あすなろ

広重 秋の景

秋月の情景を描写する「名所江戸百景 京橋竹がし」。

江戸城外濠から東方の江戸湾までを通船堀として開削され、東海道がこの川を渡る橋を京橋と呼びました。この京橋は、江戸幕府が架けた御入用橋で、親柱には宝珠形の装飾「擬宝珠」が付いた格式高い橋でした。

京橋川の水運による物資集散の地であり、京橋北詰の東河岸には竹商人が多く集まり、竹河岸が設けられていました。浮世絵では、月明かりに照らされた竹がしの穏やかな様子が伝わってきます。

現在、橋の親柱が記念碑として残され、川が流れていたところの上空を東京高速道路が覆っています。かつての京橋と京橋川の位置関係がわかるでしょう。

◆名所江戸百景 京橋竹がし
 国立国会図書館デジタルコレクションより

◆中央区観光協会
 エリアガイド「京橋」