文化勲章 三代の系譜 上村松園・松篁・淳之を観て

 日本橋髙島屋S.C.本館8階ホールにて、「文化勲章 三代の系譜 上村松園・松篁・淳之」が開催されている。親、子、孫まで三代にわたって日本画の美をそれぞれに追い求め、その功績で文化勲章を受章した上村松園・松篁・淳之の三人の画業を紹介する展覧会は、まさに美の相伝を感じさせるものであった。

 松園は、格調高い美人画で1948年に女性として初めて文化勲章を受章した。松篁は、自然を描く新たな日本画表現を追求して、1984年に受章。そして、2022年には、鳥の姿を通じて自然の神秘を描写し続けてきた淳之が受章した。

 会場内では、松園の作品として、「焔」がその下絵とともに展示されており、『「焔」は私の数ある絵のうち たった一枚の凄艶な絵であります』という松園の言葉がとても印象的であった。また、松篁や淳之は、自邸の庭で鳥を放し飼いにして、生きた鳥を観察することで独自の花鳥画を生み出した。松篁の「水温む」や淳之の「四季花鳥図」には、自然への優しい眼差しと愛が表現されており、母から子・孫へと受け継がれた美へのこだわりを堪能することができた。

【開催期間】2024年4月17日(水)~5月6日(月・休)

【開催場所】日本橋髙島屋S.C.本館8階ホール

【ご入場時間】午前10時30分~午後7時(午後7時30分閉場)

 ※最終日5月6日(月・休)は午後5時30分まで(午後6時閉場)

【入場料(税込)】一般1,200円 / 大学・高校生1,000円 / 中学生以下無料