「一番高いところ」といっても「地価」「建物高さ」にあらず、「標高」の話。
そもそも、全国の標高をはかる基準になった場所が
この歴史的な水準点から国会議事堂前の憲政記念公園内にある現在の日本水準原点(24.4140m)が測量決定されたのだった。
区民史跡の霊岸島検潮所・量水標跡はよく知られたところであるが、見逃せないのが、そこからやや離れた位置に存在する「一等水準点『交無号』」(写真上)である。平成18年(2006)、現在地に移転したもので、平成21年(2009)2月に説明板が設置された。ここの標高は3.24mとある。
標高の高い地点は日本橋本石町三丁目で4.7619m。つぎは銀座五丁目4.7562m、銀座八丁目3.8337m(写真下=銀座八丁目の水準基標)とつづく。やはり、銀座は「地価」も高いが、「地盤」も高いようだ。
一方、低い地点の標高は0.7360m。よって区内標高の高低差は約4mで、ビルの1階分ほどの高さだ。
標高の高い地点をたどっていくと、古来の本郷台地延長線から江戸前島と呼ばれた稜線に沿っているように思える。かつての東海道筋もここに通されたようで、地形を生かした都市づくりがあったのだろうか。
■「中央区 ここに歴史あり」シリーズ
第1回 「今もある、霊岸島」 こちら>>
第2回 「交差点に残る、今なき橋」 こちら>>