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ドラマで中央区を楽しもうーーーNHK朝ドラ『瞳』(月島・佃)

[之乎者也] 2014年12月 9日 14:00

日本のウイスキーの父竹鶴政孝・リタ夫妻をモデルにした朝ドラ『マッサン』が大人気です。かく言う私も毎日見るのを楽しみにしていますが、本日は月島・佃が舞台になった朝ドラの『瞳』(2008年に放送)を紹介したいと思います。

トロンボーン奏者中川英二郎によるテーマ曲演奏と佃・月島の鳥瞰図のオープニングから始まる『瞳』は、札幌でヒップホップダンサーを目指す榮倉奈々演じる主人公の一本木 瞳(20歳)が、母の百子とともに月島の祖母のお葬式のため上京し、今まで写真でしか見たことが無かった祖父と17年ぶりに対面する場面から始まります。祖父の勝太郎は里親(東京都の養育家庭制度:

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/satooya/seido/hotfamily/index.html

として中学生を筆頭に3人の里子を育てていますが、瞳は亡くなった祖母に代わり若い里親として月島の祖父宅で暮らしながら渋谷のダンススクールに通いヒップホップダンサーを目指すことになります。

里親とダンスの両立を甘く見ていた瞳は様々な小事件を経ながら、祖父勝太郎、里子とも心を通わせ、月島の人々にも支えられ自らも成長していきます。一方、ダンススクールでも、ダンスはピカイチながらアクの強い仲間とユニットを組んで、大会への入賞を目指します。住吉神社幟.JPG大会は終わりユニットは解散し、脱力感に襲われた瞳は、今まで化粧品会社で働きながら女手一つで瞳を育て、今は東京支社に転勤してバリバリ働く母百子の働く姿を見て、自らもお世話になった月島の人たちに得意なダンスを通じて恩返ししたいと、月島で老若男女が楽しめるダンス教室を始めます。そんなある日、祖父勝太郎とも不仲で百子と離婚した父親が住吉神社に現れ。。。「第25週・けじめの夏」から「第26週(最終週)・祭りの町で」は、大幟(おおのぼり)柱の掘り起こし、千貫みこしの組み立てと住吉神社例大祭当日へ向けての場面を挟みながら、ドラマもいよいよクライマックスです。

【住吉神社大祭大幟:佃まちかど展示館に展示】

 

  

  

実は、残念ながら『瞳』の視聴率はNHKの歴代朝ドラの中ではかなり低く、また放送当時のマスコミやネットなどの評価でも酷評が目立つ作品だったようです。個人的な感想ですが、出勤や通学など朝の慌しい時間帯に放送されるドラマとしては、里親、両親の離婚といった家族のあり方・再生などのやや重い話題を扱っていることや、テレビをゆっくり見ることのできるシニア層にはやや理解を得られにくそうなヒップホップも入ってしまったことが視聴者のハードルを高くしてしまった原因なのかもしれません。私は、夜ゆっくりとビールなど飲みながらお話を楽しみましたが、このドラマはゆっくりとくつろいで見るのがお勧めです。全話156回ですのであせらずに!

【住吉神社の正月風景】

住吉神社・初詣.JPG

閑話休題、下町の風情や人間関係が色濃く残る月島・佃を舞台とした『瞳」には中央区のみどころがたくさん登場します。瞳の住む月島の西仲通り(もんじゃストリート)にある勝太郎の一本木洋品店と月島の路地の風景、中央大橋と瞳たちがダンスの練習をする佃のパリ広場、住吉神社から勝鬨橋までの親水テラス、そして築地市場。また、里子の子供たちが通う設定の月島南中学校(実在せず)は佃中学校(佃2丁目)でロケを行ったようです。また、船渡御(ふなとぎょ)をはじめとする例大祭の様子がドラマの中で手に取るように見られますので、特に第25週、第26週(DVDでは第13巻)はお勧めです。NHKのオンデマンドにはアップされていないようですが、NHKエンタープライズ発売のDVD(レンタルもあります)で楽しめます。

瞳DVD.jpg

【 『瞳』 DVD NHKエンタープライズから発売】

 

 

文学で楽しむ中央区(その2)

