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亀島川水門

[之乎者也] 2016年11月25日 14:00

明け方(11月22日)の大きく長く続く揺れ。。。久しぶりの大きな地震です。幸いながらいままでのところ生死に関わるような直接の大きな人的被害も無いようですが、改めて災害(地震・津波・台風など)の多い国「日本」を認識させられた朝でした。

 

急速に海外からの観光客が増える日本にとっては、歴史・文化などのコンテンツを紹介することももちろん大切ですが、日本における災害に対する備え、安全というものについても発信し、特に地震や台風などの災害に不慣れなインバウンド観光客の方に対して、日本における安全性についても十分な説明をし、今後も安心して訪問してもらうことも大切です。

 

地震も治まったようなので、出勤のため家の近くの南高橋を渡っていくと、日本橋クルーズなどの通り道で、普段は開いているはずの亀島川から隅田川への水門が閉まっています。津波に備えたものなのでしょうか?(気象庁から午前7時26分に千葉県内房・伊豆諸島に津波注意報が出されていました)Kame4.jpg

 

亀島川水門は亀島川流域を高潮の被害から守る目的で作られた防潮水門です。江戸期以降日比谷入り江を埋め立てて発展してきた東京の下町地域は、昔から多くの高潮、津波。洪水などの被害に遭ってきました。中央区も比較的地盤高の低い地域に立地しており、この例にもれません。Kame2.jpg

例えば以前書いたブログ記事(http://tokuhain.chuo-kanko.or.jp/2014/06/post-2075.html)で紹介しました松本清張の短編小説集『無宿人別帳』(文春文庫)に「海嘯(つなみ)」というお話がありますが、こちらでは江戸時代に石川島にあった人足寄場を津波が襲う話が描かれています。その後明治以降も東京東部低地帯の隅田川などの沿岸は洪水、高潮等の水害の常襲地域となり、関東を直撃したキティ台風(昭和24年)などの大きな被害を経て、高潮対策事業が進められるようになります。

 

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特に昭和35年(1960年)の伊勢湾台風により名古屋地域がA.P.+5.02mという高潮(A.P.は「荒川工事基準面」。新川の霊岸島水位観測所の最低水位をもって定められています。上図参照。)による大きな被害を受けたことにより、1960年代から東京都でも本格的に防潮堤、いわゆる「カミソリ堤防」の建設が進められるようになります。亀島川水門もこの時期、昭和44年(1969年)に完成しています。水門の門扉は8.3mあり、防潮壁同様高潮の亀島川への侵入を防ぐことができます。このような対策の結果、昭和54年10月の台風20号来襲時にはキティ台風を上回る高潮(A.P+3.55m)を記録したものの、破堤することもなく周辺住民の生命を守りました。

 

普段はほとんど目に留めることもない亀島川水門でしたが、今回のように地震や台風などで津波や高潮が発生し河川の水位が上昇したときには、いち早く水門を閉鎖して沿岸への浸水を防ぎ、区民や中央区を訪れる人々の安全を守ってくれていることに感謝の思いを新たにしました。

 

【亀島川水門】

所在地:〒104-0033 中央区新川2丁目31番22号

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