Hanes

築地川跡を走る高速道路の謎


こんにちは。ここのところアクティブな活動はお休み中のHanes(ハネス)です。
外出自粛要請が出ていることを考慮し、撮りためておいた写真をもとに、家にいながらにして「へぇ~」と楽しめるような少々マニアックな中央区トリビアを3回にわたってご紹介したいと思います。
最終回となる今回は、中央区に引っ越してきてからずっと気になっていた高速道路のとある部分に注目してみました!

中央区内を走る「幻」の高速道路

本題に入る前に、少し中央区内の高速道路事情を見てみたいと思います。
昨年12月31日に、東京高速道路(KK線)が2030年をめどに廃止され、空中庭園になるというニュースがありました(2020年1月1日 東京新聞朝刊掲載)。
これは、昨年10月下旬に中央区長から小池都知事に提案されたもので、「東京高速道路の過去・現在・未来」でご紹介しています。
その際は、「中央区には無料で走行できる高速道路がある」という発見をもとに書き進めましたが、今回取り上げる高速道路は、「幻」の高速道路とも言えるものです。

 築地川跡を走る高速道路の謎


その高速道路というのが、首都高速都心環状線首都高速晴海線が走るあたりで、中央区役所前の築地川跡にあります。
白いガードレールで囲まれた中央部分が、現在走行可能な高速道路です。
しかし、その両脇にも各2車線分くらい幅のある道路のようなものが見えますよね?
別の角度から見てみても、やはり端の方は使用されていないことが分かります。

 築地川跡を走る高速道路の謎


この高速道路のようでそうではない部分は一体何なのでしょうか?
その答えは、中央区議会のウェブサイト上に掲載されている「首都高速晴海線計画の見直しを求める意見書」を読むとはっきりします。

・首都高速晴海線は、平成5年7月に「江東区有明〜中央区築地」区間の約5.1キロメートルが都市計画決定されており、「有明〜晴海」区間は平成14年2月に事業許可がなされ、現在「有明〜豊洲」出入口までは完成。
・「晴海〜築地」区間は地下構造となる。首都高速都心環状線銀座に合流するライン、新大橋通りへ曲がり築地市場正門の手前に入出路をつくるライン、首都高速都心環状線新富へつなげるラインは、現在(平成22年時点)何らの動きもなく、事業化の見通しが立っていない。

つまり、現在使用されていない両脇の部分は、他の道路との接続部になる予定だったそうです。

 築地川跡を走る高速道路の謎


総事業費をはじめとする諸々の理由から計画が見直され、工事は中断されました。
しかし、計画跡地は利用されないまま残されているわけではありません!
「晴海~築地区間」の地下部分は別な形で開放され、利用されています。

多目的利用が可能!築地川公園

前述の地下部分を入船橋から見てみると、写真にある通り開けた空間になっています。
ここは築地川公園の一部で、多目的利用が可能なことでも知られています。
この写真を撮影した1月に訪れた際、写真向かって右奥のトンネルのような場所から子どもたちの声や、ボールが壁にぶつかるような音が聞こえてきました。
内部はどうなっているんだろうと気になって調べてみたところ、現在はキャッチボール場として開放されているようです♫
(STAY HOME週間にあたる現在は、公園の利用に自粛要請が出ております。東京都および中央区の最新の指示に従ってください。)

 築地川跡を走る高速道路の謎


地元の少年団が球技の練習をしている風景をよく見かけるこちらの公園ですが、例の高速道路の一部が遠くに見える入船橋の下には、わんわん広場が設けられています。

 築地川跡を走る高速道路の謎


また、この公園の一部を地上から見てみると、高速道路の一部になる予定だったとみられる地下トンネルのようなものも随所に残っています。
遺構や遺跡が好きな私の中でこの不思議な高速道路はずっともやもやの種でしたが、記事にするタイミングで詳しく調べることで謎が解消し、すっきりしました♪

 築地川跡を走る高速道路の謎


また、築地居留地築地海軍省があった時代の様子は、公園周辺の橋に取り付けられたパネルで知ることができます。
ということで、築地公園周辺の橋についても簡単にご紹介したいと思います!

番外編~橋~

新人特派員時代(2年前の4月30日)に「現代版『橋づくし』~橋と時代を超えて~」で取り上げた橋の一部が今ではきれいに整備されています。
まずは、橋づくしチャレンジ中、小説同様に聖路加国際病院の薔薇窓を見ながら無事に無言でたどり着いた第五の橋・暁橋
最近暁橋跡として案内板が設置されました!

 築地川跡を走る高速道路の謎


続いては公園内にある第六の橋・堺橋
暁橋の案内板同様、当時の築地川の様子をモノクロ写真で知ることができます。

 築地川跡を走る高速道路の謎


そして、もれなく第七の橋・備前橋のそばにも案内板が設けられました。

 築地川跡を走る高速道路の謎


昨年9月、来る国際的スポーツの祭典に向けて中央区が「築地川アメニティ整備構想」を発表しました。
自由に出歩けるようになったら、今後の整備を楽しみにしながら、築地川と高速道路・橋の関係を改めて見に行ってみたいと思います。