1月10日(日) 鐵砲洲稲荷神社で寒中水浴大会が行われました。
新春に神前で冷水を浴びて心身を清め、禊祓(みそぎはらえ)と無病息災を祈願する神事です。
江戸時代では寒禊(かんみそぎ)、寒垢離(かんごり)と呼ばれていましたが戦後に「寒中水浴大会」と現代語に置き換えて復活しました。
男性は越中褌、女性は白の着物を着て氷水に入ります。
2010年で 55回目を迎える伝統の祭礼です。
9時半より神楽殿では 笛・太鼓・鼓による 鐵砲洲稲荷囃子が 奉納演奏されていました。
氷柱が トラックで運びこまれました。
空はよく晴れ渡り 絶好のコンディションです。
11時より宮司さんの御話の後、鳥船(とりふね)などの準備運動を行い、公道に出て神社1周のランニングの後、道彦さんの指導で和歌を何度か歌い、掛け声を掛け、声を出す事によって 呼吸を整え 霊魂の浄化を促しました。
この日は一般公募も含め 80名の方が参加し、中には75歳位の方もいらっしゃいました。
女性は7人程でした。
北海道、宮城、福島、石川、静岡、福岡等、飛行機での参加者も あったそうです。
鳥船行事(とりふねぎょうじ)・・・船を漕ぐ動作が中心となります。
振魂(ふりたま)・・・・・・・・・・・・・心と霊魂の浄化統一する作法です。
雄健行事(おたけびぎょうじ)・・・下腹に力を入れて雄叫びを上げます。
道彦さんが全体の纏め役で 身体の動かし方や 和歌を先導します。
雄詰行事(おころびぎょうじ)・・・大地の霊気を受ける作法です。
二本の指で邪気を切る動作。
気吹行事(いぶきぎょうじ)・・・・・深呼吸のことです。
寒禊(かんみそぎ)
「エイッ!」と剣印で水を切った後、氷水に身を投じます。
「祓戸大神(はらえどのおおかみ)、はらえどのおおかみ・・・・・」と何度も唱え 振魂(ふりたま)という動作を行いながら 心身を祓い清めます。
水槽から上がっているグループは 道彦さんの指導で 鳥船行事その他を行います。(道彦とは この儀式を先導して執り行う方です)
この神聖な行事の最中に 事故は今まで一度も おきていないそうです。
又、これに参加する事により 風邪は絶対にひかないとの事です。
お正月や 年の初めを意識する事が少なくなった現代では、この様な事に参加する事に大変な意義を感じました。
氷水につかって居る人は 振魂(ふりたま)を行っています。
今年は 80人が 2組に分かれ 交互に3度水に入りました。
何度はいるか?とか、どの位 氷水に入っているかは、全て その時の道彦さんの判断で決められます。
行事がすっかり終った後 氷を抱いて見せる豪傑さんがいました。
・・・・・感謝・・・・・・
この記事を取材するにあたり 鉄砲洲稲荷神社「弥生会幹事長」の石川辰夫様に大変に御世話になりました。
突然に お訪ね致したにも拘らず 御家族で応接間に迎えて下さり親切に ご説明下さいました。
伝統文化を守り維持継承しておられる石川様はじめ 弥生会の皆様に感謝するとともに 江戸っ子の優しさと 懐の深さに触れた思いでした。