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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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自然が語る写真展

[下町トム] 2012年11月28日 09:00

から冬への移行期、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。maple

ぼくの好きな銀座の町は、歳末セールを控えて静かにたたずんでいるようでもあり、冬の訪れに対して身構えているようでもあり、やっぱり魅力的な町であることに変わりありません。

ニコンプラザ201211 (1)_R.JPG


銀座7丁目にある〔銀座ニコンサロン〕では、個性的な写真作家の個展などを精力的に開催しています。
写真という芸術は「一瞬を切り取る」ということでいうと絵画の表現力と俳句の写実性を兼ね備えた総合芸術のようにも思えます。camera 


ニコンプラザ201211 (0)_R.JPG

今、このサロンでは『比嘉良治写真展』が12月4日まで開催されています。
比嘉さんは沖縄出身で若くして渡米し、今はニューヨーク在住のすばらしい写真家です。
ぼくは、観光特派員1期生の〝坂の上のねこ〟さんに紹介されて早速訪ねてきました。


〔銀座ニコンサロン〕は〔銀座松坂屋〕の横手を入ったところにあり、写真やカメラを愛する人たちが足しげく通うスポットです。今回の比嘉さんの写真展は「ちらがー 沖縄の素肌」というタイトルで、主に沖縄の自然の造形を独特の視点で捉えた作品がいくつも展示されています。岩や崖、植物など、さりげない風景の中に自然への愛情と敬意が溢れているように思えます。「無言だけど雄弁」とはこういうことを言うのでしょうか。upwardright 

 ニコンプラザ201211 (2)_R.JPG

 ちなみに、〝ちらがー〟とは琉球方言で〝面の皮〟ということで、主に豚の顔の皮を指すそうです。沖縄の生の姿を伝えたいという作者の思いがこめられているのかもしれません。


サロンは入場無料ですので、銀座までお出かけの節には是非お立ち寄り下さい。


ファインダーを通じて交流する自然との会話を感じることができると思います。impact 


 

 

区内寺社巡礼~第4番『水天宮』

[下町トム] 2012年11月13日 08:00

中央区の寺社を訪ね、下手な俳句を吟じながら散策を楽しむシリーズを掲載させていただいています。今回は第4番の参詣先として『水天宮』を選びました。

 

水天宮正面_R.JPGご存知のとおり、『水天宮』は子授け、安産、子育ての神様として信仰を集めています。そもそもは、九州・久留米を本拠とする有馬家が屋敷の中で祀っていたものです。久留米の本社と同様に、わが国の原始の神である天之御中主神(あめのみなかのぬしのかみ)のほか三柱を祭神としてしています。

有馬家が久留米で崇敬していた『水天宮』の分社を、1818(文政元)年に当時の江戸上屋敷(現在の港区三田付近)に勧請したのが、江戸での歴史の始まりです。藩邸内にあったのにもかかわらず庶民の信仰があまりにも高まったため、月に一度だけ邸内への参詣を認めたところから一層人気が沸騰したと言われています。当時の地口(洒落言葉)に「情け有馬の水天宮」というのが残っているほどです。lovely 

水天宮鳥居_R.JPG明治になって、二転し、現在の蛎殻町にあった有馬家江戸中屋敷跡地に移ってきました。近くには人形町の繁華街もあり、お参りする人は減ることはありませんでした。ちなみに、元の有馬家江戸上屋敷から神霊を遷す際に、地元に分霊したため、今でも三田にある元神明宮に相殿として『水天宮』が祀られています。

 

ちなみに、久留米藩の有馬氏というのはもとは摂津国有馬郡を所領としたところからその名を冠しました。有名な神戸の有馬温泉のあるところです。また、水天宮のすぐそばにある〔中央区立有馬小学校〕も、明治維新のときの有馬家12代当主・頼咸氏の寄附によ創設されたことが校名の由来です。さらに、有馬家といえば想いだすのは、政治家としても活躍した15台当主・頼寧氏です。競馬のグランプリ〝有馬記念〟に名を残しています。そんな様々な縁を連想しました。horse 

 

さて、秋の晴れた休日に『水天宮』にお参りしてみると、この時季は七五三詣やお宮参りの親子の姿が多く見られます。最近は少子高齢化を反映して両親のそのまた両親も付き添って、小さな子どもを囲む団体さんのようになっているグループもあります。いつも以上に笑顔が溢れる様子にはこちらも微笑ましくなります。chick 

 

 

