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中央区観光協会実施の「中央区観光検定」に合格し、特派員登録をした観光ボランティアメンバーによる中央区の“旬な”情報をご紹介。

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冬至とは? 何を食べますか?

[銀造] 2018年12月20日 18:00

  2018年の冬至は12月22日です。

冬至には、柚子湯に入り、カボチャを食べるとか、私が小さい頃、母親は、「日が短いから蕎麦を食べるんだよ」と言って、けんちん蕎麦を食べさせてくれました。

ところで、冬至は「はんぺん」の日というのは、ご存知でしたか? 東京都蒲鉾水産加工業協同組合さんのポスターにご案内がありました。

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 はんぺんは、神茂のよしきり鮫を原料に使ったハンペンが有名ですが、築地、月島では、味の浜藤の製品も人気です。「〇ん〇ん」という食べ物を七つ食べると良いとの事ですが、私の好きな、他に「〇ん〇ん」の食べ物は、餡まん、寒天、金柑、きんとん、蓮根(れんこんは、先の見通しが良いです。) 等があります。あともう一つ挙げられたら、「満点」です。食べ物屋さんでは、「にんべん」が有名ですね。  美味しい物の「たんけん」に出かけましょう。

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 冷えた体には、温かい鍋物やおでんが最適です。(もう一つの食べ物の名前は写真に記載されています)

神茂さんのHPは、こちらです。

https://www.hanpen.co.jp/products/detail/1/

 

 

大手町と日本橋をつなぐ「竜閑さくら橋」の美しい夜

[柴犬] 2018年12月20日 14:00


今年の春に、千代田区大手町と中央区日本橋をつなぐ歩行者専用の大きな橋が新しく架けられました。その名も「竜閑さくら橋」。場所は新常盤橋と鎌倉橋の間、日銀本館まで歩いてすぐの場所です。

大手町を日本橋をサッとつなぐ橋があったらな...とは、この辺りで働く・暮らす人々の共通の思いでしたが、ついに!二年半の工事期間をかけて完成しました。

江戸初期、この付近には防火対策のため作られた竜閑川という掘割がありました。竜閑川は、日本橋川から浜町川・隅田川へと抜けるバイパス的な枠割もあり、水運に欠かせない存在でした。その後埋め立て・再掘割を経て、戦後にがれき処理のため埋め立てられ完全に姿を消しました。

現在でも竜閑川の痕跡は見られます。また、竜閑と名のつく公園や場所も残っています。今回の「竜閑さくら橋」もそうした経緯から、公募で名称が決まりました。

JRの高架橋と首都高八重洲線が重なるこの場所は工事が大変困難で、着工にあたり数々の最新技術が駆使されました。その結果!!首都高の出入り口や高架橋を行き交う車両、戦前の化粧煉瓦アーチ龍閑河岸橋高架橋、もちろん下には日本橋川という新旧入り混じる不思議な光景を眺めることができるミラクルな橋となりました。

そして夜にこそ、その異世界感が現われます。

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ビジネス街なので夜になると人もまばらで、耳には川の音と電車の音しか聞こえず、目にはすぐ近くの日本橋や銀座の賑やかさが感じられ、東京というダイナミックな都市の根幹に触れられる場所のように思います。

ちなみに竜閑さくら橋はクリスマスや年末年始の特別なライトアップやイベントは予定されていないそうです。残念!

すぐ近くの日本橋三越付近のライトアップもなぜか魔都感のある色彩になっているので

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近未来の東京と、どろりと怪しげな戦前の東京が混じるような世界観がお好きな方は是非、冬の「竜閑さくら橋〜日本橋」エリアを散策してみてはいかがでしょうか。美しい銀座や華やかな夏とは一味違う奥深さがあります。


 

 

八丁堀の「日比谷」?

[yaz] 2018年12月17日 18:00

『何を言っているのですか?』という声が聞こえてくる感じです。日比谷は「日比谷公園」のある日比谷に決まっているでしょと。でも八丁堀高橋そばに、日比谷神社・日比谷河岸があります。

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室町時代の長禄元年(1457年)、太田道灌が千代田城を築いたとき、天地の恵みに感謝して日比谷公園の地に奉斎したのが「日比谷稲荷神社」の起源です。徳川家康が入府すると、江戸城の大拡張工事が始まり、日比谷御門が建設されることになり追い出されました。代替地として環状2号線と第一京浜の交差点そばの現東新橋2-1に遷座しました。

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しかし稲荷の崇敬者は海岸に祀られないと困るとして、八丁堀の干潟を埋築して、社殿を造営し現在の地に遷座しました。

