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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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現地集合・現地解散のツアー

[小江戸板橋] 2017年9月29日 14:00

今、密かなブームとなっている旅行スタイルが、「現地集合現地解散の徒歩でめぐる日帰り旅行」です。

専門のガイドや専属講師が同行し、名所旧跡から最新スポットまで、とっておきの話、裏話などを伝えてくれます。

街歩き、建物めぐり、社会科見学、歴史散策など、テーマに合わせて多彩なコースが設定されています。

手ぶらで参加できる気軽さが好まれて、大手の旅行会社も、多くのコースを企画しています。

 

中央区は交通網が広く行き届いていることから、現地集合には都合のよいエリアです。

東京を代表するショッピングエリアや、重要文化財に指定されている建造物、歴史的な出来事を物語る場所などが、徒歩圏内にたくさん集まっています。

江戸の味を伝える老舗や話題の名店があることも魅力です。

参加者の目も口も満足させてくれるのですから、楽しいツアーが組めますよね。

 

先日、旅行会社設定の日本橋・人形町コースツアーに参加してきました。

地元の名物食事と専門ガイドさんの話がメインの街歩きです。

結構な距離を歩くんですよ。

「ほう、この位置からは、こんな景色が見えるのか。」

「なかなか見つからなかった説明板は、こんなところにあったのか。」

普段なら通り過ぎてしまう場所も、ベテランのガイドさんは、独自の視点からスポットライトを当てていきます。

街並み、建物、路地裏、住民の営みの様子、今後の開発の青写真まで、興味深い見方を示してくれました。

次の日、誰かに話したくなるような話題がぞくぞく。

参加者の中に、古い建物に興味のある人がいると分かれば、絶妙の撮影ポイントを示してくれます。

十数人のツアーですので、参加者全員の進行に気を配り、話が通る場所を選びながら誘導していました。

 

観光特派員になると、中央区内のガイドを行う機会も付いてくるんです。

その折には、事前の情報収集や現地の下調べを行い、本番の案内に臨みます。

真近にプロが行うガイドを見ることも、効果的な準備です。

プロの技術の中に、自分が活用できそうな手法があれば、いただいてしまいましょう。

ありがとうございました。

 

 

 

日本一の「福の酒」

[小江戸板橋] 2017年8月28日 09:00

「日本酒を飲む女性のイメージは」

そうだな、和服が似合う女性。目元涼やかでね。

そして、仕事のできるキャリアウーマン。

億単位の数字なんかをさらりと使いこなす様な。

いずれも、きりっとした辛口の印象だ。

そんな人が仕事終わりには、絶対にカシスオレンジではなくて、

大吟醸を「もっきり」でやっている姿を目にすると、キュンとなってしまう。

独断だが、かつて日本酒は、仕事の憂さをはらす酔うための道具であった。

それが、今や日本酒はできる女性のアイテムに変化している。

確かに近年の日本酒は、格段に美味くなった。

飲み口の軽やかさ。芳醇な香り。

日本酒をたしなむ女性を、より華やかに演出してくれる。

女性が酒のトレンドを先取りしているとさえ言われる。

 

では、「どの日本酒がうまいのか」

これは、もう先に言ってしまおう。

今飲んでいるやつが一番だ。

百の酒あれば、百の美味さがある。

千の肴があれば、千の広がりになる。

十の人がいれば、十の生き様がある。

ひとりの時ですら、酒は美味くも、辛くも、苦くも感じられる。

 

うまい酒に出会うための道しるべとなるのが、「全国新酒鑑評会」の金賞だろう。

今年、都道府県別の金賞受賞数で、5年連続日本一になったのが福島県である。

日本酒は、良い米、良い水、良い風土に支えられ、蔵元と杜氏の精進によって生み出される。

必ずしもビッグネームが鑑評会に出品しているわけではない。

が、真摯に、頑なに酒造りに向き合ってきた地域だということは、間違いなく言えるだろう。

福島県の金賞受賞数は、22銘柄。

それを片っ端から飲むとしても、相当な労力が必要となる。

 

日本橋室町4-3-16にある、日本橋ふくしま館MIDETTE。

ここの日本酒のコーナーは充実している。

大きな保存庫を備えており、中で一本一本が大切に出番を待っている。

今週の飲み比べセットが、500円で提供されている。

ガラスの酒器に3銘柄が並ぶのだが、味の違いを楽しむにはもってこいである。

イートインの福島の食をつまみにするのも、面白い。

 

