[巻渕彰/写楽さい] 2014年8月13日 09:00

日本橋難波町(のちの浪花町)生まれの江戸っ子が、幕末から明治初期までの出来事や風俗を描いた画・文をもとに解説を加えた書籍『江戸東京実見画録』が岩波文庫(青577-1)から刊行された(写真)

 

0913_571_140808hasegawa.jpg描いたのは長谷川渓石、初の女流歌舞伎脚本家で、『旧聞日本橋』を著した長谷川時雨(1879-1941)の父である。

 

渓石は本名深造。天保13年(1842)に生まれ、千葉周作道場入門のかたわら玄冶店の歌川国芳に絵を学んだという。明治2年(1869)、刑部省に入った後、代言人(のちの弁護士)になる。大正7年(1918)77歳で死去。

 

本書には52図が載っている。「至尊の御入城」「西丸大手前」など江戸城(宮城)関係のほか、現在の中央区周辺の画題が多いので興味が沸く。「迷子さがし」「市中の読売」「子供遊び」といった庶民の暮らしの中の一場面が描かれている一方、「旧幕府牢屋敷全図」(小伝馬町牢屋敷)、「敲放し」「手鎖に入墨」といった刑罰関係の図もある。

 

渓石が描いたのは画と見聞記だが、本書には専門家の注解があるので、時代背景などが理解できる。江戸から東京へ、変容の時代における中央区界隈の様子が浮かび上がってくる。@巻渕彰

 

 

 

◆郷土天文館サポーターによる初のパネル展示「中央区のモノ・動物供養碑展」 開催中!

[巻渕彰/写楽さい] 2014年8月 3日 17:00

中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)で、同館サポーターが企画制作した第1回のパネル展示となる「中央区のモノ・動物供養碑めぐり展」が8月2日からはじまった。区内の「針塚」「鰹塚」「玉子塚」などの「塚」と名付けられた供養碑の由来などをパネルで紹介している。会期は9月28日まで、観覧無料。詳しくは「区のおしらせ中央」(8/1号)HP こちら>>

 

0913_571_140801tsuka11.jpg日常のモノを大切にし、感謝して供養する風習が古来から伝わっている。モノや動物に関連した供養碑は、現在、区内の社寺などに12基の「塚」が確認されている。塚が伝えていくものは何か。

 

鉄砲洲稲荷神社の「針塚」は古い裁縫針に感謝し、裁縫の上達を願う「針供養碑」で、陰暦「事八日(ことようか)」に由来し、毎年2月8日に供養祭が行われる(写真)

 

築地・波除稲荷神社には「玉子塚」「海老塚」「すし塚」など食べ物に関連した供養碑がある。場所柄、海産物などの業者団体によって建てられた塚で、大切に供養されているのは、中央区ならではのものとして注目される。

 

今後、同館サポーターによるパネル展示は、第2回「岸田劉生と銀座」10-11月、第3回「区の境界線」12-1月、第4回は総集編として2‐3月に開催が予定されている。@巻渕彰

 

 

 
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