[之乎者也] 2014年12月 2日 09:00

昼間はぽかぽかと暖かい日差しを楽しめますが季節はすっかり冬。日が落ちると外を出歩くのも暖かい格好で出かけないと風邪を引きそうな季節になりました。本日はそんな季節のお勧めとして中央区にゆかりのある文学作品についてお話したいと思います。今年の6月に中央区観光ブログで石川島人足寄場を舞台にした松本清張の『無宿人別帳』(文春文庫)についてふれました(/archive/author/ck1401/) が、第2弾としてご紹介するのは山本周五郎の『さぶ』(新潮文庫)です。sabu.png

『小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色の褪せた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。』と本の題名にもなっているさぶの寂しげな姿から始まるお話は、さぶと一緒に日本橋小舟町の表具屋芳古堂で働く栄二を中心に進みます。同い年で12歳から一緒に奉公を始めた二人も二十歳になり、仕事も良く出来、男前で器用な栄二は、本町にある得意先の両替商綿文の仕事で忙しい毎日を送っていましたが、ある日突然親方から暇を出されます。綿文で起こった盗難事件の犯人の疑いをかけられた栄二は、無実を晴らそうとやっきになりますが、綿文からは門前払いを食らい、結果として北町奉行の牢屋に入れられてしまいます。信頼していた得意先と親方からの仕打ちに絶望した栄二は、取調べに対して一切口を閉ざし、住所も職業についても話さなかったため無宿人とされて石川島人足寄席場に送られてしまいます。「この寄場は収容人を罪人とみなさず、手に職のあるものはその職にはげみ、職の無いものは好みの職をみにつけることができる。それらの作業には賃金が支払われるし、それはやがて世間へでたとき正業につく元手になる。」寄場同心の説明も耳に入らず、不貞腐れる栄二も、寄場で起こる様々な事件、けんか、台風による高潮、役人や他の収容者との交流、面会に訪れてくれる旧知の友情を通じて大きく成長する。「寄場でのあしかけ3年は、しゃばでの10年よりためになった。」、200ページ超にわたる寄場での生活を終え、栄二は島を出てハッピーエンドを迎え、盗難事件の謎も明らかになるが、それは読んでのお楽しみということにしておきましょう。

今では大川端リバーシティの高層マンションが並び、佃公園の石川島灯台のモニュメントにわずかに名残を残す人足寄場ですが、『さぶ』は我々を江戸時代の日本橋、石川島へ連れて行ってくれます。寒い夜は熱燗で温まりながら山本周五郎ワールドで江戸の町を旅してみるのはいかがでしょうか。

 

 

梅雨の中央区を文学で楽しむ

[之乎者也] 2014年6月27日 09:00

梅雨の季節、ブログ読者の皆さまはいかがお過ごしでしょうか? 今年の梅雨は真夏のような晴れの日があったかと思うと、雹が降ったり、突然の雷雨があったりと異常気象ですね!

 

春先のお出かけに絶好な季節とは異なり天気の急変も心配なこのごろ。今日はいつもとはちょっと趣向を変えて、文学で中央区、それも江戸時代の石川島と佃を探訪してみたいと思います。

 

金曜日の会社の帰り、東京駅前の本屋さんで中央区が舞台になった本 を2冊買ってきました。

中央区の時代物文学といえば、先ずは池波正太郎の『鬼平犯科帳』。18世紀半ばの江戸の火付盗賊改方で、18世紀の後半、寛政の改革の松平定信の下で石川島人足寄場を管理した長谷川平蔵がモデルとして有名なテレビ時代劇・小説ですが、今日はちょっと角度を変えて、人足寄場にフォーカスした小説を紹介したいと思います。

 

一冊目は、松本清張の『無宿人別帳』(文春文庫)。この短編小説集には10のお話が入っていますが、その中の無宿人別帳.jpg『海嘯(つなみ)』が人足寄場のお話になっています。小説では、能登の漁師の出身で江戸に流れ着き無宿の主人公新太は、町を歩いているときに岡っ引きに呼び止められて辻番所に連れて行かれ、そのまま伝馬町の仮牢(留置場)に入れられてしまいます。伝馬町からは佐渡の金山へ送られ、地獄のような坑道の水汲みの仕事をさせられ、そのまま命を失うことも多いのですが、新太は幸い石川島に送られることになります。

