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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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「高麗屋三代同時襲名公演」始まるー壽初春大歌舞伎―1月歌舞伎座

[滅紫] 2018年1月13日 16:00

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37年ぶりとなる親子孫の三代同時襲名披露公演が2日から始まっています。発表されたのは1年以上前でマスコミ報道も多いので皆様よくご存知と思いますが、幸四郎さんが2代目白鸚、染五郎さんが十代目幸四郎、金太郎さんが八代目染五郎を襲名します。歌舞伎座前には積物、幕見のお客様の列、高麗屋さんの半纏を着たスタッフが行きかい、一歩中に入ると初芝居にふさわしく新年の飾り物があふれ、三代の襲名と初春歌舞伎が重なり、めでたさも弥増す感じです。

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客席に入ると再度吃驚。襲名のご祝儀幕がまず目に入りましたが、ふと目をやると東西の1階桟敷席(計40席)は全席黒紋付の綺麗どころで一杯。スタッフの方に伺うと「東京五花街の総見」とのこと。壮観です。東京の五花街は現在、新橋・神楽坂・赤坂・向島・浅草だそうです。京都の南座の顔見世の折の花街の総見はよく知られていますが、東京で出会ったのは初めてです。本日一日だけだそうで、「今日のお客様はラッキーですよ」とスタッフの方に言われました。

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幕間のロビーも一段と華やか、観客の方も晴れ着の方が多く、いかにも初春公演という印象です。お仕事柄写真は撮られ慣れていらっしゃるのか気持ちよくOKしていただきました。

さて、お芝居ですが、昼の部は「箱根権現誓仇討」、「七福神」「菅原伝授手習鑑」の「車引き」と「寺子屋」です。「箱根権現」と夜の部の「双蝶々曲輪日記」に出演予定だった猿之助さんは10月の「ワンピース」公演での怪我で代演、「寺子屋」の涎くり与太郎だけに出演して父親役の東蔵さんとの掛け合いで「腕はもう大丈夫なのか」と聞かれ「襲名公演に出るために必死でリハビリした」と答え大うけしていました。「七福神」が揃って踊るのは60年ぶりとのことです。「車引」の松王丸は新・幸四郎、「寺子屋」の松王丸は新・白鸚が演じます。

夜の部は「双蝶々曲輪日記」「口上」「勧進帳」「相生獅子」「三人形」です。

 

襲名公演は2ヶ月続き、今月は26日までです。

お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~18時)

 

 

新年は「翁」で始まる -観世能楽堂

[滅紫] 2018年1月11日 09:00

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観世会定期能の一月公演は年の初めを寿ぐ「翁」で始まります。ご存知の通り「翁」は「式三番」ともいわれ能のルーツである祈祷や儀式の要素が強いもので、正月や劇場の杮落しなど改まった場で上演されることが多いものです。翁、千歳、三番叟が天下泰平・国土安穏・五穀豊穣を祈り舞います。お能好きの友人たちはこのちょっとした緊張感と清々しさが何とも言えないと話しています。続いて「呉服」(くれは)が上演されたので2時間40分、結構草臥れました。続いて狂言「宝の槌」、太郎冠者が太鼓の撥を打ち出の小槌とだまされて売りつけられる話で少しリラックスしたあと、仕舞「屋島」「高砂」「羽衣」など9曲を山階弥右ヱ門、観世銕之丞、梅若玄祥氏など観世会の重鎮が舞います。隣の方に「仕舞が多いですね」と話すと「これは東京観世会の年賀挨拶替わりのものなのです」とのこと。成程。

 

最後に祝言能「岩船」で、終了したのは5時40分。休憩は20分だったので4時間20分座り続けていたことになります。お隣の方は仙台からお見えで年間40回は観劇やコンサートで上京されるとか、「松濤から銀座になって本当に便利。80歳になりました」と仰る姿は仕舞の効果か背筋は伸びて、頑張らねばと思わされました。

 

能楽堂では「観世会能楽講座」を定期的に開いています。

第2回目は2月6日(火)18:30~

一部「姨捨」の魅力、二部 観世宗家による実演。講師:観世清和、松岡心平、ゲストは内田樹さんです。入場料一般1500円 

観世荒磯能事前講座 1月25日(木)18時~ 入場料500円

お問い合わせ:申し込み  観世能楽堂 6274-6579

 

