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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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◆ 東京中央区 隅田川からの 初日の出

[隅田の花火] 2014年12月26日 14:00

今年もあと数日となりました。また新しい年が始まりますが、そのスタートイベントとして「初日の出」に新たな決意を託される方もいらっしゃるかと思います。

 

東京都心からの初日の出は、高いビルやタワーの上からが定番になっていると思いますが、地上近くから見られないわけでもありません。

 

隅田川は中央区の東・南側を流れており、対岸までの距離がわずかながらもあるため、対岸にビルがなければ日の出が見られる場所がいくつかあります。

 

今回は過去の写真も参考にし、あえて中央区の隅田川から初日の出を見ることができそうな場所を探してみました。隅田川の下流から上流にさかのぼる形でのご紹介です。

 

 

【1】

まずは「勝鬨橋」。

築地から対岸の勝どき方面を見る形になりますが、ビルとビルの間から日が出てくる何とも東京らしい日の出です。

s_hanabi13-1.jpg

※2014/12/17撮影

 

 

【2】

「相生橋」付近の「石川島公園」から豊洲方面を見た日の出風景。

「石川島公園」は初日の出を見るには良い場所と思います。

s_hanabi13-2.jpg

 

相生橋上からみると、トラス橋の三角形たちが何とも不思議な光景を作り出します。

s_hanabi13-3.jpg

 

相生橋の下にある「中の島」からも見られます。釣りをしながら日の出を見る・・・贅沢ですね。

s_hanabi13-4.jpg※2014/12/6撮影

 

 

【3】

「中央大橋」上からも日の出が見られます。

写真は昨年(2013年元旦)のもので、少し雲がかかりましたが隅田川を見守る「メッセンジャー像」越しに見た初日の出です。

s_hanabi13-5.jpg

 

 

【4】

「清洲橋」からも見られます。

写真は今年(2014年元旦)のもので、なかなかの感動的な光景。重要文化財の橋ですが初日の出も重要文化財級と言えるのではないでしょうか。

s_hanabi13-6.jpg※半歩、道に出ないと見られませんので交通に注意。

 

 

【5】

最後に「新大橋」。

橋の上から見られますが、写真は隅田川テラス上から橋の下を通して日の出を見たところです。

s_hanabi13-7.jpg※2014/12/13撮影

 

 

 

以上、隅田川からの初日の出スポットのご紹介でした。

 

日の出時刻は6:50頃。問題は当日の天気になりますが晴れてくれることを祈ります。

電車の終夜運転もあるようです。初日の出のあとはそのまま初詣に行くのも良いかもしれませんね。

ぜひ新しい年の最高のスタートをきっていただけたらと思います。

 

(注:写真は元旦当日のものでないものもあり、日の出の位置が異なることにより見られない場所もあるかもしれません)

 

<最寄り駅>

【1】勝鬨橋 ・・・ 大江戸線勝どき駅

【2】相生橋 ・・・ 有楽町線・大江戸線月島駅

【3】中央大橋・・・ 有楽町線・大江戸線月島駅

【4】清洲橋 ・・・ 半蔵門線水天宮前駅・清澄白河駅 /大江戸線清澄白河駅

【5】新大橋 ・・・ 都営新宿線浜町駅・森下駅 /大江戸線森下駅

 

 

 

中央区てくてくさんぽ 晴海大橋

[kimitaku] 2014年12月17日 16:00

 晴海通り 

 黎明橋から晴海トリトンスクエアを左に見てまっすぐ進むと

 晴海大橋が見えてきます。

P1010012-HASISITA.jpg

この橋かなり急勾配。

ジョギングや散歩に最適です。

そのまま渡ると豊洲地区に向かいます。

ゆりかもめ。

丸い東電の変電所(ここは海底ケーブルで木更津から送電しています。)と遠く新市場工事現場(築地市場の移転先)が見えます。 

P1010013-SOUKO.jpg

 右手手前には晴海の倉庫群 レインボウブリッジ 東京湾 

 竹芝ふ頭 遠くには晴れていると富士山が見えます。

 左手はららぽーと豊洲が。 

 むかし石川島の造船所があったところです。

 

