商業の中心地・
地元から愛され、住民とともに栄え、親しみのある商店街を、特派員が訪ねて、見て、聞いた商店街の"今日そして明日"。そのイキイキとした魅力と活力、とっておきの情報などをお伝えしている、
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◎特派員の商店街訪問(第6回)◎
特徴あるモノ・サービスでスーパーに負けない店づくりを!
/浜町商店街連合会
水天宮前交差点から新大橋通を東にゆっくり歩いて10分。浜町商店街連合会会長に今年6月に就任したばかりの岩手行正会長のお店「八百秀」さんを訪ねました。
八百秀さんは創業80年(昭和4年創業)を超える八百屋。岩手会長が二代目とのことです。主なお客さんは、割烹料理店などの食の「プロ」。「プロ」の厳しい目に応える品揃えが自慢のお店です。
〔浜町商店街連合会について〕
Q.創立何年になりますか。また、一番古いお店は。
A.(はっきりとしたことは分かりませんが)
Q.浜町商店街の特徴は何でしょうか。
A.他の商店街のように一つの通りに各商店がまとまっているのではなく、加盟店が浜町界隈に点在しているということが特徴です。
また、歴史的に見ると、花柳界があった地域ですので、かつて、花柳界に絡んだ仕事をしていた昔ながらのお店も残っています。うち(八百秀)もそうですが、他にも、芸者の着物の洗いを請け負っていた経験を活かして、今ではクリーニング屋として頑張っている店もあります。
〔浜町商店街の現状〕
Q.お店は何店舗ありますか。また、どういったお店が集まっているのでしょうか。
A.今は50店くらいです。かつては100店以上ありましたが、景気も良くなく、近くにスーパーができたこともあり、やめてしまったお店も少なくありません。
マンションは増えていますが、マンションの住民はスーパーに行って、地元の商店には足を運ばないというのが現状です。一方、商店街は昔ながらのお客さんが多いのですが、そうした方々は残念ながら減ってしまっています。
Q.どういったお店が集まっているのでしょうか。
A.酒屋、飲食店、八百屋、自転車屋、花屋、和菓子屋等々様々な種類のお店があります。
(地理的にそれぞれの店が離れているということもあり、)いずれの店も各々の特徴を活かした店づくりに取り組んでいると認識しています。(逆に言えば)他の店にはない特徴がなければ(スーパー等との競争の前に)生き残ることができなかった、ということでもあります。うち(八百秀)も、例えば「もやしみつば」のように、他の店では手に入らないような野菜を扱っています。割烹はもちろん、年配のお客さんにも喜んでもらっています。
〔浜町商店街連合会でのイベント〕
Q.商店街でのイベントは何か予定されていますか。
A.昨年まではサマーセールとして、各店で福引き券を配り、浜町公園で開催される大江戸盆踊り大会に合わせて福引き抽選会をやっていました。
しかし、お店の売上げは期待ほど上がらず、また、お祭りの会場に設けた抽選会場には、福引き券を持たずにいらっしゃった家族連れもいらっしゃって、お子さん達に残念な想いをさせてしまい、かえって逆効果になってしまったのではないか、との反省から、今年、私が会長になった際、今年はやらないと宣言しました。やめることには他のお店の方々にも納得いただいています。季節的にも、夏は各町会の催しがあって、それぞれ忙しいですからね。
現在、サマーセールに替わるイベントを検討中です。人が集まる楽しいイベントを催したいと思っています。楽しみにしていて下さい。
〔新会長としての抱負〕
Q.これから商店街の振興のため、どういったことに取り組まれますか。
A.まずは、商店街連合会に加盟している商店であることが分かるような目印を各店舗につけたいと考えています。そのことにより、お客さんとお店との間でコミュニケーションが生まれるのではないかと期待しています。
そして、個々の店の特徴をどうアピールしていくか、ということを商店街連合会としても考えていきたいと思っています。
浜町は、商売がやりにくい場所です。しかし、それだけにやりがいがあります。
〔取材後記〕
話が進むにつれ熱く語られる岩手会長に圧倒されているうちに、あっと言う間にインタビュー時間が過ぎていきました。特に、現実を直視して「特徴ある店作りが生き残りのために必要」との言葉を力強く繰り返されていたことに感銘を受けました。浜町商店街が新会長の下でどうなるのか、とても楽しみです。