50周年記念事業「まち歩き文化コース」第2回目の銀座コースが8月20日(木)午後2時から開催され、好評のうちに終了した。今回の実施は第1回に引き続き、「中央区文化財サポーター協会」が担当した。
写真は三原小路で参加者の皆さん(掲載のご了解を得て撮影したものです)。
この日、午後3時の気温30℃、湿度60%で晴れて炎天下であったが風があったためか、気分的にやや一息ついた感じだった。集合場所の数寄屋橋公園に集まった参加者は10数人。参加者の多くは中央区民であったが、なかには他地域からの来訪者も含まれた。さっそく、2組に分かれルートをまわる。
かつての外堀、現在の千代田区との区境である高速道路に沿って区立泰明小学校へ。藤村、透谷の出身校であり、東京都歴史的建造物となっているツタの絡まる校舎を眺めつつ、先に進む。路地奥には銀座文化の歴史を刻んだ老舗バーが今も佇んでいる。おしゃれな並木通りは銀座らしい雰囲気を醸し出し、啄木碑に立ち寄る。交詢社ビルは様相を変貌したが、一部に往時の面影も残る。隣接した昭和初期の古いビルは取り壊しの最中で、歴史からまた消えていく姿を目の前にする。
銀座で一番長い路地に入る。途中にある3カ所の自動扉に驚きを感じつつ進むと、まもなく稲荷神社に着く。金春通りには銀座煉瓦街遺構など、地元有志の努力で歴史が凝縮されている。東海道であった中央通りから東側には、芝口御門跡、しがらき茶屋跡、三十間堀跡など江戸からの話題に事欠かない。
「銀座でブラジルコーヒーを飲む」が「銀ブラ」とうたう、喫茶店を越え、商法講習所跡から中央通りを歩くとかつての尾張町。ここは江戸期3店の呉服商が軒をならべたところ。三原小路から三十間堀だった三原橋跡をくぐり、四丁目裏へ。銀座のミツバチで有名なビルを横にして、お稲荷さんでお参り。
ガス灯通りにはレプリカであるがガス灯が4基、今も点っている。ガスの次に登場した電灯は、中央通りに15mの電気灯柱が建っているので実感できるところである。明治近代化で華やかな中心地は、今日、四つ角に海外ブランドショップが競っている現代銀座のシンボルに様変わり。すぐ近くは「銀座発祥の地」、これこそ銀座の原点である。ここで約2時間の銀座まち歩きを終える。
参加者の感想は「はじめて見たところが多かった」「裏道は知らなかった」「面白く、楽しかった」などが聞かれた。何よりも嬉しかったのは、参加者の皆さんのご協力で、このまち歩きを盛り上げいただいたことであった。歴史に詳しい方との対話など、今までにないご理解に厚く感謝したい。