日本史の教科書では、「18世紀後半の天明の飢饉などの影響で、農村を捨てて江戸に流入する無宿者が増える中、幕府がこれらの無宿者を石川島の人足寄場に収容して治安の向上を図った」などと書かれていて、このような説明からはなんとなく「牢獄」のようなものではないかと思ってしまいますが、もう少し穏やかなものだったようです。『海嘯(つなみ)』でも「一定の期間が来て成績のよいものは労務の賃金を与えて釈放する」ともあり、また一律に極端な労役を課すでもなく、それぞれ大工、左官、鍛冶屋、百姓などと手に職ある者については石川島でもそれらに関連のある仕事を与えられたようです。

ある秋の日、漁師の倅で気象に詳しい新太は雲を見て、津波が来ることを予言する。石川島、佃島、築地一体はあっという間に津波に襲われ、寄場奉行の「逃げよ、そして高波が収まれば、永代橋際に集まれ」との許しを得て波を潜りながら泳いで深川に逃げる。新太が最終的に永代橋に戻ったかどうかまでは小説では語っていませんが、この小説で我々は当時の人足寄場の様子を知ることができます。

さらには、「無宿人別帳」のその他の9つのお話では、伝馬町の牢屋敷の話、八丈島への島流し、こ140405Ishikawajima.JPGの世の地獄の佐渡島からの脱走話など、当時の『無宿人』たちの中でも、『石川島人足寄場』のような比較的人道的な場所とは大違いの場所での様々な世界を知ることができます。

梅雨のひと時、小説を通して江戸へタイムスリップしてみるのもオツなものです。

次回は、もう一冊本屋さんで買った山本周五郎の「さぶ」をご紹介したいと思います。

  

(右上写真は、桜の季節の4月7日付ブログ『新川公園から中央大橋、佃公園へのお花見散歩』でご紹介した石川島灯台:/archive/2014/04/post-1956.html

 

 

変貌する京橋地区~マリオットと明治屋~

[之乎者也] 2014年4月11日 09:00

4月2日、京橋の中央通り沿いにコートヤード・バイ・マリオット東京ステーション(Courtyard by Marriott Tokyo Station)が開業しました。国際的ホテルチェーンのマリオット・インターナショナルのホテルだけあって、外人の利用客も多いようです。courtyard marriott.JPG

 

Courtyardはマリオットの中価格ブランドで、旅慣れた国際ビジネスマンにも人気のホテルです。従来、東京(丸の内、大手町、霞ヶ関界隈など)へのビジネス客は、銀座、丸の内、日本橋などに泊まることも多かったようですが、本ホテルの開業により、新たな選択肢が増えたことになります。京橋・八重洲地区には気軽な料理店や骨董店も多く、また銀座までも歩いていける距離でもあり、宿泊客も中央区の新たな魅力を発見できるのではないでしょうか。

 

開業後6日目を迎えた4月7日の夕刻、仕事帰りに取材に行ってきました。中央通り沿いの京橋トラストタワービルは地上21階建で同じくこの4月に開業したばかりのオフィスビル、そのうち2階から4階までがホテルフロアです。フロントはエレベーターを上がった4階にあり、こじんまりと落ち着いたユーロピアンスタイルのロビーが迎えてくれます。客室数は150室で部屋の広さも19㎡~33㎡と東京駅や銀座に近い場所としては十分です。lobby.JPG

ホテルの1階には欧州の鉄道駅をイメージしたというバー・ダイニングのラヴァロック(Lavarock)があります。もちろんホテルの宿泊者の方は朝食も食べらますが、お勧めしたいのは、夕方の仕事帰りや日本橋・銀座でのお買い物帰りにちょこっと寄って一杯という使い方。ガラス越しに中央通りも良く見えるバーカウンターでtapas(500円~)などの気軽なメニューをつまみに気軽にビールの立ち飲みを愉しむこともできます。もちろん落ち着いて着席しての食事も可能(着席の場合にはチャージがかかります)で、店名のLavarock(溶岩石)の由来ともなったグリル料理もお勧めです。

lavarock2.JPG

お店のマネージャーのFさんにお話を聞いてみました。Fさんは品川のマリオットや仙台のWホテルでの経験も豊富な方。Lavarockは今までのホテルのレストランとは違う新しいコンセプトで、ホテル付属のダイニングではあるものの、お客さんが気軽にお酒や食事楽しんだ後に、街歩きも楽しめるような敷居の低いものを目指しているとのこと。まさに、京橋にふさわしいレストランと思いました。

 

ホテルとレストランの紹介は以下の通りです。

 

