Hanes

【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!
絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


こんにちは。昨年度よりも更新頻度は落ちていますが、活動の幅を広げつつあるアクティブ特派員のHanes(ハネス)です。
2019年1月には中央区の友好都市である山形県東根市へ、そして3月には交流都市の山梨県富士河口湖町へ行ってきました!
今回は、私の視点で発見した富士河口湖町の魅力を中央区と関連づけてご紹介します。

富士河口湖町とは

富士河口湖町とは 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


中央区と富士河口湖町は、1990年の区民健康村「ヴィラ本栖」の建設を機に交流を始めました。
2014年11月4日には災害時相互援助協定を締結し、現在は、「大江戸まつり盆おどり大会」への出店等を通して交流を図っています。

富士河口湖町と聞くと、文字通り「富士山」と「河口湖」を連想してしまう私ですが、 中央区のウェブサイト()を見てみると、以下のような魅力がご紹介されています。
富士山の北側に位置し、山梨県の南部に位置する4つの湖樹海を有する日本屈指の景勝地
・東京都心からも90分程というアクセスの良さ
ヴィラ本栖(中央区所有の保養施設)あり
・伝統工芸品「大石紬」
・精進湖フットパス
・湖のそばで開催される夏祭り

 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


そして、町境にある標識を見ると一目瞭然であるように、この町の湖では逆さ富士が楽しめます
市区町村章のついた標識はよく見かけますが、このような町の特徴を絵にした標識は珍しいと思い、隣の富士吉田市の標識を確認してみたところ、山を登る人が描かれていました。
富士登山で利用する吉田口登山道を表しているのでしょうか。
こういった何気ないものから想像を膨らませるのも、旅先での楽しみの一つです^^

河口湖

河口湖 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


この町で見逃せないスポットと言ったら、やはり河口湖
富士山を含め、日本を代表する景勝地の1つなので、海外からの観光客も多くいらしていました

残念ながら、訪問時に逆さ富士は拝めませんでしたが、代わりに素敵な夕日を見ることができました。
どの時間帯に行っても、自然に囲まれ、どこか心洗われる景色が楽しめるようですね。

その中でふと目に入ったのが、こちらのブロンズ像―河口湖「湖上の女神」
背景の「静」なる山々に躍動感のある「動」を加えるこちらの作品は、日本彫刻界の巨匠北村西望の愛弟子橋本活道(号:名鷲岳了)によるものです。

 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


彼の作品は日暮里駅前にある太田道灌の彫像で知られていますが、師匠北村西望の作品「燈臺」数寄屋橋公園で見ることができます。

そしてこちらの「湖上の女神」には、北村西望が監修として携わっており、浅間明神 木花開耶姫命(このはなさくやひめ)と磐長姫命(いわながひめ)が仲良く湖上に舞う姿を表現しています。
この姉妹2神は、幾多の苦難の末、貧富・美醜を超越し、崇高な心を持って万物の誕生を助け、永遠の愛と平和・繁栄をもたらす守護聖人として、周辺の住民から崇敬されているようです。
現代の東京で暮らし・働く私にとって、人間として大事なことは何なのか、改めて考えさせてくれるような作品でした。

精進湖

精進湖 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


続いて訪れたのは、中央区のウェブサイトでも紹介されていた精進湖(しょうじこ)
訪れたのは夕方だったため、フットパスを歩くことは断念しましたが、ここで思いがけない出来事がありました。
それは、日本に帰化した英国人ハリー・スチュワート・ホイットウォーズ(Harry Stewart Whitworth、星野芳春)との出会いです。
1895年に来日した彼は、富士山が最も美しく見える場所を探し続けた結果、この湖に到達したと言われています。

 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


湖の北岸には、旧中道往還居村集落が残っています。
『甲斐国志』によると、旧中道往還は、甲斐と駿河を結ぶ三つの街道のうち、真ん中を通る街道であったことから「中道」と呼ばれるようになったそうです。
古来より開かれていたこの街道は、戦国時代には武田信玄織田信長徳川家康等も往来した軍用道として使われたというのだから驚きです!
江戸時代になり居村集落が形成されてからは、細工物(下駄、天秤棒、鍬の柄、角箸等)で生計を立てていたといいます。