日本一のふくしまの酒『福の酒』として、福島県は県産の日本酒を取り扱っている、23区内の飲食店マップを公開している。

宣伝広告活動の下手な福島にしては、なかなかの快挙である。

ファーストクラスの機内酒として用いられたり、様々な国際会議時の酒として選定されたり、その実力は確固としたものになっている。

 

私は「福の酒」を痛感している。

初めて、妻の両親を訪ねたとき、

「挨拶はもういい。まず飲め。」

剣道教士の義父が酒を進めた。

私も体育会で生活し、「仕事ができるやつは、酒も飲める」という理不尽な職場風土で生きてきた。

なに、こんなおやじに負けるものかと気を込めて、居住まいを正し、杯を受けた。

人生の中で、最も飲んだときだった。

「おう」「いただきます」「どうぞ」「おう」というテンポで、

前のめりに、泳ぐように、のどに流し込んだ。

徳利が一升瓶に、猪口がグラスに変わっていった。

ヘビー級とフライ級のウェイトの差は、瓶を空けるごとにでてきた。

胃の中がひっくり返って、暴れ出した。

 

戦国末期、黒田家家臣の母里太兵衛は、福島正則との酒比べで、

名槍「日本号」を呑み取ったという。

私もまた、ぶざまな姿ではあったが、義父の「娘を頼む」という言葉とともに婚約が成った。

空になった数本の酒瓶にはいずれも、福島の会津のラベルが貼られていた。

あたたかい「おもてなし」だった。

私の「福の酒」になった。

 

 

月島草市の現地リポート

[小江戸板橋] 2017年7月12日 14:00

私は、今、中央区月島の西仲通り商店街に来ています。

月島と言えば、もんじゃですね。

その「もんじゃストリート」と名付けられているエリアです。

 

7月8日・9日の土日2日間に渡り、「月島草市」が開かれているんです。

東京メトロ有楽町線の7番出口から地上に出てきました。

まずは、通り左手にある「月島もんじゃ振興会」で、地図をいただきましょう。

三角屋根のアーケードが西仲通りです。

今日は両側に露店が並び、先が見えないくらい続いています。

この賑わい、気分が盛り上がってきますね。

さあ、通りに入っていきましょう。

 

熱い、熱い。 熱が渦巻いているようです。

右側の焼きそばの鉄板から放射される熱。左側の焼き鳥を焼く火力。

焼き手のお兄さんも、タオルで汗をぬぐっています。

 

何でも焼いていますね。

焼きそば、焼き鳥、ステーキ、チキン。

いか丸、いかゲソ、たこ焼き、ソーセージ。

まだまだあります。

カジキ焼きに目玉焼き乗せ、特大ホタテに、磯部焼き、焼きトウモロコシ。

 

何でも串に刺していますよ。

冷やしきゅうり、カットパイン、チョコバナナ。

牛串、たん塩串、串から揚げ。

さつま芋ステックに串ハムカツ、ジャンボフランク。

 

何でも釣れちゃうんです。

金魚、ヨーヨー、スーパーボール。

 

「ほらーっ、見てみて。」と

口を大きく開けて、青くなった舌を得意げに見せている男の子。

かき氷のシロップ、ブルーハワイでしょうか。

「ぼくのは赤だよ。」

火を吐いている怪獣のように、力強くポーズをとります。

新感覚の飲み物やスイーツの店も出ています。

 

「ねえ、パパ」っと、私の足に絡み付いてくる子がいます。

「そっちにいる人がパパかな。」

ハッと気づいて、ほんとのパパのところへ飛んでいきました。

 

幼いお姉ちゃんが、妹の小さな手をしっかり握って歩いています。

私が守るという決意が、握った手の強さに現れています。

 

月島の草市は、お盆用品を買いそろえるための市として続いてきたのですが、肝心のお盆用品は・・。

あっ、ありました。

花屋さんと雑貨店の前に並んでいましたよ。

おがら、ほうろく、ほおずき、提灯、牛馬の飾り。

テレビカメラが、そのお盆飾りのコーナーを映しています。

番組的には、草市の由来を押さえておきたいものですよね。

でも、今や月島草市は、子供たちの煌めくエンターティメントになっているんです。

 