晴海大橋を渡る手前運河沿いに「晴海臨海公園」ができました。

この公園自転車乗り入れ禁止。

休日にでも 運河(海?)を見ながらの散歩やジョギングに最高です。

その先には スカイツリーもそびえています。

DSC_0477-DOURO.jpg DSC_0282-JYOUGU2.JPG

 

 

東京スカイツリー特別ライティング

[サム] 2014年12月15日 14:00

R0031692CCLS.JPG 11月1日~12月25日の期間、東京スカイツリーでは世界一高いクリスマスキャンドルとクリスマスツリーに見立てた年末恒例の限定ライティングを実施中です。

クリスマスシーズンに因み

①キャンドルの炎をイメージした「キャンドルツリー」<白銀&レッド>

②白いベールを纏ったツリーをイメージした「ホワイトツリー」<白銀&グリーン>

③ツリーをシャンパンゴールドの光で彩った「シャンパンツリー」

通常ライティングの

④江戸っ子の心意気を表現した「粋」<隅田川をモチーフにした淡いブルー>

⑤江戸の街の美意識を表現した「雅」<江戸紫>

を加え計5パターンがスケジュールに従って当該期間中点灯されています。

点灯時間:17:00~23:00

(11月16日~12月15日は16:45点灯)

尚12月11日から12月18日の期間(20:15~23:00)は、青色発光ダイオード(LED)を開発した日本の研究者3人が2014年のノーベル物理学賞を受賞したのを記念して、光の3原色(赤・緑・青)をテーマにした特別ライティングを実施中。

淡いブルーにライトアップされた永代橋越しに、東京スカイツリーの特別ライティングが輝いています。

 

             thCANSAKHGCRS.jpgthCANSAKHGRS.jpgthCANSAKHGCRS.jpg

 

 

 

 

◆ 隅田川『 佃大橋 』50年

[隅田の花火] 2014年12月10日 09:00

今年は1964年の東京オリンピックからちょうど50年でした。
それを記念して各地でイベントが行われたり、テレビ番組で特集が組まれたりと、何かと話題になりました。

s_hanabi12-1.jpg(写真:2014/10/11 中央区勝どきから隅田川対岸・汐留の風景・1964TOKYOオリンピック50th)
 

このオリンピックに向けて、新幹線や高速道路・モノレールなどの各種交通インフラが整えられていったわけですが、
中央区ではやはり日本橋の上空に築かれた首都高速が思い浮かびます。

s_hanabi12-2.jpg(写真:2014/11/2 中央区まるごとミュージアムでの日本橋無料クルーズ)
 

他に挙げられるのは、戦後初めて隅田川に架橋された『 佃大橋 』があります。
あまり大きく取り上げられることはありませんでしたが、
オリンピックと同じ1964年に開通ということですので、こちらも今年で50周年になります。

s_hanabi12-3.jpg今回はこの橋について取り上げてみました。
 
この橋は、佃島・月島方面 と 明石町・都心方面を結ぶ橋ですが、姿・形としてはあまり大きな特徴があるとは言えません。

 
しかしオリンピックに間に合わせるために、当時の技術を結集して急ピッチで架橋作業が行われたということですので、
この橋が造られた頃の日本の高度経済成長期を象徴する姿と言えるでしょう。
 
 
この橋ができる前は、橋と同じ位置にあった「佃の渡し」の船が市民の足となっていましたが、
橋の開通と同じタイミングで、この渡し船が廃止になったのだそうです(1964年8月27日)。
 
 
中央区立図書館のHPでは昔の画像を検索できるのですが、検索してみたところ、当時の貴重な写真を見つけることができました。

  リンク⇒佃大橋開通

 
この佃島の渡船は、元をたどると佃島と江戸市中を結ぶ江戸時代初期の手漕ぎ渡し船にさかのぼりますので、
実に320年もの歴史に幕を下ろさせた出来事でした。

  リンク⇒佃島の渡船



オリンピックにより、いろいろな歴史が新しく作られていきまいたが、
その一方で失われるものもたくさんあった、ということになりましょうか。
 
 
この渡し船の面影を、この佃大橋あたりで探してみました。
1つ目は、渡し船があった隅田川両岸にある「佃島渡船の碑」です。

s_hanabi12-4.jpg渡船自体にもいろいろな変遷があるのですが、この石碑は昭和2年に当時の東京市が運営していた渡船の運賃が無料になった時に建てられたものです。

