こんにちは。新人特派員のHanes(ハネス)です
今回は「消防の歴史に見る中央区(前編)」の続きです。
前回ご紹介した通り、中央区の送水口を求めていざ新橋の送水口博物館へ!
こちらは、株式会社村上製作所創業80周年に際し、2015年開館になりました。
博物館は最上階にあり、踊り場には送水口コレクションや館長さん作の絵画など、
一時たりとも来場者を飽きさせない工夫が見られます
早速屋上で送水口に出迎えられた後、ドキドキしながら博物館のドアを開けると、
とても気さくな館長さんが出迎えてくださり、館内には送水口がずらり!
「そもそも送水口って何?」という方のために簡単にご説明しますと、
送水口とは、ビル等で火災が発生した際に、その階まで送水する設備の一部です。
ポンプ車のホースをつなぐ場所と言った方がピンとくるかもしれません
とは言え、どんな建物にもついているわけではありません。
7階以上の建物や広い地下街等、はしご車でも消防ヘリでも消火が難しい建物にあり、
通常個人の住宅や低層階のビルにはないんですって。
早速中央区の送水口について伺ったところ、ブリヂストン旧本社ビル(京橋)の送水口を見せてくださいました
(左:採水口、右:送水口)
このビルにはブリヂストン美術館が入っていたので(現在建替工事のため休館中)、
行かれたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今や珍しくなった英語表記の送水口に加え、
送水口がついていた状況を再現すべく館長さんがこだわったという
展示用の背景(送水口ごとに異なっています)も注目ポイントです
そしてなんと、この送水口には顔はめパネルまであるんです!
ブリヂストン旧本社ビルの送水口になれるのは、世界中探してもきっとここだけ
せっかくなので、私も他の来館者の方に撮っていただきました
この博物館では、磨く会や送水口ナイト等、送水口に関する様々なイベントを開催しているそうです
中央区の貴重な送水口を磨きたいという方は、
ぜひ博物館のウェブサイトおよびFacebookをご確認ください。
博物館を後にしてからは、館長さんから教えていただいた中央区の現役の送水口を
実際に見に行ってみました
まずは、重要文化財(建造物)に指定されている高島屋東京店。
角に何かがついているのが見えますでしょうか?
近づいてみると、双口漢字表記の送水口(村上製作所製造)がありました!
続いて、小伝馬町にある滋賀銀行東京支店へ向かうと、
扇型のプレートに設置された珍しい送水口を発見
扇形の下の方に見えるのは製造会社名なのですが、
ここでは送水口博物館にゆかりのある村上製作所さんの会社名が入っていました
その他、送水口がたくさんついた大きなビルを見てから、
京橋周辺にてカタカナ表記の送水口をはじめ、様々な送水口の写真を撮ってみました
送水口は火事になった際に使われるため、使われない(本領を発揮しない)ことが幸せという少し変わったまちのヒーローで、
一般人の私達にとってはほとんど目につかない設備かもしれません。
しかし、ひとたび博物館で送水口の歴史を知ると、送水口の見方や味わい方がガラッと変わります
まさに、「たかが送水口、されど送水口」です!
「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉を思い出し、まち歩きで送水口を見てみるのも
中央区ならではで面白いかもしれませんね
※博物館につきましては、館長さんより紹介・写真掲載許可をいただいております。