キタムラリョウ

江戸文化の中心地、堺町、葺屋町、芳町。
よし梅 芳町亭で伝統芸能に触れ合う

かつて、芳町は行き交う芸者のおぼこと三味線の音に満ちた花街でした。時代はさらに遡りますが、付近には約二百年続いた芝居町があり歌舞伎の中村座、市村座、浄瑠璃座、人形操座などの多くの小屋でにぎわっていました。芝居小屋が浅草に移転した後も芳町の人々は役者をひいきにし、娘たちは踊りや三味線の稽古に通い、住民同士でおさらい会を開いて芸に磨きをかけていたそうです。

そんな芳町の芸者の置屋の建物が「よし梅」になったのが昭和二年。元・神楽坂芸者の女優、花柳小菊の住まいだったこともある建物の二階のガラス障子を開けて「芸者新道」を見下ろすと、かっての風景が浮かんでくるかのよう。日本の伝統芸能を味わうのに、これ以上の場所があるでしょうか。

 

 

 

年4回、「よし梅」が伝統芸能の舞台になります。

年4回、「よし梅」が伝統芸能の舞台になります。 江戸文化の中心地、堺町、葺屋町、芳町。
よし梅 芳町亭で伝統芸能に触れ合う

よし梅はおとめ文学(一人で人形を操る文楽)、落語、怪談、講談、琴、津軽三味線などの一流の演者を年4回ほど招いています。

次回は2月27日(土)「義太夫節 新内節で聴く 樋口一葉 十三夜」。通常30名の所、20名ほどに制限して行う予定です。会場は料亭の2階。

「音響設備を通さない生音を聞いて欲しい」,「津軽三味線はお腹に響きます。初めて生演奏を聴いた方が感激で涙を流されていたのが印象的でした」(若女将 高野多見予)。振動が、波動が伝わってくる、聞こえる息使いや膝や手を擦る音も芸のうちなのでしょう。若女将には芳町の住民のDNAがしっかり引き継がれています。

2月27日 第一部11時開場 12時開演 第二部16時開場 17時開演 懐石弁当付き席12000円、鑑賞のみ6500円。 この時分、延期もあるのでお問い合わせください。03-5623-4422 あるいはよし梅のFacebookで。