記念日で知るあの頃の中央区~4月編~
こんにちは。新年度になり、あっという間に特派員3年目に入りましたHanes(ハネス)です。
「石の上にも三年」、「桃栗三年柿八年」など、「三年」に関することわざはたびたび耳にします。
初心を大切にしながらも、3年目が終わる頃には、特派員活動を通して培った経験を何らかの形にできたらと思います。
そんな3年目最初の記事では、「初心にかえる」という意味も込めて「五街道の起点」や「道路の始まり」と呼ばれる日本橋に関する記念日からご紹介します♪
日本橋開通記念日(4月3日)
1911年のこの日、日本橋が木橋から現在の石造2連アーチ橋に架け替えられました。
橋の中央の橋灯に見られる背びれのような翼がついた麒麟像は完成当時の東京市の繁栄を、橋の四隅にある獅子像は守護を表しています。
また、橋の中央には国道の起点となる「日本国道路元標」が設置されています。
しかし、交通量が多く実際に近くで見ることはなかなかかないません。
そこで、橋詰広場「元標の広場」ではそのレプリカと、1911年に建てられ、都電の廃止時に移設された「東京市道路元標」が見られます。
「東京市道路元標」ですが、元標と鳩の色が似ています。
なんとなく見ていると気づかないのですが、よく見ると鳩がたくさんとまっており、私自身よく驚かされます(笑)
ぜひ上の写真をじっくり見てみてください♪(これでも鳩は少なめです。)
あんぱんの日(4月4日)
続いては、おいしい記念日です。
1875年のこの日、明治天皇が向島の水戸藩下屋敷でお花見をする際、お茶菓子として木村屋のあんぱんが献上されました。
木村屋の木村安兵衛は当時の侍従山岡鉄舟からの助言を受け、奈良の吉野山から八重桜の花びらの塩漬けを取り寄せ、あんぱんに埋め込むという工夫を凝らし、季節感を表現したといいます。
(参考:木村屋總本店 あんぱんの日とは?~明治天皇と「桜あんぱん」~)
そんな「桜あんぱん」は酒種生地にもこだわっており、今でも当時の味を楽しむことができます♪
荷風忌(4月30日)
1959年のこの日は、小説家・随筆家の永井荷風の忌日です。
誰しも一度は名前を聞いたことがあるようなこの文豪、実は現在の築地に居を構えたことがあるんです!
あまり広くは知られていないようで、私自身今回初めて知りました。
詳しくは、先輩特派員与太朗さんの「築地路地裏の永井荷風」、CAMさんの「永井荷風 「築地草」」をご覧ください。
南高橋
そして、彼の代表的な作品といったら、『断腸亭日乗』を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
本作の中には、このような描写があります。
「歌舞伎座前より乗合自動車に乗り鉄砲洲稲荷の前にて車より降り、南高橋をわたり越前堀なる物揚波止場に至り石に腰かけてて名月を観る。石川島の工場には燈火煌々と輝き業務繁栄の様子なり。水上には逗州大島行の汽船二三艘泛びたり。(...)」
近隣にお住いの方やお勤めの方以外なかなか渡ることのない南高橋ですが、実は興味深い橋なんです。
・関東大震災で損害を受けた両国橋の一部が、補強の上再利用されている
・都内に残る鋼鉄トラス橋としては八幡橋(旧弾正橋)に次いで2番目に古い
・車両通行可能な鋼鉄トラス橋としては全国で6番目に古い
橋詰には独特なモニュメントやタイルが設置されており、毎年春には桜が見事に咲き誇ります。
感染症が収束した際には、『断腸亭日乗』の描写にあるように、南高橋経由で歌舞伎座前から石川島まで散歩をしてみるのも良いですね♪
道中で気になるお店や史跡がたくさん見つかるはずです。
次回の記事では、「春」と「中央区」をテーマにいくつか小説をご紹介します!