一度梅雨明け宣言があったと思いきや、日本では46年ぶりの皆既日食当日も雨雲に覆われた空に遮光版を用意して楽しみにしていた子供たちもがっかり!
さて、今回は東京湾にレインボーブリッジが目の前に広がる月島4号埋立地(現在の中央区晴海)の歴史を紐解いて見よう!
江戸時代に徳川家康によって始められた天下普請と呼ばれる埋立て工事により日本橋、銀座、新橋へと350年前には築地までの埋立てが完了。明治後半には佃島、石川島をベースに月島1号地(現月島1~4丁目)、2号地(現勝どき1-4丁目)、3号地(現勝どき5~6丁目)と続き昭和6(1931)年にこの月島4号地の埋立工事が完了、昭和15(1940)年にはアジア初の万博『紀元二千六百年記念 日本万国博覧会』のメイン会場となるはずであった。
このプロジェクトに向け、建築・橋梁デザインなどのコンペもあり、当時の有望建築家がこぞって参加するが、World War Ⅱへと向かって行く過程で、結果的に"幻の日本万国博覧会"となった。
そのメインゲートとなった勝鬨橋は昭和15(1940)年に完成、国重要文化財に指定され今もその姿を留める。(但し、本来の双葉跳開橋は昭和45(1970)年に閉じられたまま!)
*中央区タイムドーム明石ではこの"幻の万国博覧会"歴史映像ビデオの上映会も時折開催するが、郷土資料の常設展示室に当時の入場券や会報誌等の展示あり。
*併設特別展示室では7月25日~8月30日まで夏休み特別企画『見て!触れて!学べる!恐竜展』開催中!プラネタリュームではギガ迫力の3D!
この万博と同じく昭和15(1940)年に東京で開催予定だったのが、第12回オリムピック、『アジアの一角に全世界の若者が集まる時、世界は新しい平和の幕開けの時を迎えるであろう!』と、IOC(国際オリンピック委員会)メンバー嘉納治五郎氏の宣言とは反対方向へ、結局こちらも"幻の東京オリムピック"となった。
昭和39(1964)年、戦後日本復興の象徴としてやっとアジア初の第18回オリンピックを東京で開催、それから45年後の今年は2016年予定の第31回オリンピック開催候補地に東京が立候補、今年10月の開催地決定に向けオリンピック・メイン・スタジアム予定地はこの晴海ふ頭の隣接地。
歴史の幻がまた夢となって復活し目の前に現れようとしているが、皆の想いが一致すれば、
Our Dreams may come true!
江戸湊に端を発するウオーター・フロント開発のDNAをしかりと受継ぎ新生"昭和"の時代を築こうとする中、昭和12(1937)年、"いつも晴れた海を望む"からこの月島4号埋立地を"晴海"と命名!そんな歴史の幻を心に留めながら晴海アイランドの端から端を、東端の春海(はるみ)橋をスタートして、Let`s run through the Harumi Island!
さて、この春海橋と平行して架かる錆付いた鉄橋が早速目に入る!
これは、晴海鉄道橋(現、春海鉄道橋)といって昭和32(1957)年に開通した臨港貨物鉄道、晴海線という晴海ふ頭で水揚げされた貨物を運ぶ専用線として平成元(1989)年に廃止されるまで機関車が走る鉄橋であった。
そのまま晴海通りを西向きにまっすぐ進んで行くと、途中北側に中央区"夜景八選"にもリスト・アップされてた"晴海アイランド・トリトンスクエア"、さらに直進すると、こちらは中央区"おはこ十八景"に選ばれた、"東京港晴海ふ頭"に突き当たる。
*この秋10月12日(体育の日)には第21回『区民スポーツの日』マラソン大会が月島・晴海周辺道路をコースに開催されるので直線練習コースに最適!
東京港晴海ふ頭は昭和30(1955)年に開業、昭和34(1959)年にはアジア初の国際見本市会場、その後東京モーターショーなども開催され、東京の海の玄関として、また国際イベント会場として多くの人を魅了して来た。
平成2(1990)年、豪華客船クイーン・エリザベス2世号(QE2)を迎えたクルーズ・プロジェクトを最後に、平成3(1991)年、東京港開港50周年を記念して現在の晴海客船ターミナルに生まれ変わった。
正面に広がる東京湾にはレインボーブリッジ、お台場、東京タワーなどスカイブルーとマリンブルーの360°東京ベイ・ビューが楽しめ、ターミナル7階の展望台から据付望遠鏡にてさらにズームアップ!
また、このターミナル1階正面広場には赤い鉄柱オブジェが16本あり、よく見ると1本ずつ風穴の位置と数が微妙に違い、そのコンクリート台座にはそれぞれ異なった文字が日英両語でプレートに刻まれている。
初めに"言葉 WORDS"ありき!
レインボーブリッジに面したウオーターフロント広場ではステンレスのキュービックスクエア・オブジェが海風にゆられて廻っているが、夜になって海風がぴたっと止まると、この水面にレインボーブリッジと周辺のイルミネーションが共に映り込み幻想的なオーロラカラーを作り出す。
その瞬間、プロカメラマンがシャッターチャンスを狙う!
家族連れには停泊中の豪華客船、帆船などが海外からも入港、歓迎セレモニーでの音楽隊演奏や海上艇からの放水ショーもあったりして子供たちも大喜び!
夜になると絶景の夜景はドラマ・映画の撮影にも利用され、デートコースとしても大人気!(もちろん、中央区"夜景八選"のひとつ!)
毎年8月の第2土曜日は中央区主催の東京湾大華火祭(これも中央区"夜景八選"!)会場ともなって1万2000発打上げ花火の宴にはなんと晴海会場招待客だけで約12万人、屋形船など観光船も100隻以上が繰り出し、この晴海アイランドは超ギガ混雑となるのでくれぐれもSafety First!
週末には、隣接する晴海ふ頭公園にてバーベキューエリア、釣りエリア、テニス練習場などの施設も利用可能。
公園内には東京港とニューヨーク・ニュージャージー港の国際姉妹港15周年記念として平成7(1995)年には愛称ニューヨーク・ニュージャージ・ガーデンとなり、東京港が特定重要港湾として東京都管理下となった30周年記念として、昭和56(1981)年に寄贈された彫刻家宮本光庸による乙女の像『花』には当時の鈴木俊一東京都知事の題字"花"と正子"八十一花"の俳句が"みはるかす みなと晴海よ ひまわりの 花の乙女に 光あらせよ"と刻まれている。
その傍らにはチリ共和国との日智修好100周年記念(平成9/1997年)の際、チリの首都サンチャゴの日系人が昭和16(1941)年にサンチャゴ市政400周年記念に贈呈した大型チリ国旗のお返しとしてチリ海軍練習帆船の『エスメラルダ』に乗って運ばれた日章旗の献呈式が行われた掲揚台が船のメイン・マストのようにそびえ立つ!
あなたもひと夏の思い出をこの"Harumi Island" で作って見ませんか?