小学生の女子が、浴衣姿で縁台に座っています。

髪をアップにして、リボンを付け、帯をきれいに結んでいます。

通りがかった男子たちが、ざわついています。

いつもと違う同級生の姿が、まぶしいようです。

女子はちらっと視線を向けただけで、相手にしません。

男女の成長の差が、はっきり垣間見られた瞬間です。

 

市の華やぎを楽しんでいるのは、子供たちばかりではありません。

ママ友同士、缶ビールを手に、歩く姿も見られます。

 

四番街を抜けると、高層マンション群が続きます。

今日の主役の子供たちの住まいでしょうか。

中央区の人口増加に大きく貢献しているエリアです。

 

日中の強烈な陽射しに火照った肌を、川風が優しくなでていきます。

月島草市の現場からのリポートでした。

 

 

 

担ぎ手1000人の大獅子、進発!

[小江戸板橋] 2017年6月13日 18:00

いよーっ、シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン。

頭の拍子木に合わせて、一本締めが行われると、

ピーンと緊張感が周囲を包みます。

いよいよ、大獅子の繰り出しです。

 

築地波除稲荷神社の夏越し大祭、つきじ獅子祭。

獅子頭の渡御際は、6月11日日曜日に行われました。

青々とした枝垂れ銀杏を背景に、鳥居の下を進発する獅子頭は、勇壮そのもの。

錦の幟も見えています。

「疫病除 為朝公」の幟も高く翻ります。

 

先頭を進むのは、元宮の高張提灯。

三方に犬、猿、雉の幕を掛けた桃太郎人形の囃子屋台では、緩急をつけた築地囃子が奏でられます。

弁財天お歯黒獅子は、女性が担ぎ手です。

ソレソレソレ。手拍子に合わせて進みます。

手ぬぐい鉢巻、法被、地下足袋と担ぎ手ファッションに身を包んだ女の子が、ぴょんぴょん飛び跳ねています。

この娘は十数年後には、きっと担ぎ棒の先頭にしがみついて跳ねているでしょうね。

 

そして、厄除天井大獅子の進行です。

オイッサ、ヨイサ、オイッサ、ヨイサ。

笛と手拍子の勢いをうけて、担ぎ棒を含めると2トン近い重量が動きます。

見物人の肩にも、その重さが感じられるくらい。

いつも神社の拝殿に向かい右手の獅子殿に鎮まっている大獅子が、揃いの祭り半纏に身を固めた男たちのうねりに乗って、通りを揺れていきます。

前後、左右、上下に振れると、歓声がグォッと沸き起こります。

 

東京のど真ん中に位置する中央区。

意外にも四季折々に、祭りや年中行事が数多く伝わっています。

中でも「つきじ獅子祭」は、区民が誇りに思い、催行を楽しみにしている行事のひとつです。

理由をいくつか挙げてみましょう。

区内に鎮座する、築地・波除神社のお祭りであること。

災難除け、商売繁盛、工事安全などの御神徳があらたかであること。

獅子祭は、江戸時代から続く行事であること。

巨大な獅子頭を担ぎあげて、築地界隈を巡行すること。

地元築地をはじめとする担ぎ手の熱気と相まって、獅子の威容が益々高まり、見物する人々にも伝播して気分が高揚すること。

 

大祭期間中、神社境内の神輿庫は開かれており、江戸神輿の最高峰といわれる千貫神輿を間近に見ることができました。

築地場外で買い物、食べ歩きをしていた海外からの観光客も、しきりにカメラを向けて異国の祭りを楽しんでいました。

担ぎ手さえも、外国の方が何名もいましたよ。

梅雨に入った東京の雨雲を突き破り、陽射しを呼び込む勢いに満ちた光景でした。

 

 

ピカピカの白バイ隊員に変身!!

[小江戸板橋] 2017年5月23日 09:00

交通機動隊のヘルメット、制服、ライダーブーツ。

どれもピカピカに輝いています。

びしっと着替えて白バイに跨れば、気分はもう立派な子供隊員です。

ハンドルにほぼぶら下がっているような態勢なのですが、

口でブルブル、ブルルンとエンジン音を響かせて、

緊急出動していきます。

 

パパもママも「うちの子最高」と、スマホで連写を繰り返します。

制服は、ほかに女性隊員や警察官のものがあります。

着替えスペースが完備しているので、快適に変身できます。

 

 