水天宮の犬_R.JPG 水天宮の河童_R.JPG階段を登って鳥居をくぐるとすぐに本殿です。心静かに手を合わせます。ふと社殿の傍らを見ると、犬の像や河童の像があり、子どもたちの成長を見守っています。犬は多産・安産であることから昔から子どもを産む人の守り神のように慕われてきました。「戌の日」に腹帯を締めるというのが古来からの風習です。河童も安産・子育てに福を授けるとされています。子どもたちの無邪気なはしゃぎ声を聞いていると、「この世の中が平和でありますように」と祈らずにはいられません。dog 

 

小まつやさん_R.JPG境内を出て、大通りに出ると神社の階下に古くからの駄菓子屋さん〔小まつや〕さんがあります。何でも大正13年から営業されているそうです。もともと参詣客相手に練り飴などを売っていたといいますが、やがて七五三の季節には〝千歳飴〟を売り出すようになったようです。

ちなみに、〝七五三〟はもともと館林藩主だった徳川綱吉(後の5代将軍)が息子の5歳のときに健康を祝って始めたというのが通説です。したがって関東中心の風習でしたが、明治以降徐々に全国に広がったといいます。今では、子どものファッションショーのように派手に行う向きもありますが、やっぱり形よりも、素朴に子どもの成長を祈る親の気持ちが大事ではないでしょうか。sign03 

 

往く秋を惜しみながら、穏やかに過ごした一日でした。

・・・・・ 一族の夢にべべ着す七五三

 

 

区内寺社巡礼~第3番『カトリック築地教会』

[下町トム] 2012年11月 1日 09:00

中央区の聖地を巡り、吟行を兼ねて散策を楽しむシリーズの第3弾です。


今回は趣向を変えて、明石町にある〔カトリック築地教会〕を訪ねてみました。 

築地協会2012秋_R.JPGとある秋の日にこの教会を訪れると、緑の木々に囲まれて、穏やかな佇まいを見せてくれました。

明治維新の後、キリスト教布教のために来日した神父たちがはじめは稲荷橋近くの商家を借りて仮の教会としたところから歴史が始まります。その後、日本では長崎、横浜に次いで、1874(明治7)年に、聖堂が創建されました。


築地協会の正面_R.JPG

ところが、この最初の聖堂は関東大震災で消失したため、1927(昭和2)年に改めて建てられたのが現在の聖堂です。一見石造りに見えますが、実は木造モルタル造りだそうです。

パルテノン神殿に見られる古代ギリシアの建築様式「ドーリア式」(ドリス式ともいう)に拠っており、正面には6本の柱が存在感豊かに並んでいます。聞くところによると、パリの〔聖マグダレナ教会〕(仏語では、聖マドレーヌ教会)を参考にしたといいます。

昨夏、ぼくはパリを訪れた際に、〔聖マグダレナ教会〕にも立ち寄ってみましたが、なるほどよく似ています。パリの中心部と同様に、東京の真ん中である中央区に由緒ある教会があることは誇りに思います。


築地の鐘.jpg

教会内部には、1876(明治9)年にフランスで鋳造されたという銅製洋鐘があり、〝江戸のジャンヌ・ルイーズ〟として親しまれています。なお、聖堂は東京都選定歴史的建造物ならびに、洋鐘とともに中央区の区民有形文化財にも指定されています。


聖堂の影が静かな雰囲気の中で庭に伸びています。周りの緑に溶け込んで、心が安らぐ空間です。

あかつき公園2012秋_R.JPGさて、教会から少し歩くと〔あかつき公園〕があります。地域のイベントにもよく使われるこの公園は地元の憩いの場所でもあります。園内には季節の草花が植えられており、訪れる人にアクセントを与え、風景に彩を添えてくれています。

親子連れやお年寄りはもちろん、ビジネスマンが一息つく場所としても活用されているようです。


折峰ベーカリー_R.JPGさらに築地市場方面に歩くと〔折峰ベーカーズ〕というしゃれたお店があります。ぼくのお気に入りのパン屋さんです。味は折り紙つきです。全粒粉のオーソドックスなものから、様々な工夫のある菓子パンまで、ラインナップも豊富です。

 

明治以来のエキゾチックな雰囲気を残す明石町界隈は休日の散歩におすすめです。秋の爽やかな空気の中、ゆっくりと歩いてみてはいかがでしょうか。

 

最後に今日の一句。

聖堂の柱の襞の秋深し


 

 
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