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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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区内寺社巡礼~第2番『銀座八丁神社巡り』

[下町トム] 2012年10月23日 14:00

区内の寺社を巡りながら季節の話題を提供し、下手な吟行気分で図々しく記事を書かせていただいています。今回はその2回目です。

 

秋たけなわ。「楽し都、恋の都♪」と『東京ラプソディー』に歌われた銀座の町も、今はすっかり哀愁の色を帯びて〝大人の町〟らしい雰囲気を漂わせています。

銀座には有名な『銀座八丁神社巡り』があります。銀座の町のあちらこちらに鎮座まします神仏を訪ねて歩くこのコースは、〝銀ブラ〟を兼ねて厳かな気持ちも味わえるおすすめの散歩道です。中央区観光協会のホームページでも紹介されていますので、是非ご覧下さい。銀座八丁神社巡り


ある日の夕刻近くにこのコースを歩いてみました。それぞれのスポットが個性的で魅力があるのですが、今回はその中から〔龍光不動尊〕をご紹介します。ご存知のとおり、松屋銀座店の屋上にあり、鎌倉時代から伝わるという不動明王像が祀られています。
龍光不動尊_R.JPG〝不動明王〟は密教の中心をなす大日如来の化身ともいわれ、仏教発祥のインドに由来を有する憤怒神です。また、こちらの仏様は、その名の読みに因んで〝りゅうこう〟(流行)にご利益があると喧伝され、いつしかファッション関係の方の参詣が増えたといいます。銀座の町ではなるほど腑に落ちる話です。 [写真1:龍光不動尊]


次は松屋と同じ並びの三越銀座店屋上の〔出世地蔵尊〕をご紹介します。
出世地蔵尊_R.JPG今は埋め立てられてしまっている〔三十間堀川〕から明治初年に掘り出され、「世に出た」ことから「出世」の名が献じられました。「誠意を尽くしてお願いすれば必ず通じる」と信じられ、多くの信仰を集めています。〝地蔵菩薩〟は「胎内の仏」を意味するサンスクリットの漢訳であり、人々を胎内に包む込むように救うとされています。日常のイメージは、何と言っても〝子どもの守り神〟ですね。 [写真2:出世地蔵尊]


もちろん、同じ百貨店の松坂屋銀座店屋上にも〔靏護稲荷神社〕(かくごいなり)があります。何と八丁神社には〝お稲荷様〟が7社も含まれているのです。古くは「江戸名物。伊勢屋、稲荷に犬の糞」というやや口汚い言い草がありました。


落語から知ったことですが、正確には「武士、鰹、大名小路、広小路、茶店、紫、火消し、錦絵。火事に喧嘩に中っ腹。伊勢屋、稲荷に犬の糞。」というそうです。当時の江戸の喧騒や雰囲気をよく表していると思います。〝稲荷〟が入っているのはあちらこちらの町内にお社があったんですね。ちなみに〝犬の糞〟が入っているのは「生類憐みの令」への揶揄ではないかとも言われています。

オータムギンザ2012_R.JPG


銀座一帯では今月27日から11月4日まで、恒例の「Autumn Ginza 2012」が催されます。この中のイベントの一環として『銀座八丁巡り』の〝開運スタンプラリー〟も11/1~4に受け付けます。この爽やかな季節に是非出かけてみませんか。

オータムギンザ2012 イベント
[写真3:オータムギンザ2012 パンフレット]


銀座通り夕景_R.JPG
さあ、そんなこんなで歩いているうちに、いつしか夕闇が迫ってきました。銀座通りが暮れなずんでいきます。


かつて『たそがれの銀座』という歌謡曲がありましたが、銀座って夜の似合う街なんでしょうか。


トワィライトに道行く人がふと落ち着きを見せ始める時間、こういう都会の風景もまた味わい深いなぁとぼくは思います。
[写真4:銀座4丁目から新橋方面を眺める]


ちょうど「Autumn Ginza 2012」が始まる今週末の27日は〝十三夜〟(旧暦9月13日)です。
和光の十三夜_R.JPG古来より、旧暦8月15日の〝十五夜〟とは別に、この夜のお月見を日本人は楽しんできました。〝十三夜〟は本家中国にはない日本独特の習慣だそうです。満月少し手前の月を〝名月〟として味わうなんて、風流ではないですか。微妙な〝美〟を大事にしてきた日本人の感性でしょう。

 

「秋の陽は釣瓶落とし」・・・夕景から夜景への変化を楽しみながらの〝銀ブラ〟を是非お試し下さい。素敵な風景に出会えることでしょう。 
[写真5:和光と十三夜の月(合成)]


今日の一句 ・・・
ツンデレの銀座仕込みの十三夜 moon1
  


 

 

