Hanes

9月1日 待望のオープン!
「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」


こんにちは。Hanes(ハネス)です。
本ブログでも何度か話題になっているように、8月1日に築地本願寺の5番目の分院「佃島分院」が入る「築地本願寺佃ビル」が竣工し、9月1日にオープンを迎えました。
佃・月島エリアにお住いの方々に寄り添う施設である一方、観光でそのエリアを訪れる方にとって見逃せないスポットになるのではと期待されています。

そこで本記事では、「築地本願寺佃ビル」に込められた想いやこれまでの歴史に焦点を当てるとともに、同ビルに入居する「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」のおすすめメニューやこだわりを一足早くご紹介します。

目次

「築地本願寺佃ビル」とは

昔ながらの街並みを残しながらも、高層マンション等の建設で街の景観が年々変わりつつある佃・月島エリア。
地上9階、地下1階からなり、もんじゃストリートとして親しまれている西仲通りの北端に位置する「築地本願寺佃ビル」も、このエリアの新たな交流拠点となる建物の一つです。
では、どのような施設が入居しているのでしょうか?

ふらっと立ち寄りやすい1階に設けられているのは、「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」ならびに授乳室「赤ちゃんフラット」
2階には「佃島分院」の本堂と事務所が、3階から9階には介護付有料老人ホーム「ドーミー月島駅前」が入っています。
お子様連れの方からご年配の方まで利用しやすいよう、ビル内はバリアフリーを意識したつくりになっているのも特徴です。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」

オープン前日の築地本願寺佃ビル


9月1日のオープン前日に開催された内覧会では、築地本願寺 責任役員副宗務長の東森尚人氏より「佃島分院」のご説明がありました。
東森氏は、「佃島分院」が新たなランドマークおよび都市型寺院のモデルケースになれたらと話します。

ビルの建設にあたっては、元々あった「佃島説教所」の伝統を引き継ぎ瓦や木材の一部を再利用したほか、周囲の街並みに合うよう景観にも配慮したそうです。
この分院の主な特徴は、「生きている間の絆づくり」「葬儀、お墓だけに頼らないお寺の事業モデルの実践」です。
近隣にお住いの方や老人ホームのご入居者の方の心のよりどころとなり、気軽に相談できる都市部のお寺を目指すとともに、「葬式仏教」や「お布施に頼る」というイメージから脱却し、お寺が不動産事業を行い資産形成することで永続的な活動の実現を狙います。

総事業費は、約17億円
このほとんどを銀行からの借り入れで賄っているそうです。
築地本願寺がこの新事業にかける熱意がその額面からも伝わってきます。
新たなお寺の形として早くも注目が集まるのではないでしょうか。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」

(左)責任役員副宗務長の東森尚人氏
(右)法要行事部部長の土岐好道氏


続いて法要行事部部長の土岐好道氏より、築地本願寺と佃島のご縁について歴史的なお話がありました。
そのご縁は、1657年の明暦の大火にまで遡ります。

浅草御坊(当時の築地本願寺の名称)が焼失した後、幕府から与えられた八丁堀の海上百間四方の替地が埋め立てられて浅草御坊の再建地となりました。
その際に埋め立て工事に尽力したのが、摂津国(現・大阪府)西成郡佃から江戸に移住してきた本願寺門徒の漁民たちでした。
その門徒たちは佃島に「佃島説教所」を開いて子や孫に浄土真宗の教えを伝え、現代にまで至っています。
現在「築地本願寺佃ビル」が建っている場所こそその跡地であり、数年前までは木造の説教所がありました。
(東京都中央区の佃島(現・佃)と大阪府大阪市西淀川区の佃の関係については、2018年11月の記事「【遠足シリーズ第9弾】漁民が結んだ縁の島」をご覧ください。)

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」

佃島分院・本堂


そのような築地本願寺や佃島説教所に関する歴史を踏まえたうえで、入居テナントのご紹介がありました。
まずは、株式会社共立ビルメンテナンスの取締役でシニアライフ事業本部長の君塚良生氏より、同社が提供するサービスおよび同ビルに入居する介護付有料老人ホームのご説明。

築地本願寺が出生から死去まで人生の節目に立ち会うように、同社もまた保育園運営から高齢者向け住宅の運営まで利用者の人生の様々な節目に寄り添うサービスを提供しています。
今回は築地本願寺より「社会貢献・地域貢献できる事業に取り組みたい」と相談を受けたことがきっかけで、連携して介護付き有料老人ホームを開設する運びとなったそうです。

