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第90回記念 東をどり

[杏葉牡丹] 2014年5月29日 14:00

毎年恒例の新橋の芸者衆による「東をどり」が、5月24日~27日まで、新橋演舞場で行われました。

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料亭や見番・置屋等が銀座や築地周辺にあるのに、なぜ「新橋花柳界」というのかは、以前にご紹介しましたが、もともと新橋芸者の技芸向上を披露する場として建てられた「新橋演舞場」で、第1回の公演が行われたのは大正14年。

それから数えて、今年は90回目の記念公演となるということで、私も久しぶりに観にいってきました。

 

まずは劇場の玄関を入ると、すぐ正面に「東をどり」の提灯が華やかに飾られています。

ロビーには、いつにも増して着物姿の方が目立ち、料亭の女将さんらしき方が、あちらこちらでご挨拶をしていらっしゃいます。

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左手奥には、特設の「さ・か・す(酒・菓子・鮨)売場」のコーナーがあって、飲み物や東をどり限定のお菓子に、料亭それぞれで味付けの違うお弁当等が販売されています。

 

反対側のエスカレーター前の売店では、やはり限定のお菓子やグッズを販売。

ちょうどCD位の大きさに、芸者衆の写真が印刷されたパッケージのチョコレート等もありました。

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2階に上がれば、芸者衆の名前の千社札や団扇、扇子等の販売、日本酒の枡売り、ドン・ペリニヨンのグラス販売のコーナーもあります。 

普段は食堂になっている場所は、お茶席になっています。

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あちこち見ているうちに、開演5分前のブザーが鳴ったので、とりあえずは客席に急ぎます。

 

東京オリンピック招致のプレゼンで流行語にもなった「おもてなし」。

様々なところで見直されている日本のおもてなしの伝統ですが、その究極とも言える花柳界。

そんな中でもトップクラスの、新橋花柳界の雰囲気が味わえるとあって、客席は満員です。

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まずは幕が開いたとたんに、その艶やかさにホーッというため息が、場内に広がります。

 

ベテラン芸者衆5人が「青海波」を格調高く舞いますが、清元や三味線の地方さんたちも、もちろん芸者衆です。

 

 

目出度く舞い納めて幕が下りれば、30分の休憩。

とは言ってものんびりはしていられません。

なにしろ、この劇場を料亭に見立てて、休憩時間にお楽しみいただけるように、様々な趣向が凝らされているのです。

 

ck1203_20140528 (7).jpgとりあえずは売店に行って、プログラムを購入。

90周年記念らしく、金地に朱色で「東をどり」と題字が入り、上に藤の花が金で箔押しされています。

華美にならず、さりげない所に贅を尽くす粋さが、いかにも「新橋」という感じのデザインです。

ちなみに、第68回の表紙は、橋本明治による、伝説の名妓まり千代像です。

また、題字の「東をどり」は、料亭「金田中」の先々代のご主人によるもの。

そして、街中に貼られている赤いビラの「東をどり」の文字は、同じく「金田中」の先代のご主人によるものだそうです。

 

そして売店で発見したのは、絵札も取り札も新橋芸者衆の手になる「芸者かるた」。

とても雰囲気があり、めったに手に入らない物なので、早速購入しました。

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グッズ売場には、鬘に衣装をつけた芸者さんもいて、皆さんの記念撮影の依頼に気軽に答えていらっしゃいました。

 

お茶席では、正装の芸者さんの御点前を拝見しながら、お薄と虎屋のお菓子をいただけますが、こちらは順番待ちの長蛇の列でした。

 

他にも沢山のコーナーがあるのですが、そうこうしているうちに、あっという間に次の幕の時間になってしまいます。

 

ck1203_20140528 (3).jpg二幕目は四場に分かれた「にっぽんの四季」。

春の「醍醐の花見」では、芸者姿ではなく、秀吉・北の政所・淀君・千姫に扮装して登場。

夏の「滝の白糸」では、本物の水を使って見事な水芸が披露されます。

秋は「陸奥の旅」と題して、東北への想いを込めて、大漁唄い込み、会津磐梯山等の民謡の群踊です。

冬の「夜の梅」では有名な「藤十郎の恋」をテーマに、ベテラン2人がしっとりと踊ります。

 

そしてそして、いよいよ待ちに待ったフィナーレです!