そのような歴史的にも興味深い通りを少し進むと、珍しいことに神社とお寺が隣り合わせで並んでいるのが見えてきます。
富士河口湖町指定文化財の諏訪神社の本殿は、一間社流造り杮葺で、1843年に再建されたものです。
江戸時代末期の寺社建築における装飾過多が特徴で、ここでは動植物から中国の故事に至るまで実に豊富な意匠が見られます。
また、国指定天然記念物の精進の大スギもあり、樹齢約1200年と言われる雄姿は遠くからでも存在感がありました!

 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


隣の龍泉寺には、前述したホイットウォーズの眠る墓があり、墓碑には、彼の日本名である「星野芳春」が見て取れます。

 【遠足シリーズ第12弾】これからの季節にピッタリ!絶景と歴史を楽しむ富士河口湖町


この地に永住を決めたホイットウォーズは、「精進湖ホテル」を建設し、それは国内における富裕層や外国人向けのクラシックホテルとして認知されるようになりました。
また、彼による海外への情報発信の結果、精進湖は日本有数の避暑地として、多くの外国人観光客が訪れるようになったそうです!
興味深いことに、皇太子時代に英国を訪問した昭和天皇が英国人から精進湖について問われたというエピソードも残っており、「東洋のスイス」と言わしめたこのエリアからの富士山の絶景は、現代でも訪問者の目を楽しませています。

今回富士河口湖町を訪問してみて、訪問前に抱いていたイメージの風景を実際に見られた他、歴史的に重要な街道があること、そしてこの地に魅了された英国人がいたことを知ることができました。
かつて築地居留地にあった「築地ホテル館」のように、精進湖湖畔にも外国人が多く利用したホテルがあったという共通点は、特に印象に残りました
そして、面白い歴史を持つ史跡が点在していることから、次訪問する際にはフットパス「D 青木ヶ原樹海&石塁コース ~樹海に残る武田戦国史跡を歩いて本栖湖へ~」を歩き、可視的なもの(自然)と不可視的なもの(物理的に残らない歴史)を楽しみたいと思います。
避暑地としても名高いので、これからの季節の訪問にピッタリです^^

〈余談〉紙幣に見る富士河口湖町からの風景

4月9日、麻生太郎財務相が、2024年に紙幣のデザインを刷新することを発表しました。
偽造対策、素材、製造方法を差し置いて皆の注目を集めているのは、やはり新しい肖像!
一万円札には、中央区にゆかりがあり、日本の資本主義の礎を築いた渋沢栄一が描かれます。
このように新紙幣への関心が高まる中、改めて現行紙幣をよく見てみませんか。

今回特に見ていただきたいのは、千円札の裏になります。
こちらには日本を代表する風景ともいえる逆さ富士が描かれていますが、実はこれ、富士河口湖町にある本栖湖より写真家・岡田紅陽さんが撮影したものなのです!
(詳細はこちら。旧五千円札にも描かれています。)

記念コイン蒐集が趣味でもある私は、海外の硬貨や紙幣に描かれた場所を訪れ、同じ角度で写真を撮る旅したことがあり、今回ご紹介した本栖湖からの逆さ富士も、新紙幣が出回るまでに撮影しに行きたいと思っています
少々マニアックなご提案にはなりますが、富士河口湖町を訪れた際には、現行紙幣の逆さ富士と同じ位置からその景色を堪能してみるのもありかもしれません。
将来、「そういえば、新紙幣になる前に、当時の紙幣にあった逆さ富士が撮影された場所に行ったなあ~」等と懐かしく語れるような、良い思い出になるのではないでしょうか^^

■渋沢栄一関連記事
【遠足シリーズ第7弾】煉瓦の語る物語
【遠足シリーズ第8弾】渋沢栄一の足跡をたどって...