日本でもっとも有名な繁華街の一つ、銀座。江戸時代から続く老舗や、流行最先端の高級ブランドショップなどが軒を連ね、賑わいのなかにも、そこはかとない品格を感じさせる大人の街です。
四丁目交差点
さて、皆さんは銀座で道に迷ってしまったご経験はないでしょうか。銀座はほとんどの通りが直角に交わる碁盤の目状の街です。どの交差点も四つ角という点では同じに見え、銀座に慣れないうちは自分がどこにいるのか分からなくなてしまう時があるように思います。
ではどうして銀座はこのような碁盤の目状の街になったのか―。その理由はおよそ400年前、家康が江戸という街を造った時期にさかのぼります。銀座が家康によって、"町人地"として整備されたのは江戸時代初期の1612年。家康は、ほとんど人が住んでいなかったこの土地を、碁盤の目状に区画整理し、町人に与えたのです。その際に作られた通りである東海道(=現銀座通り)とその裏通り(=現並木通り)、またそれらと直角に交わる通り(当時は横丁と言いました)である銀座柳通り、マロニエ通り、晴海通りなどの位置関係は、なんと400年前とほとんど変わっていないのです。ちなみに現在の銀座のメインストリート、銀座通り(この通りが旧東海道に当たることを知らない人も意外に多いのでは...)の車道の道幅約16メートルは、江戸時代の道幅とほぼ同じです。江戸時代は、江戸城へ登城する参勤交代の大名や、絢爛豪華で知られた朝鮮通信使たちの通り道でした。歩行者天国の折に、400年前に思いを馳せながら、銀ブラしてみるのも楽しいと思います。現代の流行の最先端と、400年の歴史の重みが、ごく自然な形で溶け合っている銀座。そんなところにもこの街が人を惹きつける秘密があるのかもしれません。
銀座(中央)通り