 

 

もう1つは、佃島・住吉神社の水盤舎(おみずや)の欄間に彫られた「石川島の灯台と佃の渡しの風景」です。

s_hanabi12-5.jpgもし住吉神社にお参りされる時に水盤舎でお手を清められた際には、チラッと上のほうをご覧になってください。

s_hanabi12-6.jpgこの建物の四方にはそれぞれ異なる佃島にちなんだ彫刻が施されていて、その1つが「石川島の灯台と佃の渡しの風景」になっています。
明治時代に彫られたものだそうです。

 

 

さて、この50年の間でこの橋の周りの環境や景観も変化、この橋からの風景も刻々と変わってきました。

この橋上は開放感抜群なので見晴らしが良く、なかなか良い風景を拝むことができます。

 

隅田川上流方面には中央大橋やスカイツリーの風景が見られます。

s_hanabi12-7.jpgもちろん佃の街並みやリバーシティのマンション群なども目に飛び込んできます。

 

 

そして下流方面には3連のアーチ橋?
ここ最近でまた新しい景色が加わりました。

s_hanabi12-8.jpg隅田川最下流にできた「築地大橋」のアーチ1つと手前の「勝鬨橋」のアーチ2つが、
同じような大きさで重ならないように見える場所が佃大橋上にあります。

 

1964年当時の人々は、50年後の今のような風景を想像できていたのでしょうか?
さらに50年後、どのような景色に変わっているのか全く想像ができませんが、日本の古き良き情景も残っていてほしいものです。

 

 

 

 

 

ドラマで中央区を楽しもうーーーNHK朝ドラ『瞳』(月島・佃)

[之乎者也] 2014年12月 9日 14:00

日本のウイスキーの父竹鶴政孝・リタ夫妻をモデルにした朝ドラ『マッサン』が大人気です。かく言う私も毎日見るのを楽しみにしていますが、本日は月島・佃が舞台になった朝ドラの『瞳』(2008年に放送)を紹介したいと思います。

トロンボーン奏者中川英二郎によるテーマ曲演奏と佃・月島の鳥瞰図のオープニングから始まる『瞳』は、札幌でヒップホップダンサーを目指す榮倉奈々演じる主人公の一本木 瞳(20歳)が、母の百子とともに月島の祖母のお葬式のため上京し、今まで写真でしか見たことが無かった祖父と17年ぶりに対面する場面から始まります。祖父の勝太郎は里親(東京都の養育家庭制度:

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/satooya/seido/hotfamily/index.html

として中学生を筆頭に3人の里子を育てていますが、瞳は亡くなった祖母に代わり若い里親として月島の祖父宅で暮らしながら渋谷のダンススクールに通いヒップホップダンサーを目指すことになります。

里親とダンスの両立を甘く見ていた瞳は様々な小事件を経ながら、祖父勝太郎、里子とも心を通わせ、月島の人々にも支えられ自らも成長していきます。一方、ダンススクールでも、ダンスはピカイチながらアクの強い仲間とユニットを組んで、大会への入賞を目指します。住吉神社幟.JPG大会は終わりユニットは解散し、脱力感に襲われた瞳は、今まで化粧品会社で働きながら女手一つで瞳を育て、今は東京支社に転勤してバリバリ働く母百子の働く姿を見て、自らもお世話になった月島の人たちに得意なダンスを通じて恩返ししたいと、月島で老若男女が楽しめるダンス教室を始めます。そんなある日、祖父勝太郎とも不仲で百子と離婚した父親が住吉神社に現れ。。。「第25週・けじめの夏」から「第26週(最終週)・祭りの町で」は、大幟(おおのぼり)柱の掘り起こし、千貫みこしの組み立てと住吉神社例大祭当日へ向けての場面を挟みながら、ドラマもいよいよクライマックスです。

【住吉神社大祭大幟:佃まちかど展示館に展示】

 

  

  

実は、残念ながら『瞳』の視聴率はNHKの歴代朝ドラの中ではかなり低く、また放送当時のマスコミやネットなどの評価でも酷評が目立つ作品だったようです。個人的な感想ですが、出勤や通学など朝の慌しい時間帯に放送されるドラマとしては、里親、両親の離婚といった家族のあり方・再生などのやや重い話題を扱っていることや、テレビをゆっくり見ることのできるシニア層にはやや理解を得られにくそうなヒップホップも入ってしまったことが視聴者のハードルを高くしてしまった原因なのかもしれません。私は、夜ゆっくりとビールなど飲みながらお話を楽しみましたが、このドラマはゆっくりとくつろいで見るのがお勧めです。全話156回ですのであせらずに!