【ホテル】 コートヤード・バイ・マリオット 東京ステーション
〒104-0031 東京都中央区京橋2-1-3
TEL : 03-5488-3923(宿泊予約係) 10 時~18時(土日祝除)

宿泊料は3万円~4万円程度との由。

 

【レストラン】 ダイニング&バー ラヴァロック

場所:同ホテルの1階

朝食: 7:00 ~ 10:00(ビュッフェスタイル)

ランチ: 11:30 ~ 14:30

ディナー: 17:30 ~ 23:00

席 数: 95席

 

 

お腹もいっぱいになったところで京橋の街を歩いてみると、あちこちでビルの新築工事が進行中です。ちょうど1年前に開業し、我らが中央エフエムや京橋環境ステーションも入る東京スクエアガーデン(鍜治橋通り、中央通りの角)をはじめとして、京橋駅北口にある1933年に完成し中央区指定有形文化財の明治屋も周辺地域の開発(京橋二丁目西地区第一種市街地再開発事業)とあわせ、免震化を含めた「歴史的建造物改修」が進んでいます(2015年秋改装終了予定)。完成後には33階建のオフィス・商業ビルがオープンするようです。

meijiya.jpg

(京橋二丁目西地区市街地再開発組合パンフレットによる完成予定イメージ)

 

中央区内では今までも歌舞伎座タワーや、室町の三井タワーマンダリンオリエンタル(コリント式列柱をデザインに入れて、隣接する三井本館との連続性を出した)のように歴史的建造物の保存を意識しながらの開発が行われた例もありますが、明治屋も京橋という街の雰囲気、良さを残すような素敵なビルになってくれれば良いなと思いました。

 

【お詫び】記事を書き終えたところで中央区の観光ブログをチェックしてみたら、なんと先輩特派員の阿舒庵亭主 さんが同じネタで記事をアップされたばかり。読者の皆さまや阿舒庵亭主さんにはネタが重なってしまい申し訳ありませんが、違う切り口ということでお許しくださいね!

 

 

新川公園から中央大橋、佃公園へのお花見散歩

[之乎者也] 2014年4月 7日 14:30

前回、東京駅から都バス(東16)に乗っての隅田川での花見のお誘いをしましたが、今回は花見歩きのご報告です。

開花宣言以来、雨が降ったり春の嵐が来たりと荒天の日が続き、この週末の天気も心配でしたが、4月5日土曜日の朝は青空も広がる絶好の花見日和でした。普段であれば会社に出かける時間、のんびり川沿いを歩いてみました。

140405Shinkawa PK.JPG

東16に乗ってお出かけの方は住友ツインビル前で降りると、目の前に兜を模った真っ白な中央大橋と佃島の高層マンション群が見えるはずです。そのまま歩道を橋の方向へ向かって歩くと橋の手前左側が新川公園です。永代橋に向かってぶらりと歩いてみましょう。

140405sumidagawa Terrace.JPG天気が良いので隅田川テラスを歩いても気持ち良いですが、今は桜が満開なので堤防の上の歩道を歩いて見ましょう。犬と一緒に散歩をする人、ジョギングをする人、そして花を賞でる人と様々です。心配していた桜の花もまだ散っておらず、青空の青、同じく堤防上に咲く様々な花の黄色、紫色、葉の緑との鮮やかなコントラストが楽しめるのもこの季節ならではです。永代橋まで歩いたあとは元へ戻って中央大橋を渡ります。

140405Messenger.JPG親日派としても知られるシラク元フランス共和国大統領がパリ市長を勤めていた1992年10月に東京都に贈られたO.ザッキン(Zadkine:フランスの彫刻家)作のメッセンジャー(Le messanger)越しに記念に1枚。新川公園のピンク色の桜、隅田川と青空の青、そして遠くに見える永代橋とスカイツリーが鮮やかです。ここは夜になると永代橋がライトアップされ、また多くの屋形船が行き交い夜景がきれいな場所としても有名ですね。

橋を渡って左側へ行くと石川島公園。北端にはパリ市との友好を記念して作られたパリ広場があります。、先ほどの中央大橋とともに映画やドラマ(Good luck、瞳など)でもロケ地としてしばしば登場しますね。ここではきれいなソメイヨシノに加え枝垂桜(シダレザクラ)も満開です。140405 Place de Paris.JPG