本堂の上に人が住むこと自体が新しく、やや違和感を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、お墓が見える家が敬遠されるのとは異なり、同ビル内に傾聴してくださるお坊さんが常駐していることがご入居者様にとってプラスに働くこともあるそうです。
希望者には仏具磨き等の活動をご案内するとのことですが、築地本願寺との関係は飽くまでもご入居者様の自由。

老人ホーム運営の核となるのは、生活習慣病と認知症の予防・改善につながる食事活動睡眠
総室数は53室で、ご入居者様3名に対し1名以上のスタッフを配置するほか、栄養に配慮したメニューはもちろん、ご当地メニューからケーキバイキングまで非日常が味わえる至れり尽くせりのサービスも。
就寝中の心拍数や体温等の状態をリアルタイムで把握できるAI見守りセンサーも導入され、ご入居者様のご家族も安心できる環境が整っています。

入学式前後に一気に稼働率が上がる学生寮と異なり、老人ホームの稼働率は緩やかに上がる傾向にあるといいますが、9月1日のオープンを前に既に53室中20室の入居の話が進むなど、好調な滑り出しを記録しているそうです。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」

(左)株式会社共立ビルメンテナンス 取締役・シニアライフ事業本部長の君塚良生氏
(右)株式会社プロントコーポレートション 常務取締役・インキュベーションカンパニー長の杉山和弘氏
(右後方)築地本願寺 主管・佃島分院 責任者の平井裕善氏


最後に、株式会社プロントコーポレートション 常務取締役・インキュベーションカンパニー長の杉山和弘氏より「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」のご説明がありました。
和テイストのごはん、ドリンク、スイーツを取り揃えたこのカフェでは、「築地本願寺カフェ Tsumugi」の人気メニュー「18品の朝ごはん」同様に第18願の18にちなんだ月島店限定メニュー「18品のブッダボウル」も提供されます。
トッピングには名店の商品が中心に取り入れられており、スイーツは築地本願寺にちなんだ「親鸞聖人ごのみの塩豆大福」も楽しめるとのこと。

本記事では観光情報の発信に重きを置いていることもあり、今後大いに注目を浴びるであろうカフェに焦点を絞り、もう少し掘り下げてみたいと思います。

新たな憩いの場「築地本願寺カフェTsumugi はなれ 月島店」

築地本願寺インフォメーションセンターに店舗を構える「築地本願寺カフェ Tsumugi」同様、株式会社プロントコーポレーションが運営するこの月島店は、席数12席とコンパクトながらもおしゃれで落ち着いた雰囲気。
その雰囲気は、「和カフェ Tsumugi」ブランドならではの和のモチーフ藍色を取り入れた居心地の良い空間づくりによって醸成されているといえるでしょう。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」


メニューには高品質で健康志向のものが充実し、感度の高い女性たちの心に響くこと間違いなし。
ドリンクは、創業150年以上の歴史を誇る大阪の老舗茶屋「布袋向春園(たふこうしゅんてん)本店」の日本茶、同店の茶葉インストラクターによるオリジナルブレンドの日本茶ハーブティー、抹茶やほうじ茶を使ったオリジナルドリンクを提供。
まだ暑さの残る9月でしたら、水出しならではの旨味が味わえる冷茶がおすすめです。

またフードは、見て、写真に撮って美しく、何品目も摂取できてからだに嬉しい5種類の「ブッダボウル」が楽しめます。
ブッダボウルは、雑穀の上にたっぷりのせた野菜の盛り上がった様子が、仏様のぽてっとしたお腹に似ていることに由来。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」


全てのブッダボウルには「貝だし味噌汁」がつき、税込418円プラスでドリンクセットにすることができます。
「リフレッシュ」「バランス」「アクティブ」など、その時の気分や状態に合わせて選べる日本茶ハーブティーと組み合わせてみてはいかがでしょうか?