 

沖縄の「珈琲屋台ひばり屋」が期間限定OPEN―LOFT銀座ベルビア館4F

[滅紫] 2018年1月 9日 18:00

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新年おめでとうございます。今年も中央区の美味しい、楽しい話題をお知らせしたいと思います。早速本日から期間限定OPENの珈琲屋台ひばり屋さんにお邪魔してきました。

 

「珈琲屋台」という名前をお聞きになるのが初めての方もいらっしゃるかも知れませんが、建物の中のいわゆる喫茶店ではなく、ひばり屋さんのパンフによると「国際通りから一本入ったディープスポットで秘密の花園のような空地を開拓し」、屋外営業している珈琲店です。

 

「ひばり屋」さんは沖縄のグルメガイドには殆ど登場している人気店。私も移転前のお店に2度お邪魔したことがあります。なかなかたどり着けないディープスポットで、直ぐ側は道路なのに何故か別世界に入り込んだような不思議な空間、木陰から差し込む沖縄の太陽と風に、最初に訪れた時のサイゴンのカフェを思い出したのを覚えています。そしてちょっと濃い目に入れた何とも美味な珈琲。昨年は行けなかったので年の初めに東京で出会えるとは何とも嬉しい。

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残念ながらカウンターだけなので沖縄での屋台の空間の雰囲気は味わえませんが、選りすぐりの珈琲の味とご主人の辻さんの笑顔は変わりません。自家焙煎の珈琲豆やスイーツも販売しています。ひばり屋オリジナルの「初恋オーレ」や「そよ風オーレ」に沖縄の風を感じにおでかけになりませんか。LOFT限定の「純黒糖オーレ」もあります。

 

珈琲屋台ひばり屋 

期間限定OPEN 1月6日~24日 11:30~20:00 土日祝は19:00まで(11,17はお休み)

銀座2-4-6銀座ベルビア館 4F

 

 

「草乃しずか展―煌めく絹糸の旋律―」始まる  松屋銀座

[滅紫] 2017年12月31日 12:00

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2017年もあと3日、何かと気ぜわしい時期ですが、昨日から始まった「草乃しずか展」入り口は凄い人・ひと。年末のこの時期はゆっくり見られるだろうという予想はすっかり外れ、でもファンのひとりとしては嬉しい想定外です。草乃しずかさんは日本刺繍作家として国内での個展のみならず海外でも展覧会やワークショップを通し精力的に日本刺繍の普及活動に取り組んでいます。今回の展覧会はご本人のことばを借りると「日本人が表現してきた文様を刺繍によって表現することに挑戦しました。繍仏から始まり、服飾文化としての刺繍、今日のアートとしての刺繍へと移り変わってきた様を約200点の作品で展観」とのこと。

 

会場で目を引くのは「心に着せて」をテーマにしたエカテリーナ、マリー・アントワネットから淀君、北条政子、紫式部など13人の歴史に残る女性たちへの振袖。確かにこういうイメージだなと感じさせられる作品です。私が興味を持ったのは「日本の伝統模様110点」です。古来の日本の文様を「日本刺繍の技術を駆使して製作したもの。青海波、菊花菱、紗綾形などよく知られているものもありますが、籠目、雲龍、一つ鱗など名前と模様が不勉強で一致しないものもたくさん。

 

いつもは印刷物でしか見ることがないものが多いので110点がすべて刺繍の技法で製作されて展示されているのを見ると何とも洒落たデザインと色彩に驚嘆です。文様自体は1000年以上前からあるものですが、今でもこんな新鮮な印象を与えるのは本当に凄いと思わされます。

 

展覧会特別企画として「祝・新春ギンザの「和」めぐりマップ」が展覧会と同時期銀座1丁目から8丁目のお店で開催中です。展覧会のチケット半券でお店で特典が楽しめます(会場でマップが配布されます)

 

新年にちょっと日本文化を考えるのにぴったりの展覧会です。

 

 

「草乃しずか展」1月15日まで

松屋銀座 8階イベントスクエア10時~20時(最終日は17時閉場

入場料一般1000円

 

 

 