区内寺社巡礼~第1番『寶田恵比壽神社』

[下町トム] 2012年10月17日 08:45

中央区の魅力をいろんな角度から探っていますが、今回は神社仏閣に注目し、その界隈の話題を中心にご紹介するシリーズを始めることにしました。


あわせて、「文化の秋」ですから、素人がその気になって〝吟行気分〟で訪ねたいと思います。あくまでも〝気分〟ですので、不出来な点は何卒ご容赦下さい。sweat01 


宝田恵比寿(1).JPGさて、第1番は『寶田恵比壽神社』(以下、「宝田恵比寿」と表記します)を選びました。
今度の週末(10月19・20日)はこの神社の祭礼である〝ゑびす講〟が催されますが、どちらかというと同時に参道で開催される〝べったら市〟のほうがよく知られているかもしれません。


〝べったら市〟で売られる名物の〝べったら漬け〟は大根の麹漬ですが、ほんのり甘くて季節感を感じる食べ物です。中央区観光協会の推奨名産品にも指定されています。delicious 

宝田恵比寿(2).JPGそもそも、宝田恵比寿神社は江戸城の拡張に際して、旧・宝田村から移住してきた住民たちが自らの鎮守様を祭ったのが始まりです。もとの宝田村は今の千代田区役所付近に在ったそうです。このときに、家康公の三河以来の家来であった馬込勘解由という武士が徳川家由来の恵比寿様を神社に安置したということです。


勘解由.JPG馬込勘解由はこの一帯の土地を支配しただけではなく、三伝馬取締役という役職を務めました。大伝馬町という地名はこの役職に由来しています。伝馬とは当時の交通・文書を司る役所であり、江戸だけではなく各地の要所に置かれたものです。神社の近くにその由緒を記述した説明版が設置されています。pencil 


この日は祭礼を控えて準備が進んでいるところでした。今から祭礼当日の賑わいが目に浮かびます。お参りを済ませて、名物のべったら漬けをお土産に帰る人が参道にあふれることでしょう。


べったら市の夜.jpgぼくの場合は、参詣の後に人形町もしくは室町あたりへ歩いて旨いものを食べたり、ちょっと一杯ひっかけるのが楽しみとなっています。それじゃ、どっちが目的か分からないですね。

何年か前の夕景の様子を載せておきます。 秋の爽やかな風と夕方の淡い色彩の中で気分もリラックスし、まっすぐはなかなか帰れないものです。でも、中央区はどこにも魅力ある町があるので、寄り道してしまうのはしかたないですね。shoe 


image恵比寿.jpg〝ゑびす様〟は商売繁盛、家族繁栄、日伏せにご利益があると言われています。七福神のなかで唯一日本古来の神様です。(その他はインド・中国からの渡来)原初は海の神様であり、海の向こうからやってくるものへの畏怖や敬意から神格化したのではないかという説もあるようです。


上方では正月の〝えべっさん〟が有名ですが、東京では秋の〝ゑびす講〟が最も賑やかです。もちろん12月の〝しまいゑびす〟や正月の〝初ゑびす〟も大切な縁日ですよ。up 

帰りの楽しみも含めて、皆さんも是非お出かけ下さい。

 

では、一句。
 『宵酒や べったら市の 波の果て』bottle 

 

 

続きを読む: 区内寺社巡礼~第1番『寶田恵比壽神社』

 

月島七不思議~第7話「路地と下町風情」(最終回)

[下町トム] 2012年10月13日 08:45

 

これまで〔月島〕の魅力を様々な切り口から捉えてきましたが、今回でひとまず最終回とします。

 

最後はやっぱり、この町の魅力とも言うべき路地の風景に注目します。house


20120725月島路地(2).jpg

月島には昔懐かしい路地が大通りに直角の形で櫛のように並行に走っています。かつて住宅街を形成するときに、効率よくより多くの住宅を建てられるようにした先人の工夫かと思います。

 

1918(大正7)年に当時の内務省が東京の労働者の住宅事情を調査したことがあり、月島が対象地域に選ばれました。俗に「月島調査」と呼ばれています。

その当時の地図を見ると、路地ごとに細かく住宅が密集しているのが分かります。結局その姿は基本的にその後も継承され、現在に至っています。search 

 

月島は奇跡的に戦災を免れました。石川島の造船所は被災しましたが、運河に囲まれた月島地地域は戦火を逃れることができたため、戦後も古い長屋の風景が残されたのです。

 

20120829月島(5).jpg

今も月島を歩いていると、昭和30年代の姿そのままの町景色に出会えるので、何だか懐かしくなってきます。そんなたたずまいが、訪れる人の懐旧の思いを刺激するのでしょう。 crying 

 

 

 

 20120829月島(1).jpg月島の路地の特徴としては次のような点が挙げられるでしょう。

(1)昔の町割がそのまま残されている。(住宅は建て替えが進んできているが、路地の位置・構成はそのままであることが多い)

(2)路地の真ん中には雨水を排水する溝が設けられている。(江戸期の割下水的な発想かと思われる)

(3)多くの家庭が玄関先に植栽などを設け、独自の小さなガーデニングを施している。(自然発生的な緑化運動)

(4)路地には住宅だけではなく、飲食店もところどころにあり、地域の食のネットワークを支えている。(食と住の融合)

