梅雨明けあとの、午後の昼下がり、「江戸バス(中央区コミュニティバス)」に乗車しました。
中央区役所の玄関前に、南循環、北循環と2台の小型バスが前後に並んでいました。
鮮やかな赤のボディが、かわいらしさを際立たせます。
始発の地の利を活かして、まだお客さまが誰も乗っていない車内へ、100円玉をコインボックスに入れて乗車。
目指す座席は、一番後ろの進行左端の席です。最後部の席は、ノンステップの車内の中で2段ほど高いため、外の見晴らしが良いことと、肘置きの部分がふっくらしていて、ささやかな「お得感」があります。
座席は11席。つり革が8本。太目の握り棒も掴みやすく配置されています。
ほとんど無意識に乗った北循環は、東京駅、新日本橋駅、浜町駅、水天宮前駅などの28箇所に停車します。
「発車します。」、「左に曲がります。」
『わーい。何てソフトな声の運転士さんなのでしょう。』
お客さまの姿をしっかり確認してのやさしい声かけ。
この丁寧な心配りならば、通院に利用しているお年寄りも安心です。
なんせ、炎天下の平日の午後ですから、外の暑さを逃れたOLさんが、仕事疲れのためか、つかの間の眠りについています。
浜町周辺を通ると、反射的に「絶対、和服姿の女性が歩いているはず」と妄想するのですが、期待にたがわず、歩く姿もキリッとしたお姉さんが、姿を見せてくれました。
わたくし的に、一番印象に残ったシーンは、右折した交差点の中ほどの位置から見えた清洲橋です。ほんの一瞬なのですが、橋がグッと迫ってくるようで、オオッと目を見張りました。
途中の東京駅、区民センター、病院、取引先の会社・・・。乗ること自体が目的だった私には、お客様に移動手段として定着している江戸バスが、何か貴重な存在に感じられました。
小さな車体で、狭い道路にもするりと入り込め、デブ猫マーク、・・いやいや福招き猫がキュート。
アニメの猫バスのやさしいイメージが漂っていました。
一周約65分。JR山手線一周の時間とほぼ一緒。
「中央区のぐるり旅」はいかがでしょうか。