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和紙とともに200年 【歴史編】①  ~ 和紙舗 榛原 ~

[rosemary sea] 2018年2月 6日 18:00

1505_016-21b店舗外観.jpg『ギフト、そして自分も楽しむ』をルック イントウして取材します、rosemary seaです。

日本橋の老舗和紙舗(わがみほ)、榛原(はいばら)さんの前回記事はこちらです。

⇒ /archive/2017/10/post-4699.html

和紙、和紙小物から便箋、レターセットに至るまで、広く紙製品を取り扱っておられます。

1505_071店舗内観 便箋a.jpg

今回は榛原さんの歴史について、詳しくご紹介します。

ただ、1回ではお伝えしきれませんので、2回に分けてご紹介させていただきます。

今回も株式会社 榛原 広報担当の中村陽子さんにお世話になりました。

 

それでは・・・

  

榛原さんの創業は江戸初期、1806年(文化3年)。

200年以上に亘り日本橋の地で商いをされてきました。

初代の佐助さん、奉公の後に独立し、紙・墨・薬の商いを始めます。

紙につきましては上質で美しい雁皮紙(がんぴし:前回記事参照)を取り扱うことで、江戸の人々に大好評となりました。

暖簾にも描かれているように「雁皮紙榛原」の誕生です。

1505_062aのれん.jpg

また、和紙に木版摺りで装飾を施した千代紙・団扇(うちわ)・便箋などの小物紙類も、主力商品となりました。

 

幕末から明治時代にはいち早く各種博覧会を通じ、広く和紙を欧米諸国に紹介されました。

     明治6年(1873年)ウイーン万国博覧会

     明治11年(1878年)パリ万国博覧会

     明治12年(1879年)シドニー万国博覧会

     明治21年(1888年)バルセロナ万国博覧会

等、それぞれ褒状を授与され、国際社会に対して日本の文化水準の高さを示します。

ヨーロッパに渡った榛原さんの和紙製品は、

     英国 ビクトリア・アルバート博物館

     同 グラスゴー美術館

     フランス パリ装飾芸術美術館

などに保管されています。

それらは19世紀後半に西欧に広まったジャポニズムに影響を与えた、と云われています。

 

一方、国内では文明開化の時流に早々に取り組まれ、西洋紙を取り扱いました。

明治期の榛原さんの引き札や店頭には「西洋紙品々」という看板が大きく記されています。

 

三代目の榛原直次郎氏は、明治16年(1883年)、日本美術復興を目的として結成された龍池会(りゅうちかい:日本美術協会の前身)に入会します。

そして明治24年(1891年)には日本青年絵画協会(のちの日本美術院)の設立援助をされました。

1511_05495絵はがき柴田是真「花くらべ」a.jpg

1511_05733a柴田是真 宝船.jpg

上:絵はがき柴田是真「花くらべ」・下:柴田是真 宝船

柴田是真(しばたぜしん)、柴田真哉(しばたしんさい)、綾岡有心(あやおかゆうしん)、川端玉章(かわばたぎょくしょう)、河鍋暁斎(かわなべきょうさい)・・・。

当代一流の画家と交流を深めます。

そして団扇や扇子、木版摺り製品などの榛原さんの製品の原画を、多く依頼しました。

これが現代に続く「榛原デザイン」の礎となっているそうです。

1511_06355a柴田是真「菜の花畑に蝶」.jpg

11_330a柴田是真「なでしこ」.jpg

上:柴田是真「菜の花畑に蝶」・下:柴田是真「なでしこ」

明治20年(1887年)には明治新宮殿の天井張、壁紙などの内装の御用を務めます。

これにより、日本美術協会の総裁でもあられました有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)殿下より、「榛原の品は玉を聚(あつ)めたるが如し」と、堂号である「聚玉(しゅうぎょく)」の御染筆を賜りました。

 

・・・次回へ続きます。

 

1505_045店舗内観1a.jpg榛原

日本橋2-7-1 東京日本橋タワー

東京メトロ銀座線・東西線 / 都営地下鉄浅草線 日本橋駅  B6出口直上です。

駅上のCOREDO日本橋のななめ前になります。

03-3272-3801

 

営業時間  月曜日~金曜日 10:00~18:30

      土曜日・日曜日 10:00~17:30

休業日  祝日・年末年始・お盆

※ 詳しい営業日はホームページをご覧ください。

 

榛原さんのホームページはこちら

⇒ http://www.haibara.co.jp/