お待たせいたしました。前々回に続いて「江戸バス」乗車日記を書きます。
たとえ、待っていた人が少数でも、いや、ほとんどいない現実があったとしても、
南・北ふたつのコースがあれば、片方の乗車だけでは、ちょいと寂しくて心残りな気分。
やはり、もう一方のコースにも乗りたくなります。
(だって、二種類のお菓子があり、ひとつを食べて美味しさを知れば、もうひとつにも
手を伸ばしてしまいます。どんな味がするのだろうと、期待を抱きながら。)
さて、「江戸バス(中央区コミュニティバス)」南循環の、お味はいかが。
うん、「空と川のブルーに彩られた、高層ビルの鋭角なティスト。」 (なんのこっちゃ。)
南循環は、運行中に複数の橋を渡ります。
これが、大きな特徴と言えるでしょう。
潮風を身近に感じるコースです。
亀島川の「南高橋」の、あや取りのようなトラス。
隅田川に架かる「中央大橋」の、ケーブルの張りの面白さ。
同じく隅田川に架かる「勝鬨橋」は、どっしりとした重量感が伝わります。
車道の中央部から眺める、いつもと違った橋の姿に、ちょっとワクワクします。
病院、保健所などの医療機関をはじめとして、区民センター、区民館、運動公園などの
公共機関を中心に、細やかに回ります。
佃や月島・晴海などのスポットにも立ち寄ります。
おやっ、車イスをご利用のお客さまがバス停に見えました。
常態では、車イスの入るスペースはありません。
すると運転士が素早く客席に降り、前方右側の2座席の乗客にお願いして後ろへ移動してもらう
とともに、座席を折りたたんで、車イスのスペースを確保。
車イス用の乗降スロープも、運転席の背もたれの部分に収納されていたのですね。
ノンステップバスならではの乗車しやすさ。
乗客も心得ていて、ごく自然に譲り合っていました。
小さなバスの空間を、心遣いで広く活かす姿がありました。
一連の流れを見ていると、ホンワカ気分になりました。
江戸バスを利用するにつれて、マスコットの「福招き猫」が、どんどんキュートに見えてきます。
目が馴染んだからだけでなく、小回りを活かしながら、かいがいしく動き回る姿が、かわいく
感じられました。
南循環は、目的に応じて使いこなすことができる、多彩な場所を巡るコースです。
ふらりと風にまかせて飛び乗ってみると、中央区の新たな魅力を見つけ出すことができるでしょう。