暗転した舞台に、太鼓と鉦の音だけが鳴り響きます。

え~まだなの?と思うくらい時間がたった頃に、やっと柝が入って、舞台は一転して、料亭の大広間に変わります。

真ん中には鳶の頭がいて、左右にズラリと出の衣装の芸者衆が勢揃いします。

 

来場のお客様へ、渡り台詞でご挨拶があり、一本締めで手締めをした後は、歌舞伎で吉原の場面等でよく使われる「さわぎ」という賑やかな曲に、久保田万太郎が詞をつけた東をどりの曲にのって、総踊りが始まります。

 

「ここに出たいから新橋芸者になった」という方もいると聞いたことがありますが、何度観ても、ため息が出るくらいに綺麗で、惚れ惚れとするぐらいに粋なのです。

 

ボーッと見とれていたら、舞台では、いつの間にか花道の方にまで広がった芸者衆が、やおら手拭いを客席に向かって投げ込みます。

客席では、その手拭いを取るのに大騒ぎ。

2階や3階でも、関係者が撒いてくれますので、十分にチャンス有りです。

 

頃合いを見計らって、その日の「芯」になるお姐さんが、トンと足で舞台を打てば、再び唄と踊りが始まります。

・東をどりは日本のをどり~、という歌詞が、最後には・世界のをどり~となって、幕が下ります。

 

終わった途端に、客席からは「ああ、綺麗だった~」「ああ、素晴らしかった!」という声があちこちから聞こえていました。

 

 

東をどり

[杏葉牡丹] 2014年5月17日 14:00


毎年恒例の、新橋の芸者衆による「東をどり」が、

今年も5月24日~27日に行われます。

 

回を重ねて90回という歴史ある公演ですが、もともとは新橋の芸者衆の、一流の芸の披露や伎芸向上の為にと始まったもの。

 

そして会場の新橋演舞場は、もともとは芸者衆や置屋・料亭等の新橋花柳界の関係者とその後援者たちによって、建てられたものです。

だから、場所は銀座にあっても、「新橋演舞場」と言うんですね。

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ついでに言えば、この「新橋花柳界」の『新橋』ですが、現在では港区の地名になっているので、なぜ中央区なの?と思われる方も多いかと思います。

 

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『新橋』というのは、銀座8丁目の先の首都高速がある場所に、かつては「汐留川」が流れており、そこにかかっていた『橋』の名前でした。

現在でも、親柱だけは、高速の下に残っています。

 

幕末に、そこの近くの、現在は博品館の裏辺りになる金春町に、常磐津指南をしていた女師匠がいて、しばしば付近の料理屋などの宴席に呼ばれるようになり、幕府から「酌取御免」のお墨付きを貰います。

これが「新橋芸者」の始まりといわれいるそうです。

 

明治維新以後は、薩長出身の政財界人等に贔屓にされ、江戸時代からの代表的な花柳界の柳橋と並んで、「新柳二橋」と呼ばれることもありました。

 

最近話題の「日本のおもてなし」の究極とも言える花柳界ですが、やはり一般庶民には、敷居の高い世界。

特に女性には、普通だったら縁がなさそうですが、この「東をどり」でしたら、舞台だけでなく、ロビーや劇場全体で、そんな雰囲気を味わうことも出来ます。

 

詳細については、「東をどり」のページをご覧ください。

http://www2.odn.ne.jp/shinbashikumiai/

 

ck1203_20140516 (2).jpgなお、新橋花柳界のことをもっと知りたいという方には、『名妓の資格~細書・新橋夜咄』(2007年雄山閣より発行)という本をお薦めいたします。

著者の岩下尚史さんは、新橋演舞場にいらした方ですが、最近はテレビ等でも活躍されていて、4月から始まったTBSテレビの朝の「いっぷく!」にも出演されています。

 

この本の中の「お喜代姐さん」として知られていた元芸者さんからの聞き書きは、細かいしきたりやお客様の気風などが生き生きと書かれていて、本当に興味深いものです。

 

 

 
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