石川島公園から道路を渡って佃島小学校の脇を抜けて島の反対側へ出ると佃島公園に出ます。ここは学校の歴史の教科書にも出てくる石川島人足寄場のあった場所ですが、1866年にできた石川島灯台を模したモニュメントの周りも花や緑が鮮やかです。140405Ishikawajima.JPG石川島といえば水戸藩藩主で、最後の将軍慶喜の実父としても知られる徳川斉昭が1853年に造船所を作り、後の石川島播磨重工業(IHI)の礎となった地としても有名です。土曜日(と水曜日)は、ピアウエストスクエア1階にある石川島資料館も開館(10:00から17:00)しているので、ついでに足を伸ばしてみたらいかがでしょうか。造船所の歩み、佃島の歴史などを手軽に学ぶことができる場所です。お腹がすいたら近くのレストランで一休憩するのも良し、月島まで足を伸ばしてもんじゃを食べるも良し、楽しい土曜日となることでしょう。

石川島史料館

ホームページ:http://www.ihi.co.jp/shiryoukan/

電話(03)5548-2571
所在地 〒104-0051東京都中央区佃1-11-8ピアウエストスクエア1階
毎週 水曜日・土曜日 入場無料
午前10:00~12:00
午後1:00~5:00(入館は午後4:30まで

 

 

東京駅八重洲南口バス乗り場から都バスに乗ってお花見はいかが?

[之乎者也] 2014年4月 1日 16:00

中央区民にとっては新幹線やJR在来線で遠くへ出かける際に利用する東京駅八重洲南口のバス乗り場が3月21日に大幅にリニューアルされました。ここは全国からわが中央区にいらっしゃるお客さんがバスやタクシーで月島や晴海等に出かけるための重要な出発点でもあります。

八重洲口は2013年9月に開業した東京駅のグランルーフ整備のため長らく、工事が進んでいましたが、12月のJR高速バスターミナル完成に続き、3月の都営バス乗り場移転でようやくきれいなターミナルに生まれ変わりました。

140401 Tokyo stn busterminal.jpg  140401 Tokyo stn busterminal2.jpg

ところで、みなさん。東京駅の八重洲口は何区にあるのかご存知でしたか?名前が八重洲口というくらいだし、中央区だろうと思われる方も多いのですが(私も実はそうでした)ここは千代田区丸の内なのです。

140401 Bikunihashi Sekichu Hiroshige.jpg東京駅八重洲口前を通る太い通りは外堀通り。名前からも想像がつくとおり、ここは昔の江戸城の外濠の跡で、今も残る日本橋川から呉服橋(日銀のそばですね)で分かれて鍜治橋(常陽銀行前)、数寄屋橋(銀恋の碑、区民有形文化財の灯臺などがあります)へとつながっていたのですが、1950年代に戦後のがれき処理のために埋め立てられて現在のような道路へと変わりました。呉服橋、鍜治橋、数寄屋橋はそれぞれ江戸城の外郭で武家地へ入るための門。ここから西側の丸の内は土佐藩等24の譜代大名の上屋敷が並んでいたそうな。一方、門の東側に当たる現在の「八重洲」は町人地で中央区にあたります。左側の絵は常火消同心の息子で八重洲生まれの江戸末期の浮世絵師歌川広重(と襲名二代目広重)による「びくにはし雪中(名所江戸百景)」で、八重洲口鍛治橋通り南側の商工中金本店あたりから銀座方向を見た風景を描いたもの。比丘尼橋(びくにはし)は昔の京橋川(現、東京高速道路)に架かる橋で、右側の〇やき十三里(=焼き芋)の裏手には外濠が流れて京橋川と合流していたようです。

140401Tyo Stn busterminal.JPGさて、本題の都バスに戻ります。東京駅南口からは東15、東16の都バスが出発していて、区内の八丁堀、新川を経て、佃、月島方面(東16)、湊、明石町、勝どき、晴海(東15)を経て江東区方面へ結んでいます。もんじゃや佃煮で有名な月島、佃はもちろん、外人居留地の歴史を残す明石町方面への観光には欠かせない足となるバスですが、同時に今の時期、新川公園、石川島公園などでは桜も満開です。3月末の週末は生憎の天気で花見は難しかったかもしれませんが、今週はお天気もよさそうです。東京駅南口からバスに乗って、隅田川の花見としゃれてみるのはどうでしょうか?

週末には新川、佃の桜現地情報もアップいたします。乞うご期待。

 

 
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