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ベネズエラからのたより

[小猿] 2018年10月 4日 18:00

ベネズエラ、と聞いて、皆さんはどんな国のイメージを持たれますか? 地球の反対側、南米、石油の埋蔵量が多い豊かな国、という以外、私は何も知らずにいました。現在ベネズエラは経済危機に陥っており、国民は難民となって、国外へ逃げ出す人々が後を絶たない状況だそうです。 小谷孝子さんはベネズエラに38年間住んで、一昨年帰国された画家です。 10月6日まで銀座の煉瓦画廊で個展を開かれていて、お話を伺うことができました。

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小谷さんは、1971年に米国へ留学、ベネズエラからの留学生と結婚、77年から首都カラカスに住んでいました、その頃は国も豊かで、自然も美しく、人懐っこく優しい心の人々に囲まれて幸せに暮らしていたそうです。その後、原油の価格下落が、輸出の9割が原油というこの国の経済に打撃を与え、生活必需品の輸入も滞りました。

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2014年以降、スーパーの棚から日用品がなくなり始め、赤ちゃんのミルクもなくなり、人口3千万人のほとんどが食糧難で、大人も子供も食べ物を求めてごみ箱をあさる姿があちこちで見られたそうです。人々の心はすさみ、治安も悪化、外国人を狙って強盗や殺人が勃発、小谷さんは、身の危険を感じ、16年3月に帰国されました。

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わずか20年の間に、普通に暮らしていた人々が平和と自由を脅かされ、生きて行くことさえ困難になってしまう現実を目の当たりにされて、小谷さんは「どこの国でも起こりうること、国民の生活は政治に左右される部分が多く、政治に関心を持つことが大切。」と言われています。

日本に戻って、スイッチを押せば電気がつき、蛇口をひねれば水が出る、ということの有難さを痛感じながら、ベネズエラの現状を知ってもらえるように伝えるのが使命、とおっしゃっています。地球の反対側で、でも同じ地球の上の「ベネズエラからのたより」をしっかり受け取り、知ることから始めようと思います。

  

小谷孝子個展 ベネズエラからのたより 第三便

2018年10月1日~6日  11-19 pm(最終日は17時まで)

銀座煉瓦画廊 中央区銀座4-13-18 医療ビル2F