月島の路地では、時々知り合いに会います。そんな時、ごく自然に声をかけてくださるので、とてもフレンドリーです。いまだに家族的な付き合いが残っているんですね。heart04 

 

 

20120829月島(4).jpg

 しかし、この町もだんだん変わりつつあります。 

 かつての長屋群の多くがマンションに変貌しました。〝向こう三軒両隣〟という付き合い方も変化します。

 新しい時代には新しいコミュニティーが生まれるのは当然ですが、月島の持つ人間性豊かな地域特性は残してほしいと願うばかりです。

 

 月島の町内には「誰か見てるゾ」というポスターがあちこちに貼られています。もちろん防犯のために抑止力を狙っていますが、ぼくは実際に「誰か見てる」と思うのです。つまり、地域住民がお互いの安否を心配しあい、怪しいことがあると注意しあって安全を守るというセーフティーガードが働いていると思うのです。本来、地域社会が当たり前に担っていた防犯の力を残している町です。shadow 

 

20120725月島ポスター.jpg

これからの時代、もう一度このような地域の力を見直すべきではないでしょうか。防犯だけではなく、災害時の助け合いなど、いざという時に自助・共助の力を発揮できる町こそ〝強い町〟ではないでしょうか。

 

様々な魅力をもつ月島の町は時代の流れとともに徐々に変化しながらも大事なものを受け継いでいます。この町の魅力が続きますようにと祈りながら、このシリーズをひとまず終了とします。お読みいただいてありがとうございました。t-shirt 


 

 

続きを読む: 月島七不思議~第7話「路地と下町風情」(最終回)

 

月島七不思議~第6話「もんじゃの町で」

[下町トム] 2012年10月 4日 09:00

さあ、今や「月島といえばもんじゃ」というくらいの地域の代名詞ともなった〝もんじゃ焼〟について、思いをこめて紹介します。

 

201209 もんじゃ「けい」 出来上がり_R.JPG〝もんじゃ焼〟は、とても簡単な料理ですが、作り方次第で味も食感も変わるので、決して手は抜けません。

都会で育った〝庶民グルメ〟といっていいでしょう。その由緒については、既に多くの情報があらゆるメディアを通じて紹介されていますので、簡単に振り返りたいと思います。pencil 

 

 

好美家.JPGご存知のように、〝もんじゃ焼〟とは、そもそも駄菓子屋の店先などで小麦粉を溶いて鉄板に薄く広げたものに、削り節や簡単な具を載せてぐるぐるかき回して焼いたものです。文字を書くように混ぜたのでいつの頃からか〝文字焼〟と呼ばれるようになり、やがて転訛して〝もんじゃ焼〟となったというのが定説です。

 

 

近どう_R.JPG月島以外にも浅草や千住あたりでも同様の食べ物はあったようですが、どういうわけか月島が有名になりました。おそらく、戦前戦後と工場が多く、労働で疲れた体に少し濃い目のソース味が馴染んだこともあったでしょう。さらに比較的戦後早く専門店が営業し始めたことも月島の知名度を上げたのではないでしょうか。up 

 

 

上州屋_R.JPG〔好美家〕さんが昭和29年に開業されたのが〝元祖〟と言われていますが、それ以前にも〝もんじゃ焼〟自体はいくつかの店で提供されていたようです。昭和25年創業の〔近どう〕さんも、〝元祖〟のひとつといっていいでしょう。〝百円もんじゃ〟として往年の姿を継承している〔上州屋〕さんも古いお店です。

しかし、何と言っても、平成に入った頃からテレビや雑誌で紹介される機会が増え、一気に存在感を増しました。かつて数えるほどだった専門店も大幅に増えました。もともとほかの商売をしていた店が衣替えしたり、脱サラで開業した人もいらっしゃいます。初めて来た人は、どの店に入ろうかと迷うのは無理がありません。sign02 

 

あんこ巻きシューアイス_R.JPGぼくの友人で、もんじゃ店〔けい〕を経営する片岡和秀さんに話を聞きました。「競争の激しい商売なのでどうやって特徴を出すか考えました。そこで、〝海鮮〟を売りにすることと、新鮮な具材を提供することをアピールしたんです」とのこと。

さらにぼくたちの共通の友人で特許事務所に勤める人が居るのですが、オリジナルメニューの〝あんこ巻きシューアイス〟を実用新案として登録するよう薦められ、実際に認可されました。もし訪れる機会があれば、店内に掲示してあるので、一度ご覧下さい。memo 

 

201209 もんじゃ「けい」 実用新案_R.JPGほかにもそれぞれ店が工夫を凝らして、お店のオリジナリティーを競っています。味もさることながら、店のデザインや店主の人柄など、各々の好みにあわせてお店選びをするのも楽しいものです。

 

もしかしたら、新しい具材の組み合わせを考えてお店に提案することだってできるでしょう。秋の夕べ、香ばしいソースの香りに誘われて、月島のアメージングタウンに是非お越し下さい。cancer 


 

続きを読む: 月島七不思議~第6話「もんじゃの町で」

 
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