今年4月29日に、ポリスミュージアム(警察博物館)がリニューアル・オープンしました。

場所は、京橋3丁目5番1号。

中央通りに面して、東京スクエアガーデンの向かい側。高速道路の手前。

 

建物の外観に、POLICE MUSEUMという文字と、警察のシンボルマールである旭日章が浮かび上がっています。

展示内容がどのように変わったのか興味がありました。

1階から5階までの展示フロアーは、とても明るくなりました。

 

1階には実際に使われていた警察車両が展示されています。

子供の制服試着コーナーもこの階にあり、「ピーポくんホール」と名付けられていました。

 

2階には街のジオラマが設けてあり、防犯に関する体験ができます。

ゲーム感覚で参加でき、夢中になってしまいます。

 

3階、4階、5階と回ると、警察の歴史から、未来を見据えた活動に至るまで知ることができます。

指紋採取のコーナーでは、刑事ドラマの鑑識官の仕事が体験できます。

器具を使って丁寧に作業をする姿は、まるで化学実験のようです。

 

5階の警察の歩みコーナーには、近代警察制度を構築し「日本警察の父」と呼ばれる、川路利良(かわじとしよし)大警視に関する資料が展示されていました。

司馬遼太郎や山田風太郎の小説を通して知る程度なのですが、各種の資料から明治初期の息吹が伝わってきます。

 

 

ところで、ピーポくんって単なるゆるキャラと思っていましたが、ちゃんと職業に就いているんです。

5階に警視庁に関連する歌を集めた「ミュージックBOX」があるのですが、その中の「ピーポくんの歌」をヘッドホンで聞きました。

「ピーポ、ピーポ、ピーポくん、警察官だよ。」

??! ちょっと、こわいな。

 

 

 

お馬さんの歯ブラシ

[小江戸板橋] 2017年4月24日 09:00

歯ぐきに当たるヘッド(植毛部)の感覚が心地よい。

これがお馬さんの尾っぽの毛なの?

尾っぽといえば、うるさいハエをぴしゃりと打ち据える、しなやかな強さ。

そのイメージをくつがえす、繊細な柔らかさだ。

動物の毛は、刷毛や洋服ブラシに使われる。

肌に触れるものは、整髪ブラシや化粧刷毛までかな。

口の中に入れる歯ブラシの素材としては、これまで馴染みはなかった。

使ってみると、シャキシャキと磨けて、歯の表面がつるつるになった気がする。

※ これは個人的な感想です。

 

日本橋大伝馬町2丁目16番地に、刷毛・ブラシ専門店の「江戸屋」さんがあります。

中央区まちかど展示館巡りを楽しみに、開館している平日に、「江戸屋所蔵刷毛ブラシ展示館」を訪ねました。

大伝馬町通りに面した店舗の外観までも、目を細めて見ると、刷毛の形に見えてきます。

この建物、国の登録有形文化財に指定されているのです。

 

店内に入ると、左右のショーケースには、都指定の伝統工芸品となっている「江戸刷毛」や、刷毛・ブラシに関する資料が展示されていました。

店の方に声掛けすると、ケースからいくつかを取り出して、触れさせていただきました。

「この中で一番古いものは、この漆刷毛です。

漆器を作る過程で、漆を木地に塗るための必需品です。

女性の髪の毛でできているんですよ。」

時代劇などで、自らの黒髪を売って家計をやりくりする、けなげな妻の姿が描かれますが、その黒髪はかつらの材料だけでなく、刷毛の素材としても活かされていたのですね。

「ブラシは、柄に毛束を植える製法で、明治期以降に広まりました。

刷毛は、毛を板ではさんで製作します。」

説明を受けながら実物を見ると、なるほど違いがよく分かりました。

 

江戸屋さんは、享保3年(1716年)の創業だそうです。

その屋号も、将軍家お抱えの刷毛師だったご先祖が、将軍家から賜ったものとか。

享保年間といえば、8代将軍徳川吉宗公の時世ではないですか。

創業以来、ちょうど300年を数える老舗なのです。

江戸刷毛は、天然の素材を用い、職人さんの丁寧な手仕事から生み出されます。

その作品を、暮らしの中で日常使いにできる贅沢さ。

 

天井に、刷毛やブラシの材料となる幾種類もの毛の束が吊るしてありました。

きっと、思いもよらないめずらしい素材もあるのでしょう。

次は妻と来ますので、また教えてください。

 

 
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