東京銀座朝日ビルと漱石・啄木

[滅紫] 2017年12月20日 12:00

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建替中だった並木通りの朝日ビルが完成し11月15日から順次にロレックス、ルイ・ヴィトンがオープンし、サンモトヤマも戻ってきて更にお洒落な通りになりました。来年の1月22日にハイアットホテルチェーンの「ハイアット・セントリック・銀座」が3階から12階にオープンするのも楽しみです。164室だそうです。気になっていた「石川啄木の歌碑」も元の場所にありました。何だか安心。ご存知の通りこの朝日ビルの場所は朝日新聞社が大阪から進出して明治21年(1888)社屋を構えた場所です。最初の場所は少し離れた元数寄屋町2丁目ですが、2か月後に滝山町(現在地)に移転して昭和2年(1927)有楽町(今のマリオンの場所)に移るまでここで新聞を発行していました。売れっ子作家を入社させて執筆させていたのも有名で明治37年には二葉亭四迷、そして明治40年には夏目漱石が入社しています。今年生誕150年になる漱石は朝日入社前は東京帝大講師でした。「帝大講師を辞めて新聞社に入った」というのは当時大変なセンセーションを巻き起こしたそうです。東京帝大講師の俸給は年俸800円、一方朝日は月俸200円ですから約3倍になったわけで漱石40歳の華麗なるトラバーユといったところでしょうか。朝日に移って発表した最初の小説が「虞美人草」です。評論家の小宮豊隆は次の様に書いています。「漱石が大学を辞めて新聞社に入ったということは当時の一大センセーションであった。その漱石が今度いよいよ「虞美人草」を書くと云うので三越では「虞美人草浴衣」を売り出す。玉宝堂では「虞美人草指輪」を売り出す。ステーションの新聞売り子は「漱石の虞美人草」といって「朝日新聞」を売って歩くという風に世間では大騒ぎをした」

 

この漱石の2年後明治42年(1909)に石川啄木が校正係として入社しています。月給25円、翌年には才能を認められ朝日歌壇の選者にもなりました。明治40年代の物価は現代に換算すると約2万倍(「明治の金勘定」山本博文)とのことなので漱石は年俸だと4800万円、啄木は600万円くらいですね。ちなみに二葉亭四迷は漱石の半分です。新しいビルをご覧になるときには道路側にある啄木の歌碑も是非ご覧になってください。

 

石川啄木歌碑 「京橋の滝山町の新聞社灯ともる頃のいそがしさかな」

銀座6-6-7(並木通り)

 

 

 

師走の一時をー「十二月大歌舞伎」 歌舞伎座

[滅紫] 2017年12月16日 14:00

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浅草で高麗屋三代の襲名記念のお練りが行われた日、三部を見ました。なかなか予定が立たず2日前に予約したのに割といい席が取れたので入りが悪いのか?とちょっと心配しましたが(私が心配するようなことではありませんが)「大入」の札を見て何だかほっとしている自分が可笑しくなります。確かに一階の目に入る範囲はほぼ空席無し。三部は「瞼の母」と「楊貴妃」ともに玉三郎さん相手役は中車さんです。「瞼の母」は長谷川伸の新歌舞伎、中車さんが「歌舞伎役者も」と話題になったのはいつのことだったのかと思うほど、すっかり歌舞伎の人です。「楊貴妃」は夢枕貘さんが玉三郎さんのための書下ろし。玉三郎さんの美しさに陶然としているうちにいつの間にか幕が。・・・・

 

三部制だと最後の三部の開演は18:30、この時間だとお勤め帰りの方も何とかご覧になることが出来ますね。気のせいか若い方が多いように見受けられます。一部は愛之助さんの「実盛物語」と松緑さんの「土蜘」、2部は中車さんの「らくだ」松緑さんの「蘭平物狂」。上演時間が2時間半くらいですから「歌舞伎は長いので疲れる・・」という方も気楽にご覧になれると思います。年の瀬も近く何かと気ぜわしい時期ですが、お忙しいひととき、お芝居でリラックスされるのは如何でしょう。

 

千穐楽は26日

1部11:00~ 2部15:00~ 3部18:30~

お問い合わせはチケットホン松竹0570-000-489(10時~18時)

 

 
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