日比谷は日比谷入江であり、"ヒビ"を立ててノリを採っていました。古くから用いられたものに,小枝の多い「かし」や「なら」などの枝木や竹類を材料とした海藻粗(そだ)があります。1710年代には積極的に海藻を育てるために、粗が建てられるようになりました。安藤広重の「名所江戸百景」(1856~57)の一枚「南品川鮫洲海岸」に見事な海藻養殖場の風景が描かれています。

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これで「八丁堀の日比谷の謎」が解けました。

 

 

清洲橋は工事中です

[wienerhorn] 2018年12月17日 14:00

清洲橋IMG_6917.jpg国指定重要文化財である清洲橋は、関東大震災後の震災復興橋梁のひとつで、永代橋とともに隅田川に架かる美しい橋の一つとして有名です。
その清洲橋を対象に、来年秋まで2種類の工事が行われており、橋は仮設の足場などで覆われた状態となっています。
一つは、老朽化した「景観照明」を改修する工事です。照明はLEDになります。
もう一つは、鉄部分の塗膜の劣化によるさびを防ぐための塗り替え工事です。
美しい清洲橋の姿はしばらくお預けとなりますが、メンテナンスして長持ちさせることは重要ですね。

 

 

桜小橋 朝潮運河の歴史

[銀造] 2018年12月16日 18:00

 晴海アイランドトリトンスクエアに面した運河を「朝潮運河」と言います。

この運河には下流から、朝潮小橋、(朝潮水門があり)、黎明大橋(環状二号線)、黎明橋、トリトンブリッジがあります。 手持ちの中央区観光ガイドマップには、その次に晴月橋、朝潮橋、朝潮大橋がの順に記載されています。この地図には黎明橋と晴月橋との間に、細い二本線が描かれていますが、これが朝潮運河専用橋で(あさしお・うんがせんようばし)は、1960年代初期に架橋されたもので、一般立入禁止です。

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 最近、散歩した際に新しい橋が架橋されているのを知りました。桜小橋と書いてありました。「トリトンブリッジ」と「朝潮運河専用橋」との間に、2017年10月1日に架けられました。

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「桜小橋」は、勝どき二丁目と晴海一丁目を結ぶ歩行者専用橋で、朝夕の通勤ラッシュ時の歩行者の混雑緩和を図るために架けられたそうです。

また、桜小橋の横には、朝潮運河の歴史を記した説明板がありますので、ご高覧下さい。

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「珈琲 大勝軒」(日本橋人形町)

[五月雨ジョージ] 2018年12月16日 14:00

 日本橋人形町に立ち寄ったら、ぜひ訪れてほしい喫茶店があります。それが、甘酒横丁から2本北側の通りにある「珈琲 大勝軒」です。コーヒーショップとは似つかわしくない店名。大勝軒と言えば、つけ麺のお店が有名になった昨今ですが、人形町には全く別系統でありながら、それよりもず~っと歴史のある「中華料理 大勝軒」の総本山があったのです。

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 以前から会社の同僚とランチの後に良く立ち寄る「珈琲 大勝軒」さん。今回、あらためてお話を伺おうと思い立った理由は、ネット上にあまりにも不確かな情報があふれており、お店のご主人も困惑されていたからです。

 現在の店主、渡辺祐太郎さん(大勝軒5代目)と、そのお母さんの千恵子さん(4代目)にお話を伺いました。

店内右側の壁には「大勝軒」の屋号を記した書が掛けられています。なんと、あの日露戦争の英雄・乃木大将(乃木希典)が書かれたものだといいますからビックリです。書の左には初代店主渡辺さんへ贈り物であることを示す「為渡辺氏御」、そして確かに乃木希典のサインがあります。「大勝軒」という店名は、日露戦争に大勝したのを記念して縁起の良い名前だということで命名されたようです。いきさつは定かでないようですが、乃木大将はよく柳橋辺りに遊びに来ていたらしく、その時に何かの縁で知り合ったのではないか‥‥とのお話でした。

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▲屋号(書:乃木希典)

  

そもそも「支那御料理 大勝軒」は、大勝軒の創業者となる渡辺半之助さん(なんと安政5年生まれ!)が、屋台で商売していた中国人・林仁軒(りん・にんけん)さんと出会ったことから始まります。林さんは明治38年、20歳のときに広東省から来日した青年で、屋台で商売をしていたそうです。当時、油問屋をやっていた半之助さんは、商売人の直感が働いたのか、林さんを料理長として雇い支那料理店を開くと決めたのでした。しかし、半之助さんは開業の志半ばで死去。養子に入っていた松蔵さんが名を2代目半之助と改め、初代の遺志を引き継ぎ、大正2年(1913年)、ついに浪花町(現・人形町)に「支那御料理 大勝軒」をオープンさせたのです。

