まだ実物を見たことのない人へ。
「銀座の誇る代表的ランドマーク、昭和の国登録文化財。
一見の価値があります」
見飽きた人は。
「あと一年足らずで見納めです」
古典芸能・歌舞伎の殿堂,歌舞伎座があと11ヶ月余りで幕を閉じ、解体・改築工事にはいります。
この建物のなかで、昭和・平成の名立たる名優が、花道で喝采を博し大向うをうならせ,あまたの観客を魅了してきました。
今回の建て替えで意匠も新たに、周辺の高度利用化を見据え、外観はシンプルで斬新なデサインに なるようです。
破風屋根が特徴の桃山様式風の格式ある外観の撤去を、長年にわたり慣れ親しんだ数多くのファンが惜しんでいます。
しかし、街は常にその時代にふさわしい建物を要求します。そして、そのエネルギーにより都市は未来に向かい再生し続けます。
建築物としての歌舞伎座は十分その使命を果たしました。
この地域の今後の発展は新しい劇場へ委ねましょう。
一年後、ここを再び訪れても、建物は取り壊し用の防音板で蔽われ
その姿を見せてはくれないでしょう。
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