皆さん、江戸ソバリエ協会という団体をご存じでしょうか。特定非営利活動法人、いわゆるNPOとして様々な活動を行っています。
中でも「江戸ソバリエ」の資格認定というプログラムがあり、毎年多くの蕎麦好きが挑戦しています。ぼくも何年か前に頑張って取得しました。
資格要件のなかに「蕎麦屋をたくさん訪ねてその味や店の雰囲気、特徴をレポートする」というのがあります。いろんな店を訪ねるのですが、中央区には蕎麦の名店が多いので遠出する必要も無く、区内で多くの店を訪ねることができました。
人的にも、「ソバリエ」になってみると、中央区にも多くの仲間がいることや、もっと言うと蕎麦好きな人がとても多いことに驚かされます。蕎麦を通じて新たな出逢いもたくさん得ることができました。何といっても蕎麦は江戸の食文化として「鮨」「天ぷら」「鰻」などとともに綿々と続く日本の味覚ですからね。また、最近は若い蕎麦職人も増えて、新たな感性で蕎麦に取り組む姿にも接することがあります。奥の深い食べ物だと感じます。
先ほども書いたように、中央区には多くの蕎麦の名店があります。皆さんそれぞれにお気に入りの店があることでしょう。また、日によって気分を変えて、いろんな店を訪ねるのもまた愉しいものです。ぼくのお薦めの店をご紹介しながら、あわせて中央区の魅力を探っていきたいと思います。
今日は銀座の「明月庵・田中屋」さんをご紹介します。泰明小学校の近くの路地にたたずむ安心の店です。蕎麦が旨いのはもとより、店のカジュアルな雰囲気、店員のてきぱきとした客さばき、酒と肴がほどよい品ぞろえになっているのも心が惹かれます。そして、何がいいと言って、日曜日も営業してくれているのです。ショッピングの合間にちょっと足を休めてくつろぎたいときに立ち寄るには最高のオアシスです。
もちろん、平日の夕方に、暮れゆく街並みを抜けてこの店を訪ね、ちびりちびりと酒を舐め、気の利いた肴で人心地ついた後に締めの蕎麦をいただくのは最高の気分です。
東京のど真ん中、日本有数の繁華街の裏路地に親しみを持って店を構えるこのお店は、都会の文化を体現するような"大人の居場所"です。"銀ブラ"の合い間にまた訪ねてみて下さい。
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