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中央区に残る「時の鐘」は、江戸の町地の第一号

[小江戸板橋] 2010年10月27日 08:45

江戸時代には、時間を知らせるために鐘を撞きました。

町地に設けられた最初の「時の鐘」は、中央区内にありました。

所は、日本橋石町。

 

石町に鐘撞堂が建てられたのが、寛永3年(1626年)と言いますから、

三代将軍家光公の時代ですな。

 

この江戸の町地で最初の鐘。江戸城内で撞いていた城鐘を移したとも、

鐘撞堂を建てたのに合わせて新しく鋳造したとも言われています。

「時の鐘」第一号ならば、江戸城内で響いていた鐘を譲り受けたと言う

ほうが、趣があって素敵じゃないですか。

 

鐘撞きの管理をしていたのは、鐘撞役「辻源七」さん。

 

でも、鐘撞きの時間は、どうやって決めていたのでしょう。

ものの本から推測するに、和時計や時香炉を使っていたようです。

線香の燃える時間で、時を図るのが、時香炉ですね。

 

捨て鐘を3回撞いて注意を喚起し、その後に時刻の数だけ撞いて知らせ

ていました。

ほんとの所、時間が多少ずれることもあったそうな。

江戸の人々は、それを飲み込む、おおらかさがあったのでしょう。

 

明暦3年の大火(1657年)の後、江戸の市街地は急速に拡大します。

それに伴い、上野、浅草、市谷、芝など十数か所に設けられていったとか。

 

現在、「時の鐘」は、日本橋小伝馬町の十思公園内に移されています。

二階建ての鐘撞堂に提げられているのが、宝永8年(1711年)に鋳造された

鐘です。

 

なぜ、日本橋石町に第一号が置かれたのでしょうか。

それはもう、そこが江戸の町の中心だからですよ。

あの鐘の音が、江戸中に響き渡っていたのですね。