NHKの連続テレビ小説「花子とアン」。翻訳家の村岡花子さんの生涯を描くこの物語、なかなか視聴率も好調なようです。6月中旬・第12週目のサブタイトルは「銀座のカフェーで会いましょう」。物語の舞台が甲府から東京に移ってきました。
時は1919年(大正8年)春 東京銀座。夢をかなえるため東京の出版社・聡文堂で働くことにした主人公の安東はな(吉高由里子)は、妹のかよ(黒木華)を頼り、銀座にある「カフェードミンゴ」にやってきます。
カフェの女給として働いていたかよに驚くはな。
「ご注文は『ブラジル珈琲』でよろしいですか?ここのお客さんは皆ほれを飲みに来るだよ。」
「ほれじゃあ、それを。」
と薦められて初めてコーヒーを飲むはな。そんなシーンから銀座の物語が始まりました。
華やかな文化が花開いた大正時代、ドラマでも髪型やファッション・カフェーなどから当時の華やかさが伝わってきます。
当時の銀座のあたりではカフェーが大流行していたようで、このシーンはまさしく「銀ブラ」の語源とも言われている、「銀座にあるカフェーパウリスタでブラジル珈琲を飲む」といったようなシーンでした。
この「銀ブラ」で有名なカフェーパウリスタ。当時は銀座6丁目にあったようですが現在のパウリスタは銀座8丁目・中央通り沿いにあります。
このドラマのもう一つの銀座の舞台、出版社の「聡文堂」。ここで安東はなは編集者としての仕事を行い、恋の相手と出会います。
モデルとなっているのは、銀座のど真ん中・銀座4丁目にある「教文館」。実際の村岡花子もここで編集者としての仕事を行い、夫・村岡敬三と出会ったようです。
今この教文館では、「村岡花子 出会いとはじまりの教文館」と題し、展覧会が開催されています。
この展覧会では、幼少から学生時代、敬三との出会い、教文館での仕事、赤毛のアンとの出会い、花子が訳した本などが紹介・展示されています。
特に直筆「赤毛のアン」原稿や、夫となった敬三とのラブレターなど、なかなか見ることができないものが多く必見です。
また、この教文館のビル自体も何だか、その当時の雰囲気が伝わってくる感じです。
今後、ドラマで村岡花子の生涯がどのように描かれるのか興味深々ですが、
この展覧会、来ておくとドラマを見るうえで楽しみが倍増するかもしれません。
●教文館(銀座中央通り・銀座三丁目交差点)
「村岡花子 出会いとはじまりの教文館」
7月14日(月)まで・会期中無休
11:00~19:00 最終日は17:00閉場
入場料:大人700円