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2019 イロハモミジ開花

 2019 イロハモミジ開花

 人々が待ちわび、春の訪れを満喫する「桜のシーズン」の最中、あまり話題に上ることはないかも知れませんが、目を凝らして見れば、イロハモミジ(別名イロハカエデ)がひっそりと開花中です。若葉と同時に、若枝の先に散房花序を出し、暗赤色の繊細な小花が垂れ下がって付いています。萼片、花弁ともに5枚。

浜離宮恩賜庭園内の約6,000本の樹木の内、イロハモミジは約25本。葉が小形で掌状に5~7裂し、芽吹きから初夏、紅葉シーズンにかけ、青緑~緑~黄~赤と多彩に移ろう色味の変化が大きな魅力で、この時期の清々しい若葉にも大いに目を奪われます。太陽の光を透かして見ると、淡い緑の色相が重なり、より一層美しさが強調されます。

復元された御茶屋群を背景に、燃える若葉が織りなす緑のグラデーションの彩りは当園ならではの情景。緑は生命力を感じさせてくれる色であり、見る者の心を癒してくれます。