見逃せない限定メニュー「18品のブッダボウル」の魅力

うに風味の魚のすり身を使用した「罪なきウニブッダボウル」や「大豆ミートのロコモコ風ブッダボウル」などがある一方、築地本願寺とコラボして生まれたメニューが前述の「18品のブッダボウル」(税込1540円)です。
名前に関係する「第18願」は、築地本願寺のご本尊である阿弥陀様がすべての生きとし生けるものを救うためにたてられた48の誓願の中心となるもので、「あなたを決して見捨てない」という願いのこと。

気になる18品は、銀鮭 塩麹焼(魚河岸北田)、甘口昆布の佃煮(江戸一)、スイカ奈良漬け(吉岡屋総本店)、瀬戸内産 焼き海苔(金子海苔店)、舞妓柴漬け(吉岡屋総本店)、とろ湯葉、黒豆(江戸一)、卵焼き(つきぢ松露)、ゆずべったら漬け(吉岡屋総本店)、おくらのお浸し、蓮根と鶏肉の梅和え、十三穀ご飯、鰹上削り節(秋山商店)、あさり佃煮旨炊き(江戸一)、椎茸の甘煮(江戸一)、桜でんぶ(江戸一)、厚揚げときのこの煮浸し、貝だし味噌汁。

築地本願寺のカフェで提供されている18品とは異なる築地場外市場の名店の味も楽しめるとのことで、既に「18品目の朝ごはん」を召し上がったことのある方にもぜひ味わっていただきたいメニューです。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」


今回は、鹿児島県産の深むし茶(冷茶)とともにいただきました。
鰹上削り節を、お好みのタイミングでお好みの量をブッダボウルにかけるのがポイントです。
トッピングはどれをとっても妥協のない高品質
食感の違いが楽しめるだけでなく、味の足し引きのバランスがちょうどよく大満足。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」


写真を見ると一目瞭然なのですが、何より銀鮭が大きく食べ応えがあります。
佃島発祥の佃煮は味がしっかりしみていて味わい深い一方、とろ湯葉、ゆずべったら漬け、おくらのお浸しはあっさり。
貝の旨味が口の中に広がる貝だしの味噌汁も美味しく、またこのカフェを利用したいと思ったほど。
近々佃・月島エリアへの観光を予定している方は、ぜひ「18品のブッダボウル」をご堪能ください!

手土産にもおすすめ!「親鸞聖人ごのみの塩豆大福」

スイーツには、「芋ようかんの和三盆ブリュレ」、「和栗と焦がしきな粉のほうじ茶モンブラン」、「みたらしシフォン~北海道あずきとミルキーホイップ~」といった3種類のケーキと「親鸞聖人ごのみの塩豆大福」があります。
大福は親鸞聖人が小豆を好んだことに由来する逸品で、1個で税込770円、2個で税込990円。

 9月1日 待望のオープン!「築地本願寺カフェ Tsumugi はなれ 月島店」


餅は、厳選した風味豊かなもち米を杵で丹念につきあげてできており、とにかくのびやかで柔らか
さらに赤穂の天塩で上品な塩味に仕上げた赤えんどう豆が、北海道産の小豆を使用したこしあんの甘さを絶妙に引き立てています。
体裁の良い小箱に入れてくださるため、お持ち帰りはもちろん、手土産にもぴったり。
その美味しさは、ぜひご自身でお確かめください♪

おわりに

人の人生の節目に関わり、社会貢献できるお寺でありたいという願いのもと、関東大震災に伴う火災で築地本願寺本堂焼失100回忌にあたる2022年に竣工した「築地本願寺佃ビル」。
築地本願寺も佃島別院も、時代や節目に合わせて発展的に変化しています。
継続的に「開かれたお寺」を目指している築地本願寺の取り組みには、良い意味で毎度驚かされるものがあります。
佃・月島エリアの新たな憩い・交流の場として自由に利用できるカフェや月島分院が、今後そのエリアにどのような効果をもたらすのかとても楽しみです。

本記事の執筆にあたり、築地本願寺の広報ご担当者様にご協力いただきました。
この場を借りて改めて御礼申し上げます。

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ご紹介スポット情報

浄土真宗本願寺派 築地本願寺佃島分院
住所:東京都中央区月島1-2-9 築地本願寺佃ビル2F
電話番号:03-4582-2187/FAX:03-3541-1424
公式ウェブサイト:https://tsukudajima.jp/
アクセス:
・公共交通機関の場合:東京メトロ有楽町線 月島駅から7番出口徒歩1分
・お車の場合:駐車場はございませんので、お近くのコインパーキングをご利用ください。


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