【住吉神社の正月風景】

住吉神社・初詣.JPG

閑話休題、下町の風情や人間関係が色濃く残る月島・佃を舞台とした『瞳」には中央区のみどころがたくさん登場します。瞳の住む月島の西仲通り(もんじゃストリート)にある勝太郎の一本木洋品店と月島の路地の風景、中央大橋と瞳たちがダンスの練習をする佃のパリ広場、住吉神社から勝鬨橋までの親水テラス、そして築地市場。また、里子の子供たちが通う設定の月島南中学校(実在せず)は佃中学校(佃2丁目)でロケを行ったようです。また、船渡御(ふなとぎょ)をはじめとする例大祭の様子がドラマの中で手に取るように見られますので、特に第25週、第26週(DVDでは第13巻)はお勧めです。NHKのオンデマンドにはアップされていないようですが、NHKエンタープライズ発売のDVD(レンタルもあります)で楽しめます。

瞳DVD.jpg

【 『瞳』 DVD NHKエンタープライズから発売】

 

 

文学で楽しむ中央区(その2)

[之乎者也] 2014年12月 2日 09:00

昼間はぽかぽかと暖かい日差しを楽しめますが季節はすっかり冬。日が落ちると外を出歩くのも暖かい格好で出かけないと風邪を引きそうな季節になりました。本日はそんな季節のお勧めとして中央区にゆかりのある文学作品についてお話したいと思います。今年の6月に中央区観光ブログで石川島人足寄場を舞台にした松本清張の『無宿人別帳』(文春文庫)についてふれました(/archive/author/ck1401/) が、第2弾としてご紹介するのは山本周五郎の『さぶ』(新潮文庫)です。sabu.png

『小雨が靄のようにけぶる夕方、両国橋を西から東へ、さぶが泣きながら渡っていた。双子縞の着物に、小倉の細い角帯、色の褪せた黒の前掛をしめ、頭から濡れていた。』と本の題名にもなっているさぶの寂しげな姿から始まるお話は、さぶと一緒に日本橋小舟町の表具屋芳古堂で働く栄二を中心に進みます。同い年で12歳から一緒に奉公を始めた二人も二十歳になり、仕事も良く出来、男前で器用な栄二は、本町にある得意先の両替商綿文の仕事で忙しい毎日を送っていましたが、ある日突然親方から暇を出されます。綿文で起こった盗難事件の犯人の疑いをかけられた栄二は、無実を晴らそうとやっきになりますが、綿文からは門前払いを食らい、結果として北町奉行の牢屋に入れられてしまいます。信頼していた得意先と親方からの仕打ちに絶望した栄二は、取調べに対して一切口を閉ざし、住所も職業についても話さなかったため無宿人とされて石川島人足寄席場に送られてしまいます。「この寄場は収容人を罪人とみなさず、手に職のあるものはその職にはげみ、職の無いものは好みの職をみにつけることができる。それらの作業には賃金が支払われるし、それはやがて世間へでたとき正業につく元手になる。」寄場同心の説明も耳に入らず、不貞腐れる栄二も、寄場で起こる様々な事件、けんか、台風による高潮、役人や他の収容者との交流、面会に訪れてくれる旧知の友情を通じて大きく成長する。「寄場でのあしかけ3年は、しゃばでの10年よりためになった。」、200ページ超にわたる寄場での生活を終え、栄二は島を出てハッピーエンドを迎え、盗難事件の謎も明らかになるが、それは読んでのお楽しみということにしておきましょう。

今では大川端リバーシティの高層マンションが並び、佃公園の石川島灯台のモニュメントにわずかに名残を残す人足寄場ですが、『さぶ』は我々を江戸時代の日本橋、石川島へ連れて行ってくれます。寒い夜は熱燗で温まりながら山本周五郎ワールドで江戸の町を旅してみるのはいかがでしょうか。

 

 
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