おでかけニャンコ

銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

こんにちは。まちあるき大好き、おでかけニャンコです。

今回は、銀座奥野ビル第二弾。

ギャラリー<アートスペース銀座ワン>に遊びにいってきました。

(第一弾の記事は コチラ )

 

こちらに21年間いらっしゃる名物オーナー・織田泰児さんにお話を伺いました。

 

 

 銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

お帽子がお似合い。ダンディないでたちの織田さん。

 

ーー奥野ビルとは、どんな出会いでしたか

織田「僕はサラリーマンをやりながら、絵描きをしていたんです。その仲間がこのビルにいたので遊びにきました。そのとき、”古いままが残っていて、すごく居心地が良くていいビルだなあと思い、すぐに申し込みました。当時から人気があって、1年待ちましたよ。

そして、会社の帰りにここにきて絵を描いていたんです。みんなから、贅沢だなあと非難されましたけどね(笑)」

 

 

 銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

・・・織田さんの作品。筆を使わないで描くフラクタル画

 

ーーーサラリーマンをやりながらアトリエを借りて絵を描くとはすごいですね。

織田「昔から個展を開いていたので、よくメディアにも注目されました。

そこで全国の一芸を持っているサラリーマンに声をかけて、<サラリーマン文化芸術振興会>を立ち上げたんですよ。サラリーマンでソバ打ち、サラリーマンで大道芸人・・・とにかくいろんな人がいて面白かったです。そちらも25年間、サラリーマンを辞めた後も続きました。」

 

 

 銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

・・・新聞や雑誌はもちろん、テレビにも多数出演されています。

 

ーーーアトリエからギャラリーになったきっかけを教えてください。

織田「絵の仲間たちに、ギャラリーにして展示させろよと言われて始めました。当時、ビル内のギャラリーは二つ三つでしたが、今は20以上ありますかね。

僕は、おかげさまで画廊経営がうまくないので、間が空く時があるんです。そのときに、自分のアトリエとして使っています。画廊経営がうますぎちゃうと、全部うまって絵が描けませんよね。ありがたいことにね(笑)」

 

ーーー部屋を借りるとき、奥様から反対されませんでしたか。

織田「そのときは反対しませんでしたね。今は ”ギャラリーでもうけなくていいけど、家計からはもちださないでよ” と言われています(笑)」

 

ーーー今と昔のアーティストさんは、どんな違いがありますか。

織田「今はなかなか絵を買ってくれる人がいないので、大変だと思います。先日も、お金が足りないので個展をキャンセルしますという連絡がありました。

昔は個展が主流でしたが、最近は、このビルも半分くらいはグループ展になりましたね。」

 

 

 銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

・・・織田さんの作品には、2mを超える大作も!

 

ーーー昔の奥野ビルの様子を教えてください。

織田「昔は<通い帳>みたいなものを持たされて、1階の管理人室で家賃を毎月渡していました。振込にしないで持ってきてもらうと、お互い様子がよくわかるからなんて話していました。

部屋の内装を変えていいか聞いたところ、”壁に穴をあけて隣に通じなければ、好きにしていいよ” と言われたこともあります。だから、各部屋のドアも個性的でしょ。おおらかな時代でしたね。」

 

ーーーこれからの奥野ビルに願うことはありますか。

織田「ビルがどんどん建て替わる銀座で、昔の銀座を伝えるものとして、いつまでもあってほしいですね。その中で、銀座の文化である画廊が残ってほしい。

 

有名な展覧会だけでなく、自分たちの生活圏に存在する人たちが展覧会をしている・・・そういうところに、みなさんに足を運んでもらえたらと思います。僕も死ぬまでギャラリーをやるつもりです。」

 

 

 銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

楽しいお話に、何度も噴出して笑ってしまいました。

 

歴史の深い奥野ビルに、まさにこの人あり!

織田さんの人生の歴史も、半端なく奥深いものでした。

気さくで素敵なジェントルマンのお話に、癒され、刺激をうけ、歴史を味わう・・・最上のひとときをありがとうございました。

 

アーティスト木村裕子さん(写真左)も、いつも奥野ビルの部屋を見てから作品をイメージするそうです。

 

 

 銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

か、かわいい・・・

すっかりニャンコは親近感ですが、猫ではありません。

 

木村「ガーゴイルといって、ゴシック建築で動物や怪物、人などをかたどった雨水を落とすための吐水口。当初は遊べるアートとして、ボーリングにしようと思ったのですが、底にマグネットが入っていて倒れません。。。以前からガーゴイルに興味があり、自分なりのガーゴイルをイメージし、形にしました。」

 

ーーー製作の時、大切にしていることはありますか。

木村「頭に浮かんだイメージを指先で創る感じです。イメージが湧かないと全くできません。思い通り形にならず毎回苦戦しています。」

 

ーーー奥野ビルは、あなたにとって どんなビルですか

木村「私の作品は、奥野ビルのレトロな雰囲気にあっているなと思います。独特な雰囲気が魅力的です。」

 

ーーー銀座は、アーティストにとって どんな街だと思いますか?

木村「ギャラリーがたくさんあるので、とても刺激になります。夢が詰まっているところです。」

 

作品の雰囲気と同じく、とても可愛らしく個性的な木村さん。

アートに疎いニャンコですが、「自分の部屋に連れて帰りたい・・」と一目ぼれしてしまいました。

次回は、8月6日(火)~15日(木)「銀座 ゆう画廊<祈り>展」に出品されるそうです。

 

個性豊かなアーティストさん

それを支える 個性豊かなオーナーさん

これからの奥野ビルの歴史、銀座のギャラリーの歴史は、彼らによって刻まれていくのですね。

 

とても楽しみで、幸せな気持ちになります。

 

 

 銀座奥野ビル202号室~名物オーナーのいる部屋

202号室<アートスペース銀座ワン>次回は 

4月29日(月)~5月4日(土)13時~20時

<藤の谷の美喜雄の ジョークに行こうぜ。>

 

また、どんな出会いが待っているのでしょうか。

ますます目が離せませんね。