日本橋浜町をぶらっと散歩してみました。都営新宿線の「浜町」A2番出口を出ると、何と緑あふれるオアシス。ベンチに腰掛けて新聞を読む人や、犬を傍にうたた寝している人がいたり。パリのメトロ?と思うくらい、いい感じです。すぐ前が明治座ですが、今日は回れ右して、浜町公園前の細い道を右へ行きます。
すぐ右手に目につくのは、手ぬぐいの店「高虎」。江戸時代から紺屋を営んでいたという老舗です。ご主人は歌舞伎役者みたいな粋な江戸っ子。いつも二階で仕事をしていますが、運がよければ会えるかも。手ぬぐいを作り続けて50年。ひとくちに手ぬぐいといっても奥が深い。ユーモアに溢れていて、しかも教養がないとわからない!!たとえば下の三本。見ただけで持ち主がどこの人か判るそうな。当ててみて下さい。
答-左から日本橋(算盤の玉→商人の町)浅草(観音さまをすくった漁師の網)木場(角材)
伝統を守りながら、新しさも取り入れています。クリムトの作品とのコラボもあるのですよ。またこの「Yabo Tシャツ」判りますか?菊の花びらが何とYaboの文字。「聞くだけ野暮」ですね。ご主人の話を伺うと、目からウロコまたウロコ。いや~ちょっとだけ、粋を分けてもらって来ました。
さて、道をまた少し行くと、左手には「清正公寺」。実はこの広い浜町公園は熊本藩 細川氏の庭園跡地なのです。そして初代 (肥後)藩主は 「清正公」 こと、 加藤清正なのでした。熊本の日蓮宗本妙寺から勧請して創建したそうで、現在の堂宇は昭和34年(1959年)に再建されたものだそうです。
寺を背に路地をまっすぐ行きます。アレ?何やら長いものが...どうやら洗濯した「まわし」が3階から干してあるのでした。壮観です。なるほど、ここは相撲部屋。「荒汐部屋」と立派な木の表札がかかっています。親方はもと小結大豊関。朝9時前なら、力士の稽古を外からも見ることができます。
路地をそのまま行くと清澄通りに出ます。通りを渡って左へ、そして右折。ここは穴場のフレンチレストラン「ルブション」。浜町というと和食のイメージですが、そこは食通の街。フレンチだってイタリアンだってあるのです。この「ルブション」、ランチなら1800円からOKです。
ランチの後はすぐそばの「タンネ」で明日のパンなどいかがでしょう。ドイツパンのマイスターが焼いているそうです。軟らかくて、甘めのパンに慣れている日本人には少し地味に感じられるかもしれませんが、噛めば噛むほど味わいが出てくる、そんなパンです。
目の前は緑道。この緑道を境に向こう側は人形町です。今日はこの緑道を右へ。「勧進帳」の弁慶像まで来たらまた右へ行くと清澄通りへ戻ります。
今日のお土産はその角の「港屋」で決まり。
竹久夢二の版画をはじめ、絵葉書や和小物まで夢二グッズでいっぱいの「夢二専門店」です。一歩足を踏み入れたら、もう大正ロマンの世界に浸れること請け合いです。そもそもこの店は、竹久夢二が自ら開いた「港屋絵草子店」の再現といってもいいお店です。夢二が開いた店は呉服町でした。今はみずほ信託本店のビルがそびえていますが、大正時代には女性たちの人気スポットだったに違いありません。今はここ浜町で、夢二大好きのご主人が夢二の話をタップリ聞かせてくれますよ。
浜町2丁目をちょっと回ってきましたが、浜町はまだまだ奥が深い!ということで、続きはまた...