『新参者』と人形町 10年を考察 ④
~ からくり櫓 (町火消し) 前編 ~
『ギフト、そして自分も楽しむ』をワイズに取材します、rosemary sea です。
東野圭吾さんの新参者シリーズと人形町の10年を改めて掘り下げる企画、
第1回は4月23日の「弁慶像」、
第2回・第3回は4月29日・5月1日の「からくり櫓(江戸落語)」
でした。
今回は「からくり櫓(町火消し)」、その前篇です。
「からくり櫓(やぐら)」、人形町通りを挟んで建つシンボル時計台2基、2009年(平成21年)11月完成。
2基はそれぞれ趣きが異なります。
こちらは前回・前々回ご紹介しました「からくり櫓(江戸落語)」。
下段の緞帳(どんちょう)が開くと噺家(はなしか)の人形が登場。
落語家立川談幸(たてかわ だんこう)師匠による創作小咄(こばなし)「人形町の由来」が流れます。
上段の絵が回転すると、江戸の町並と町人たちの暮らしが再現されます。
こちらが今回ご紹介する方の櫓、「町火消し」です。
水天宮側からのアングルです。
からくり櫓 町火消し
江戸時代の町火消し「いろは47組」のなかで人形町界隈を担当したのは「は組」でした。
当時の衣装などを再現した人形が「梯子(はしご)乗り」や「纏(まとい)上げ」を披露します。
流れる唄はとび職人が祭りなどで唄う「木遣り(きやり)」です。
(社)江戸消防記念会第一区八番「は組」の方々に資料や助言の協力を頂きました。
起動時間 午前11時から午後7時までの正時 約2分
平成21年11月完成
・・・と書かれています。
つまりからくり櫓(江戸落語)と同様、11時から19時までのちょうどの時刻に、1日9回動く、ということです。
そして木遣りの唄声が約2分間流れるのです。
こちらのからくり櫓(町火消し)は、高さ7m55cm。
もう1基のからくり櫓(江戸落語)は高さ6m50cmですから、町火消しの方が高いのですが、途中の絵の幅や派手さでは劣っているため、少し目立たない櫓です。
しかしロズマリ的には、「新参者シリーズ」の映画『祈りの幕が下りる時』では大観音寺や人形町交差点に近い関係で、主役の阿部寛さんの背景として印象に残りました。
10年前のTVドラマ「新参者」の撮影の際は、まだ完成したばかりで無名の「からくり櫓」。
2年半前の映画「祈りの幕が下りる時」撮影時には、人形町のシンボルとして名が知れていました。
・・・こちらの「木遣り」の部分、今回ご紹介させていただきます。
こちらの「木遣り」人形はあまり動きません。
ただ、からくり櫓(江戸落語)の噺家の人形と違い、緞帳などはなく、人形がいつも見えています。
木遣りの唄を唄うところですから、あまり動きは必要ないのですね。
でも、右と左、両サイドの人形は足元が浮いています。
木遣り唄が始まると、上に明かりがつきます。
そして手前と奥の人形が少し傾きまして・・・。
また元のまっすくに戻ったりします。
・・・次回もこの「からくり櫓(町火消し)」、上部の「梯子乗り」や「纏上げ」をご紹介させていただきます。
からくり櫓 町火消し
日本橋人形町1-17-7先