10月30日、訪日外国人旅行者(インバウンド客)数が2005万人となり(JNTO発表)、初めて2000万人を突破しました。政府では本年3月にインバウンド客数の目標値を倍増し2020年までに4000万人としていますが、中央区内でも外国人の姿を見かけることがごくごく普通のことになりました。一方、上京する地方の友人からは「ホテルが取れない、どうしよう!。。。空室はあるのだけれど高くて会社の規定旅費では泊まれない」などといった悲鳴が聞かれるようになっています。私自身も出張で訪日外国人にも人気の高い関西や北海道へ出かけることも多いのですが、確かに、定宿にしていたホテルの予約が最近取り難くなったと感じます。
こうした流れを受けてでしょうか。観光地を中心にゲストハウスといった一部屋にベッドがたくさん設置されている相部屋形式の宿泊施設が最近増えているようです。東京ではどうなのでしょうか?。。。検索してみると浅草、南千住、新宿などといった地域にはたくさんゲストハウスがあるようですが、ビジネス旅客需要の強い中央区には東横インや、スーパーホテル、アパホテルのようなビジネスホテルは多いもののゲストハウスについてはあまり評判を聞いたことがありませんでした。
少し前に豊海橋と小説「御宿かわせみ」のお話(「文学で楽しむ中央区(その5)~~御宿かわせみ~~(/archive/2016/11/post-3819.html)」)を書きましたが、天気の良い日曜日の朝、豊海橋を渡って日本橋川の北岸の通り(名無し通り)を散歩していると、一見普通のビルなのですが、「HOSTEL」の文字が目に入ります(場所は「日本銀行創業の地の碑」の向かい)。階段を登って2階のドアを開けると受付があります。お話を聞いてみるとやはりゲストハウスとのこと。2015年3月開業で、何べんも目の前を通っていたはずなのですが、夜であったことや、外見も普通のオフィスビルのようなつくりだったので気が付きませんでした。中央区観光協会ブログでの紹介はまだ無かったようですので、散歩の途中でしたが取材をさせて頂くことにしました。
2階の受付の手前で靴を脱ぎ、傍にある靴ロッカーにしまいます。鍵もかかるので、大きな宿でありがちな靴の取り間違えや紛失も無さそうで安心です。受付の裏側は共有ラウンジになっていて、朝の明るい陽射しが差し込んで気持ち良さそうです。ラウンジには宿泊者が自由に使えるキッチンもあって、夜はさぞ旅の情報交換の飲み会で賑やかなことでしょう!5階建のビルの1階、3階、4階が宿泊フロアで、カプセルホテルにあるようなセル(個室)が86室並んでいます。エコノミーな宿なので大浴場はありませんが、5階のシャワールーム(9室)で旅の汗を流すことができます!また、洗濯機・乾燥機(有料)があるほか、タオル、浴衣などのレンタル(有料)もあります。レンタル自転車(1日600円)もあるようですので、泊まっている外人さんには是非とも中央区の名所を訪ねてほしいものです。小説の中の御宿かわせみは、主人のるいとかわせみを取り巻く人々の厚い人情で安心して泊まれる宿(やど)でしたが、インバウンド時代のかわせみ「オークホステルキャビン」でも居心地の良い滞在ができそうです。
【オークホステルキャビン(Oak Hostel Cabin)】
所在地:〒103‐0015 中央区日本橋箱崎町1-16
電話:03-6264-9452
宿泊料金:¥2,500程度/名~(日により変動)
アクセス:地下鉄茅場町駅、水天宮駅・TCATから各徒歩7分程度。