蛎殻町の松

橋の上下流で堤防の高さが違う!?

広い水面、行き交う船、水辺の遊歩道「隅田川テラス」、堤防上のサクラなど、隅田川は中央区で最も大きな観光スポットであるといえるでしょう。一方、川や海は、自然の大きな力でまちに災害をもたらす可能性もあります。
堤防は、水の災害からまちを守ってくれる施設の一つです。隅田川と日本橋川には、高潮災害に対応した「防潮堤」が設置されています。日本橋川が隅田川に合流する地点には豊海橋が架かっていますが、この橋の上流側と下流側では堤防の高さが違っているのを実感することができます。
左の写真は橋の下流側(隅田川の堤防)、右の写真は橋の上流側(日本橋川の堤防)です。高さの違いは80cmです。想定している「計画高潮位」はどちらもA.P.+5.1mで同じなのですが、川の規模によってそれに上乗せする高さ(余裕高)が異なるということですね。
そこにあるのが当たり前にも思える堤防ですが、「どうしてこんな形なのかな?」「どうしてこんな大きさなのかな?」と疑問を持てば、その奥には多くのエンジニアが調査、計画、設計、工事、維持管理などに携わっていることがわかってきます。