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▲左:昭和61年本店、中:昭和8年4月浅草支店、右:昭和3年当時

 大正から昭和にかけて、この界隈は、寄席の末廣、明治座、ダンスホール、映画館、水天宮、料亭などでにぎわい、大勝軒も大繁盛。昭和40年~50年代には支店3店のれん分け17店にまで拡充していったそうです。現在も4件が現役で営業しています (日本橋本町店、日本橋横山町店、浅草橋店、新川店)。

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▲昭和50年代三越で行われたイベントの様子。

料理の注文は人形町のお店で作ったものを三越まで出前したそうです。

なぜ現在、本店である人形町店は業態を変えて珈琲店になっているのでしょうか。

 お母さん(渡辺千恵子さん)はご主人を早くに亡くし30代で未亡人に。店舗と住まいを建て替えることになった時にお店を閉めることを考えました。建築には1年半くらいかかるし‥‥、仮店舗を見つけるにしても短期間の借用になる‥‥、従業員はどうしよう‥‥。諸々な問題が重なったこともあり、5代目の祐太郎さんと話し合った末、いっそ転業しようということになったということです。


 亡くなったご主人も祐太郎さんも、コーヒーは大好きだったそうです。母子二人でコーヒーの教室に通って勉強し、昭和63年、珈琲店に業態変更してオープン。店名は、本店を守ってきた歴代店主のために、そして、のれん分けを許されて現在まで伝統を守って営業している各店のためにも、「大勝軒」の名は残すことを決めたそうです。お母さんは言います。「平成の30年間、ずっとこの珈琲店を続けてこられたのも、代々『大勝軒』を引き継いでこられた人たちと、ごひいきにしていただいたお客様のおかげと感謝しています」。

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▲お母さん(渡辺千恵子さん)

貴重な資料をお見せいただきながらお話を伺うことができました。

   

 さて、現在の「珈琲 大勝軒」。接客は御年90歳になる元気なお母さん(千恵子さん)の担当です。「東京オリンピックまでは頑張りたい」と話します。いやいや、いまだに足腰も丈夫、歯は全て自前というお母さんですから、オリンピックと言わず、大阪万博だってお茶の子サイサイだと思いますよ!

   

中華料理店の歴史や店名ばかりが取りざたされていますが、実はこの店、もっとお伝えしたいことがあります。それは、コーヒーがとても美味しいということです。店主の祐太郎さんが、オーダーを受けてから心を込めてペーパーフィルタードリップで一杯一杯コーヒーを淹れてくれます。

 メニューはブレンド、アメリカンの他、レギュラーのストレートコーヒー5種類(キリマンジャロ、マンデリン、グアテマラ、モカマタリ、コロンビア)、そしておすすめの豆(現在はエチオピア)。他にはミルク、紅茶、ココア、ジュース類など、飲み物のみ。

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 まずは400円のブレンドをおすすめします。ブレンドを飲めばそのお店の実力がわかりますからね。コーヒーカップのデザインも素敵です。

 
 オープンされる時に最初にそろえたのは籐の椅子だったそうです。ということは30年前から使われているということです。そして、その椅子に合わせてテーブルなどを揃えていったそうです。

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▲珈琲店開店からの籐椅子(左)と

中華料理店時代からお店を見守っているステンドグラス

 大勝軒さんでは「珈琲券」も購入することができます(11枚綴り4000円)。コーヒー好きな私にとってはとてもお得なチケットなので、いつも利用させてもらっています。

c珈琲券.jpg▲お得な珈琲券

 
 人形町にお越しの際は、ぜひ「珈琲 大勝軒」にお立ち寄りください。一杯のコーヒーで心をリフレッシュしてみてはいかがでしょう。運がよければ、この界隈のお話や大勝軒の歴史が聞けるかもしれませんよ。 

  

今回お二人にはお店の話だけでなく、中華料理店時代に常連だった有名人の話や、昔のこの界隈の話など、お話を伺って、ますます人形町の歴史に興味がわいてきました。そしてさらに人形町が好きになりました。

それにしても、店内の落ち着いた空気とこの安らぎ感は、どこから生まれてくるのでしょう。それはおそらく、人形町という場所柄ばかりではなく、「大勝軒」という中華料理の名店の歴史を背負ってきた渡辺さん母子の覚悟の生きざまにあるのではないでしょうか。そんなことを感じさせてくれた今回の取材でした。

  

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珈琲 大勝軒

東京都中央区日本橋人形町2-22-4

TEL:03-3668-8600

営業時間:11:00~15:00

定休日:土・日・祝