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出羽路羽黒山の於竹大日如来御開帳

[小江戸板橋] 2016年10月12日 09:00

山形県の中央部を貫く、出羽山脈。

信仰の地、修験の霊峰、月山・湯殿山・羽黒山はそこに鎮まります。

羽黒山へ向かう参道に「手向(とうげ)」という、宿坊が軒を連ねる集落があります。

その村に正善院があり、境内に「於竹大日堂」というお堂が建てられています。

「今年9月25日から10月30日まで、ご本尊の於竹大日如来の御開帳が行われる」

同地にある『いでは文化記念館』のパンフレットを通してその情報を知りました。

 

えっ、お竹大日如来。

もしかして。

日本橋本町3丁目6-2。小津和紙店の社屋北側。

於竹大日如来井戸跡と縁起の説明板が建てられています。

あのお竹さんでしょうか。

「江戸時代初期、思いやりの深いお竹という下働きの女性が居りました。

自分の食べる分を割いてまで、他人に施しを与えていました。

みずからは台所の流しの残飯を食べるという、超もったいない精神の実践者。

ある日、不思議な力に導かれた羽黒山の修験者が屋敷にやってきます。

『心優しいお竹さんこそ、大日如来の生まれ変わりだ。』

その修験者の言葉が口火となり、お竹さんの評判は江戸中に広まりました。」

 

ああ、そういうお話ね。

何々の生まれ変わり。

説話、寓話によくあるパターン。

あまり気にも留めずにおりました。

それが、遠い出羽の地において、大日如来像、大日如来堂として現代まで手厚く祀られ、

今年、特別御開帳を迎えるとは。

お竹さん、凄いかも。

徳川五代将軍綱吉の生母桂昌院も、生き仏としてのお竹さんに

「ありがたや 光と共に行く末は 花のうてなにお竹大日」

との歌を詠んでいます。

 

手が届くところにいる人物を神・仏と祀り篤く信仰することは、毎日を必死に生きる人々にとって、大きな救い・安らぎとなったのでしょう。

そして、江戸時代の信仰に注目したとき、卓越した能力を持つプロデューサーの存在が感じられます。

伊勢の神宮、富士山浅間大社、熊野三山・・・

各地に講を作り、所得の少ない庶民でも、一生に一度は参詣ができると期待を持てるシステムを作り上げた。

出羽三山のプロデュースには、修験者達の情報ネットワークがフルに活かされたのでしょう。

遥か遠いみちのくにある、信仰の地。

お竹さんの存在により、一気に出羽までの距離が縮まりました。

 

御開帳を機会に、訪ねてみようかな。

山形県庄内地方は、温泉も豊富だし、山形牛・米沢牛をメインに、米どころ庄内の地酒も楽しみだ。

お竹さんに導かれて、紅葉狩も満喫してこよう。